点と線 (文春文庫 ま 1-113 長篇ミステリー傑作選)

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  • 文藝春秋
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感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167697143

感想・レビュー・書評

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  • 初 松本清張さんでした。
    ちょっと古い感じがするのかなぁ~と思っていたのですが とんでもないです! 
    とても文章がおしゃれでした。
    「星が砥いだように光っていた」って かっこよかったです
    鉄道の時刻トリック 鉄分が少なめの私でも面白かった 
    この本はとってもすてきなイラスト入りなのでそれも楽しめました。

  • NHKのアーカイブを見て、松本清張の本を読みたくなった。今の政治に絡むこと多し。以前にも読んだが、新しい気持ちで読めた。一気に読めた。時代は変わらない、政治の汚職も変わらない。

  •  松本清張初の長編推理小説。後ろの「解説」によると「一九八〇年代に隆盛をみて、今日まで根強い人気を持つトラベル・ミステリーの祖形」(p.276)であり、「古典的名作であり、わが国の推理小説史上、最も重要な意味を持つ作品の一つ」(同)。あの有名な「東京駅13番ホームから15番ホームが見える『空白の四分間』」(こういうのを「空白」って言うのかな?)から謎解きが進んでいく話。
     この歳にして初めて読んだ松本清張。高校の時の担任が薦めていたし、同和教育の映画鑑賞?で『砂の器』を見た。ずっと気にはなってたけど、最近NHKの「100分で名著」っていう番組を見て、いよいよ読んでみたくなったので、GWのブックオフの20%オフセールの時にやっとこの『点と線』を買ってみた。松本清張と仕事をしたらしい風間完という人のカラーのきれいな絵がたくさん挿入されていて、頭の中のイメージ通りの絵で、それもよかった。
    (以降、ややネタバレの内容を含む)
     「空白の4分間」のことは知ってたし、それが事件の謎を解く鍵になる小説だと思っていたけど、それは謎解きのきっかけで、割と早い段階でそのきっかけは示される。後ろの「解説」にも書いてあるが、前半部分で既に犯人の目星がつき、あとはそれを裏付けていくという話だった。結構おれは楽しめたが、最後に辻褄合わせの部分が残され、それがすべて「手紙」の形式で(要するにリアルタイムじゃない形で)まとめて示されるという部分だけ、なんとなく物足りなさを感じてしまったけど、でもこの時代に読んでも普通に、気楽に楽しめるというのはすごいことなのかもしれない。
     初出が1957年ということだから、今から60年以上前で、古き良き時代?ノスタルジー?っておれも全然知らないんだけど、そういう雰囲気を感じるのも楽しかった。「今朝、署から打った電報で東京の新聞社がかぎつけ」(p.39)ってどういうこと?なぜ第三者が他人の電報の内容を知り得るんだろう??とか、電報を打つのに「苦心して二十字以内ですむように文句を考えた」(pp.61-2)っていうのは今でもショートメールとかでもしかしたらあるかなあ?でも20字っていくら何でも少ないよなあ。そして福岡の刑事が家で入る風呂は「古い桶の五右衛門風呂」(p.45)で、女房が湯加減をきくという。
     という楽しみ方もできた本だった。ブックオフのセールで『砂の器』や『神々の乱心』も買っておけばよかった。他の本を買い過ぎたので…。あともしかしたら「トラベル・ミステリー」(西村京太郎とか?)、今まで読んだことなかったかもしれない。(21/05/15)

  • 面白かった。

    読んで以降、大きな駅で沢山の人々が換え繰り返しているのを見ると、この小説を思い出す。人々の裏には、様々なストーリーがあるのだろうなと思ったりする。

    内容と関係ないが、交通機関のスケジュールに振り回されて人々が動かされていると考えると面白い。

  •  「点と線」というタイトルの意味が最後にやっとわかった。2つの点を何の迷いもなく1本の線と認識してしまったことが捜査を複雑なものにしてしまった。実は数々の先入観(情死に違いない→全然関係なかった、列車移動に違いない→飛行機だった、佐山に電話をかけたのはお時に違いない→安田の妻だった等)が仕組まれていて、鳥飼からの手紙も手伝って、その一つ一つを順に疑って解いていくことで新たな展開が生まれる、という過程が、読んでいておもしろかった。
     松本清張は電車が好きなんだなぁと思った。だってなんか、時刻表への愛がすごい。

  • 前に読んだことあるが、思い立って購入して再読中。アガサクリスティはいろいろ、横溝正史もいくつか読んでるが松本清張はあまり読んでないなーと。汚職の絡んだ事件とか、昔も今も…。

  • 一気に読んだ。西村京太郎か?ってなトリックだったけど、結局うまいことやった偉い人は逃げ切るんだよなぁ…

  • これを読んで“なんで最初から飛行機思いつかないんだろう。ばからしい”といった感想を言っていた人がいたが、そういうことじゃないんだよね。ごく自然に登場人物たちの心情の移り変わりを描き、これだけのスピード感を持ったまま、詩情溢れる日本の風景をも描いている、幕切れの余韻もある、というのはやはり名作。

  • 清張さん初めて読みました。
    文体がもっと読みにくいのかと思っていたら
    読みやすかったです。

    仮説をたてては破られの繰り返しで
    もう…もういいんじゃないでしょうか…
    と思ってしまった…苦しい…
    (犯人をのさばらすことになるからそれは
    よろしくないのだけれど)

    有栖川さんの解説もあって
    そっかそっか…と思えたのでよかったです。

    カラーで絵はついてるし、
    ゴージャスな装丁でした。

  • P272
    推理小説の原点
    これに勝るものはない

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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