その女アレックス (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901967

感想・レビュー・書評

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  • われわれにとって大事なのは、真実ではなく正義ですよ

    この一言で、警察は全てを見抜いた上での判断をしてくれたんだなと少しは救われた気分になった。
    アルマンのエピソードにも感動した。良いチームだな。

  • カミーユ警部シリーズになるのかな、1作目。事件は凄惨なのですが惹き付けられてぐんぐん読みました。
    凄惨さと暴言紛いの皮肉やジョークで、てっきり北欧ミステリだと思っていたらフランスでした。近くはないけど同じようなコミュニケーションになるのか。。
    誘拐された被害者と彼女を追う刑事さんたちが交互に描かれるのも面白かったです。どちらかが少ないなと思うことが少ないので、どんな思いでこのときこうしたのか…が伝わってきやすかった印象です。
    それにしても虐待、やったほうが、やられたほうの反応が不満そうだったみたいなとこで、絶対面白がるためにわざとやったんだろうな。酷すぎる。そりゃ喉に硫酸流し込んで殺したくもなります。
    生前のアレックスに間に合わなかったのは悲しかったけれど、「真実より正義」でトマに引導を渡せたのは良かった、すごい精神力なので恨みもつらいんでしょう。

  • #3229ー52

  • これ、シリーズ物だったんだぁー!?
    いや、誰も教えてくれないから、ふつーに読んじゃった笑
    でも、前作知らなくても読めたよー。
    でも、A型の私は順番に読みたかったー笑

    最初はアレックスが誘拐されるところから始まる。
    ちっちゃい警部のカミーユと、話が交互に出てきて、
    「アレックスを早く助けてあげてー」って思うんだけど、
    だんだん話が変わってくる。
    アレックスは、被害者なの?加害者なの?
    と、頭パニックになりましたー。

    話し的にはおもしろいから、☆4くらいなんだけど、
    やっぱり翻訳系って、何か苦手なんだよねー。
    なので、☆3にしちゃいました。
    最初、読み続けるのに時間がかかったけど、
    だんだん気になって読むスピードがUPしたよー(*´艸`*)

    • shintak5555さん
      ああ。
      順番に読まないと。笑
      カミーユ警部シリーズなので、警部の身辺が時系列に変化していきます。
      私ももちろんA型ですので順番に拘ります!笑
      ああ。
      順番に読まないと。笑
      カミーユ警部シリーズなので、警部の身辺が時系列に変化していきます。
      私ももちろんA型ですので順番に拘ります!笑
      2021/10/17
    • ほくほくあーちゃんさん
      シリーズものだと知らず、やられてしまいました( TДT)
      時系列に変化するなら、なおさら順番に読みたかったー!!
      シリーズものだと知らず、やられてしまいました( TДT)
      時系列に変化するなら、なおさら順番に読みたかったー!!
      2021/10/17
  • 読んでいる最中、登場人物に対して抱く感情がここまで変わる作品は他に無い…素晴らしいの一言。国外ミステリーは作者の意図通りに翻訳出来ているのか等、不安があり避けて来たがこの作品と出会えて良かった。
    頭の中が「???」となったまま結末で「なるほど〜!」となるこの感覚…たまりません。
    所々グロい描写があるので注意。

  • シリーズ2作目なんだけど、なんかの賞の受賞の関係でこの2作目が日本で最初翻訳されたらしい。

    これは正直1作目から読みたかったな。知ってたら先にイレーヌ読んだよ…
    1作目、ガチで前の奥さんの話だったんじゃん。
    え、何、妊婦だった?マジかよここでそんなこと書いちゃうの?それとお母さんのことまでぇ!
    ちょっとこれはないな。

    どんでん返し系の話だと聞いてたので何かあるね…と思いながら読んだせいか? アレックスが逃げ出すまではそんな驚かなかった。

    ただそのあと会う人会う人次々と人を殺すのにはびっくりしたかな。しかも結構平然として見えたし。あ、これサイコパス? 殺し屋?頭もキレるし。

    昔から自分には自信がなかった…のに実は美人でスタイルがよい、には何か引っかかってはいた。きっとなにかFamily affairだなとはわかったけどまさかね…
    気分が悪くなった。正直。
    何あれ?結局誰がやったのよ?いつの時点で?それで母さんは応急処置?え、何そんなんで助かるものなの?まじで?

    高校生くらいまで「痩せっぽっちで暗い顔したただの女の子だった」っていうのすごくわかるし、なのにそんな子をぐちゃぐちゃにしたことが本当にあり得なかった。

    箱の中での描写も逐一細かくて私まで手足を伸ばしたくなった。リアルで木片をネズミにぶっ刺すとかウォーキングデッドか!て感じだった。

    トラックの運ちゃんは結構ショックだった。良さそうなおっさんだったのにあっさり殺しちゃったから。
    でも、ファーストラヴの時と同じでやった本人にはただの過去でしかなく、フツーにフツーな生活をgetしているのが許せない。

    あと、出てくる「憲兵」って単語、フランスっぽく感じてることに驚いた。
    あーそうか言語が仏語の翻訳の現代小説って読んだことなかったのかもしれないな…
    憲兵といえば私にとっては三銃士時代なので…w

  • 本作を読み進める上で、アレックスの人物像が2転3転どころか5転はしたと思う。狂気的であり、賢く、哀れなその女に同情していいのかわからず、複雑な心境で読んだ。
    警察側の個性がすごく豊かで、お坊ちゃんと貧乏人とガキの、緊迫感ありユーモアありのやりとりがとても面白かった。
    ラストがあまりに衝撃的で、少し考えないと状況を読み込めなかった、面白い!

