ヒートアイランド (文春文庫 か 30-2)

著者 :
  • 文藝春秋
3.76
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本棚登録 : 2659
感想 : 291
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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167686017

感想・レビュー・書評

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  • 登場人物の誰に感情移入するかで感じ方が変わりそうな一冊。
    渋谷の真ん中でガキと強盗とヤクザが金をめぐってドンパチ。頭を使うヤツに注目したくなるところだけど、引退おじさんの哀愁が一番印象に残ったなあ。

  • この手のミステリーは作者の気の向くまま疾走するか、理詰めでじっくりと物語をすすめるか、どちらかだと思う。

    疾走感を得られる場面は少なく、ヤクザと強盗とチーマーの頭脳戦、肉弾戦が続く。
    ちょっと細かい描写が多すぎなように感じた。

  • ギャング金持ちすぎ

  • 渋谷版ファイトクラブ風孔明の罠じゃ

    中盤から頭脳班のはずのカオルが目立たなくなり戦闘班のアキの1人舞台。

    続きが気になる。

  • 男が熱くなる要素が多分に散りばめられた本書。ファイトパーティーを開きトップに君臨するアキとカオル。非合法カジノから金銭強奪するプロフェッショナル達。そこに絡む裏社会のヤクザ多数。出てくる人間はハードボイルドなのに各人思考は緻密で、生い立ちや想いは熱く繊細。死者は多数出るのだが残忍さよりもかっこよさや憧れを魅せられる。ラストで一年後の再開を望む敵とそれを了承する仲間。最後までかっこよさを貫いた作品。

  • 3.5
    渋谷でファイトパーティーを開くストリートギャング雅のトップ、アキとカオル。裏カジノから強奪された大金を巡って、2つのヤクザ、裏金強奪のプロ柿沢達との4つ巴の攻防を描いたハードボイルド。カオルの生い立ちも面白い。官僚の次男だが、独学を選び大検へ。自分で考えることの大切さ。アキも含め、どのグループでも各々の思惑が蠢き垣根小説らしく面白い。最終的に、アキとカオルは他の3つのグループをやり合わせ難を逃れたが、柿沢らとの力の差も。アキを誘うシーンも良い。欲望と焦燥が都市で熱を持つヒートアイランド。
    解説の大沢在昌曰く大藪春彦の後継者だろうとのこと。

  • ヤクザを相手に、チームの仲間が冒した失敗を綿密な計画と度胸で切り抜ける19歳のアキのカリスマ性が光る。終盤のシーンは息付く暇もない緊張感で一気に読んでしまい、柿沢と桃井もかっこよく敵ながら生き残ってほしいと思ってしまう。終わり方もよく続編も気になった。

  • 中盤まで読むのに時間がかかってしまったけど、どんどん面白くなってきた。本番はこれから。次作楽しみ!

  • 渋谷でファイトクラブを経営する若手ギャングの下っ端2人が、ヤクザのカジノ金を奪った窃盗団から、偶然コレを強奪してしまうところから始まる複雑なギャング小説。

    こんなことありか!というストーリーだが、主人公アキの存在感が際立っていた。
    最後の渋谷の事務所での攻防は迫力あり、想像力を掻き立てる名シーンだ。

  • カオルが頭脳でアキが肉体派かと思いきや、アキも鋭く、カオルも意外と沸点が高いところがある。単純なヤンキー小説ではなく、普段関わることの少ない人種層の考えや行動が巧みに入り混じっており、かつすっきりまとまってて読み応えがあった。簡潔な社会の縮図を見ているようでもあり、「ホーリーランド」と似たようなものかと思いながら読み始めてた最初の考えは吹き飛んだ。

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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