地を這う虫 (文春文庫 た 39-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 109
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167616014

感想・レビュー・書評

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  • マークスの山がすっごく面白かったので期待して読んだが、うーん、自分には”そこそこ”だったかも…
    中身としては短編集で、いずれも警察を辞めた男の話。
    色々な苦悩や背景がある中で事件が起こって…という形だが、短編集、元警察であくまでも一般人ということもあり、話に派手さはなく、物足りなさを感じた。
    寡黙な男が好きな人は好きな話かも。

  • 2021.12.5 読了

    克明な観察メモから連続空き巣事件の真相に迫る守衛の奮戦をたどる表題作ほか、代議士のお抱え運転手、サラ金の取り立て屋など、日陰にありながら矜持を保ち続ける男たちの、敗れざる物語

    物語に派手さはなく淡々と綴られてるのでなかなか読むの大変でしたが読後にじんわりと染み入るものがありました

  • 昼は倉庫会社に、夜は薬品会社の夜警として勤務する沢田省三は非常にきちんと仕事をしていた。その彼が習性で事件を嗅ぎつけて捜査を始めた…。失意の内にあっても仄かな光を放つ男た..

    酷い。酷すぎる!もっと続きが読みたいと思ったところで綺麗に終わってしまう。シリーズ化して続きを書いてください、と作者に懇願したい短編集。5編収録。どれも退職した警官が事件に巻き込まれるのだが、5編全て本当に面白い。『愁訴の花』はジャンル的にミステリーサスペンスになるのかな?今まで読んだミステリーの中で断トツの面白さ。キャラクターの味付けがどれも薄いので、超濃いキャラが好きな人には物足りないかもしれません。表題の『地を這う虫』と『父が来た道』が最高に好き!

  • 陽の当たらない場所で生きる者たち。夜警、サラ金取立て、サンドイッチマン…。悔しさを胸に、諦めたり言い訳したり。でもとにかく生きていく。苦い、あまりに苦い。人生の岐路で逃げた、怖気付いた、運がなかった者たちが、二度と立ち上がろうとせず、内側を向いたまま境遇に甘んじていく。こんなの矜持と呼んでいいのか。坂道を転げていく。ああ、辛い。良い話ではないが心に沁みる。楽しくはないが面白い。自分は安全な場所にいて他人の不幸を気の毒に思うような他人事の居心地の悪さを感じながら読み終える。何と表現すれば良いのだろう

  • 地味だけど面白かった。
    余計な、解説がないから読後の余韻を楽しむ事が出来た。
    矜持・大切にしたい。

    世間で通用しないけど、
    ”見栄・意地・やせ我慢”
    私は、(自分の中の狭い世界だけでも)どうしても守りたい。

  • 2020.3.28再読。

  • それぞれの事情を抱えて警察を辞した元刑事たちの4つの物語は、髙村さんの無駄を廃した文章が相変わらず心地いい。

    警備会社の事務、サラ金の取り立て屋、代議士のお抱え運転手、昼は倉庫会社、夜は守衛・・・地味で地を這うような日々をやり過ごす彼らの中には、未だに警察時代の名残がある。
    良きにつけ悪しきにつけ、そんな名残を引きずりながら、人生の矜持を失わずに生きていく男たちの物語は、人生を振り返る年齢になった今だからこそ、しみじみとした余韻を残すのかもしれないな~。

    「巡り逢う人びと」では、借金のかたに主人公に工場を潰された同級生が、それでも、「笑う門には福来ると言うだろう?俺は藁にもすがりたいほど福が欲しいだけだ」といって笑いかけるシーンに泣けました。
    「地を這う虫」の主人公は憎めない。刑事の習性?でも、実際にこんな人がいたら完全に不審者です(笑)

  • 36292

  • それぞれ、警察官を辞めた主人公の第二の人生の中で、警察官である誇りや、その習性を忘れられないという短編を集めたもの。それぞれの結末が、余韻を残すというか、読み手に考えさせる余地を残すというか、独特の感じになっている。"

  • 警察系ヒューマンドラマ。結構好き。

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著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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