    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

    おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。

  • 面白かったなぁ~。

    以下、完全にネタバレになっちゃいます(汗)

    3部構成で描かれた本作は巻頭から主人公?のアレックスが誘拐されるところから始まります。

    いかれた誘拐犯によって、肉体的にも精神的にも追い込まれ、裸で狭い木箱に監禁されたアレックスの視点と、妻を誘拐され、殺害された経験を持つ警察官のカミーユを中心としたアレックスを救おうとする警察の視点が交互に描かれ、緊迫感を演出。

    懸命な捜査にてアレックスの誘拐犯を突き止め、追い詰めた警察は、犯人確保の直前で、犯人に飛び降り自殺を許してしまい、アレックスの所在がわからなくなってしまいます。

    その頃、アレックスは自らが死んだ後にその死体を貪ろうと集まったネズミを使い、木箱を破壊し、脱出する事に成功するが、その過程で描かれた心理描写(壊れていく精神とそれに自ら抗う)とその中で生きる為にとった行動の緊迫感は一気に物語の世界へ誘ってくれました。

    そして、第2部では読者にとってまさかの展開が待ち受けていました。

    そこに描かれたのは、被害者としてのアレックスではなく、硫酸を使った惨殺な殺人犯としてのアレックス。

    同じ手口で無残に殺される連続殺人事件。

    被害者に接点はなく、場当たり的な犯行のように見えるも、そこに見え隠れする犯人像。

    警察は謎の連続殺人犯に弄ばれながらも少しずつ犯人を追い詰め、犯人逮捕のハッピーエンドとならないのが、本作の凄さ。

    第2部のラストでは、逃亡中のアレックスが自ら命をたつ。

    ようやく犯人に辿り着いた警察は、それまで追い求めていた犯人が、ローラでもナタリーでもレアでもエマでもなくアレックスである事に辿り着く。

    ここまで読み進めた時、被害者であり、加害者であった主人公?アレックスが死に、第1部、第2部での謎解きが終わったにも関わらず、残された第3部の展開を期待せずにはいられない、もはや本作の虜になっている事に気づきます。

    そしてクライマックスの第3部で明かされる驚愕の真相。

    第1部、第2部それぞれが非常に読み応えがあったにもかかわらず、それぞれが第3部への伏線でしかなかった事実。

    読み終えた読者はきっと著者の虜となる。



    説明
    内容紹介
    「週刊文春2014年ミステリーベスト10」堂々1位! 「ミステリが読みたい! 」「IN POCKET文庫翻訳ミステリー」でも1位。

    早くも3冠を達成した一気読み必至の大逆転サスペンス。貴方の予想はすべて裏切られる――。

    おまえが死ぬのを見たい――男はそう言って女を監禁した。檻に幽閉され、衰弱した女は死を目前に脱出を図るが……。
    ここまでは序章にすぎない。孤独な女の壮絶な秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、慟哭と驚愕へと突進する。

    「この作品を読み終えた人々は、プロットについて語る際に他の作品以上に慎重になる。それはネタバレを恐れてというよりも、自分が何かこれまでとは違う読書体験をしたと感じ、その体験の機会を他の読者から奪ってはならないと思うからのようだ」(「訳者あとがき」より)。

    未曾有の読書体験を、貴方もぜひ!

    内容(「BOOK」データベースより)
    おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが…しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。イギリス推理作家協会賞受賞作。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    ルメートル,ピエール
    1951年、パリに生まれる。教職を経て、2006年、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第1作Travail soign´eでデビュー、同作でコニャック・ミステリ大賞ほか4つのミステリ賞を受賞した。『その女アレックス』はヴェルーヴェン・シリーズ第2作で、イギリスで話題となり、イギリス推理作家協会インターナショナル・ダガー賞の受賞作となった。2013年、はじめて発表した文学作品Au revoir l`a‐hautで、フランスを代表する文学賞ゴンクール賞を受賞する

  • 一番最後が考えさせられる

    「まあ、真実、真実と言ったところで・・・・これが真実だとかそうでないとか、いったい誰が明言できるものやら! 
     われわれにとって大事なのは、警部、真実ではなくて正義ですよ。そうでしょう?」
    カミーユは微笑み、うなずいた。

    トマの罪って何だろう

  • これもあっという間に読み終えました。

    物語が進むにつれ「その女」に対する感情の入れ方がどんどん変わっていきます。
    視点も警察側、アレックス側と交互に入れ替わり進んでいくので先が気になりどんどん読み進められました。

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