ヒートアイランド (文春文庫 か 30-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (466ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167686017

感想・レビュー・書評

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  • 石田衣良の池袋ウエストゲートパークか、大沢在昌のハードボイルドかと思われたが、落としどころは続編があるような粋な終わり方。ハードボイルドの桃井や柿沢やヤクザ達が19歳のガキに躍らさせられるがそんなキレるアキの生い立ちも興味が湧く。折田の存在感が最初だけでバーで助けた女性と合わせて次作で繋がるような展開にならないだろうか?

  • 面白かった。垣根涼介はこうでなきゃ。

  • ストリートギャング、強盗、暴力団のバトルもの。

    語りの視点が目まぐるしく立ち替わり、同じシーンを違う視点で繰り返すこともある。見せる視点の順序も、ハラハラ感を煽るようにできている。構成面がきめ細かい。

    ブレない『完成された人』と、過去の選択や今の自分、そして将来に後悔や迷いを抱えた『未完成の人』が描かれている。『未完成の人』の内面に共感する人が多いのかもしれない。

    男性が好みそうな小説。ワイルドサイドへの憧憬が目立ってかんじた。

  • 4.0 久々の垣根涼介。スピーディーな展開で一気に読みました。シリーズ化されているようなので続編も読んでみようっと。

  • もっと売れていいのにと思う作家。
    だいたい、ハズさない。

    めちゃくちゃだけど、破滅がないし、愛情がある作話。

    だから好き。
    今回は、内容的には軽め。
    社会問題が絡まないからね。
    ストリートギャングとヤクザ、それだけ。
    賢いコが出てきて、社会を揶揄するシーンは好きだったけど。

    氏の「ワイルド・ソウル」は、佐藤が今までで読んだ小説でもっとも面白かったうちの1つです。
    ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

    ・エンジンに、クルマに、メカの個性が如実に顕れる。
    経験とセンスと、仕事に対するスタンスが滲み出る。(P115)

    ・効率よりも、仕事の完成度を求める人種のことだ。完成度とそれにかかる時間と手間を秤にかけて、そこそこで妥協するということを知らない。(P126)

    ・垣根の考える完成された男とは、こうである。
    ずば抜けた戦闘能力をもちながら、己を過信することなく、用心深さと大胆さを併せもっている。徒党を組むのは好まないが、信頼できるパートナーをもち、ときには相手の意見にも耳を傾ける。その上でしかし、世間的にいうマトモな生き方は決して好まない。パートナーに対する信義は命がけで守るが、一方で法を破ったり、ときには人を殺すことに対しても必要なら躊躇しない。心の裡をすすんで他人に明かしはしないが、といって心を閉ざしているというわけでもない。信じる相手には、あとで不利となるとわかっていたとしても、真実を告げてしまうことがある。(P462/解説)

  • 「ギャングスター・レッスン」「サウダージ」「ボーダー」へと続く、シリーズの第1作です。
    渋谷のストリートギャング雅を率いるアキとカオルのコンビ、彼らと張り合うことになった裏金専門の強盗、柿沢と桃井のコンビが魅力的です。特に桃井と柿沢の出会いのエピソードは、プロの心意気が感じられて大好きです。

  • 池袋ウエストゲートパークがまぁまぁ好きと言ったら薦められた一冊。
    違う!社会問題全く入ってない!
    各々の人物に魅力があったから、楽しくは読めたけど、もうちょい社会問題取り入れてくれたらもっとよかったのに…

  • 渋谷でファイトパーティーを開き、トップにのし上がったストリートギャング雅。頭のアキとカオルは、仲間が持ち帰った大金を見て驚愕する。それはヤクザが経営する非合法カジノから、裏金強奪のプロフェッショナルの男たちが強奪した金だった。少年たちと強奪犯との息詰まる攻防を描いた傑作ミステリー。



    ヒートアイランド
    やっと見ることができました。


    歩いたついでに借りてきました。


    ひゅーっ。

    ひゅーっ。


    楽しい☆


    この前DVD見たんが

    チームバチスタの栄光


    やから

    このままやったら
    DVDが嫌いになるとこやったでな。


    小ネタがちりばめられ楽しいし、話はちょっぷり違うけど
    一つの話になってるし。

    ドキドキハラハラするし。
    面白い。面白い。面白い。面白い。


    5☆

    って待てーーードンッドンッドンッドンッ

    まてードンッドンッ

    いま、ちょう、すーぱー誉め讃えたけど

    ラストが納得いかないぞードンッドンッ

    まてまて。

    なんで、強盗になってんのドンッ

    おまっ、カオル捨てた!?!?(ちがっ)


    残念やったのが
    ラストどす。
    あとは
    アキの性格が違ったことでしょうか。
    あんなに、キレきゃらじゃないし。
    性格明るすぎるし。


    カオルは素敵だすが。
    ちょっ繊細さがなかった。


    つか、なんで
    私はなんで、

    じゅんと斎藤さまを間違えたんでしょうか。


    ナオべっぴん。


    こんな感じの。

  • 主人公は、アキという19歳の少年である。彼は、家庭の事情から家出同然で単身渋谷に乗り込み、似たような境遇のカオルという少年と組み、アキは喧嘩と度胸で、カオルで頭脳と弁舌で渋谷のストリートギャング団のヘッドとなった。一方、ヤクザや政治家の闇金ばかりを狙う強盗団の柿沢、桃井、折田の3人は、六本木の闇カジノの金を強奪した。しかし、これを機に引退するばずの折田が、アキのチームメンバーとトラブルになって分け前を強奪されてしまう。カジノを運営する関西系ヤクザと、強盗団、アキのチーム、そして渋谷を縄張りとしてアキにちょっかいを出してきた渋谷の地ヤクザの四つ巴の戦いが始まる。


    結果、アキたちのグループが強盗団とやくざの両方を貶める(ぶつける)ことに成功し、勝利をおさめるが、強盗団は生き残る。そこで、あきは強盗団に金を返し、強盗団はすんなり受け取りあきを誘う。これで終わり。


    非常にスリリングなサスペンスであったと思う。内容的にはすごくよかった。普通に推理小説ではなく男物のおもしろい小説であると思う。

  • 渋谷のストリートギャングを束ねるアキとカオル。
    彼等はファイトイベントを開催する事でソコソコのお金を稼いでいた。

    それに目を付けた地元のヤクザ

    時同じくしてヤクザの経営するカジノが襲撃され1億近い現金が奪われる。

    現金強奪犯と2組のヤクザ、そしてアキとカオルのチームを巻き込んで四つ巴の騙し合い、啀み合い、殴り合い…
    最後に地上に立ってられるのは誰?

    スピード感がある暴力と知恵と金の物語


    続編も読んでみたくなった!



    ヤンキーとヤクザ恐い!!

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著者プロフィール

1966年長崎県生まれ。筑波大学卒業。2000年『午前三時のルースター』でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『ワイルド・ソウル』で、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞の史上初となる3冠受賞。その後も05年『君たちに明日はない』で山本周五郎賞、16年『室町無頼』で「本屋が選ぶ時代小説大賞」を受賞。その他の著書に『ヒート アイランド』『ギャングスター・レッスン』『サウダージ』『クレイジーヘヴン』『ゆりかごで眠れ』『真夏の島に咲く花は』『光秀の定理』などがある。

「2020年 『信長の原理 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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