- Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167901967
感想・レビュー・書評
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一時、本屋にたくさん並んでいたのを覚えていたので、古本屋で手に取った一冊。あれだけ騒いでいただけあってなかなか衝撃的な物語だった。読み終えたときには読み始めたときと全く違う小説を読んだような不思議な感覚だった。始めから伏線や物語の展開を全く予想せずにどっぷり感情移入して読んでいたので、それも功を奏してすごく楽しめた。この本についてどこかの解説で読んだとき、この著者の作品は動作に対する描写が細かく、「読む映画」だという意見があったが全くその通りだと思った。しかも細かい動作というのは、暴力的なシーンや物語の中核を担うシーンではなく、ちょっとした所作に多く含まれていた気がした。物語にはあまり関係のない描写が細かいからこそ、映画を見ているような気分になるのかなと思った。こちらもなかなか残酷な物語のようだけどヴェル―ベンの過去の物語である「悲しみのイレーヌ」も読んでみたい。
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自分の身長が低いのが母親のせいと解っていても、著名な画家である母親を尊敬していながら、身長のせいで苦汁をなめさせられたと言う原因でもある訳で、その辺の折り合いの付け方がユニークで、カミーユの個性を形作っているし、何よりこんな強烈な班長の班員であるヴェルーヴェン班の面々が個性的!!寝る前のお供なんだけど、寝ながらぷっと吹き出しそうになる場面多々。ユーモアが効いてて笑っちゃう。P89のミーティングの模様で、カミーユは背が低いので基本椅子に座らない(足が浮くので)、立ってる方がいい、なのでヴェルーヴェン班は班長が座らないので「だから今日も全員立っている」…(笑)読了。感動だ。カミーユの、部下からの愛されっぷりに感動だ。ヴェルーヴェン班のチーム男子っぷりが…楽しすぎる、正に個性の集まり。身長が150㎝に満たない警部カミーユ、カミーユと阿吽の呼吸な良家出身のルイ、ドケチでしみったれだが言われた事はコツコツやり遂げるアルマン。このチームの「班長の扱い方は心得てる」感がすげぇ好き。
連続殺人犯であるアレックスのパートと、ヴェルーヴェン班の捜査状況が交互に描かれる構成で、何故アレックスは捕らわれたが、物凄い執念で生に固執するのか、その理由が解った時、自分の命をつぎ込んで彼女がやり遂げた事に更に感動さえ覚える。 -
今頃読んでみた。
おお~っ!これは凄いぞ!グイグイ読めるぞ!翻訳物なのにっっ!!!(そこか!?w)
と思ったのですが、それは最初だけでした~~www
つーか、壮絶に悲し過ぎるやん・・・。
最後だけ、ちょこっと持ち直したけど。あんまりな設定だわ。。。
んで、やっぱり日本人の感性じゃない、よね。
日本人に甘いのかな?私。なんか、合わないわ、やっぱ。
タフすぎるからかな?アレックスとか。。。
弱っちいのも嫌いだけど、なんなんでしょね?
われながら不可解です(^_^;) -
非常に楽しめました……!最初は陰惨な誘拐事件として始まった物語が、やがて180度様相を変えることになるなんて思いもしませんでした。しかもそのような転換が物語中に何度も起きます。主人公はおそらくカミーユですが、物語の中心にいるのは常にアレックスです。物語はアレックスを軸にころころと様相と印象を変えて動いていきます。最初はただの不幸な誘拐事件被害者、しかし……?と謎が深まっていき、アレックスのとある不可解な行動の謎が解かれる場面は圧巻です。
また、カミーユ、ル・グエン、ルイ、アルマンの信頼関係も気持ちが良く、何かと辛い描写の多い今作の緩和剤にもなってくれています。ボリュームもたっぷりで非常に長く楽しめました。話として独立はしているもののシリーズの2作目らしいので、1作目もぜひ読んでみたいです。 -
けっこうエグいけど、最後まで読むとそのエグさも理解できる話でした。
拉致られた女の人が実は訳ありで。。。
最初は彼女を純粋に助けようとする警察と逃げようとする彼女の視点だったのが、彼女を追う警察と逃げる彼女になり、最後は事件解決へ向けて犯人を追い詰める警察、となります。
クソ野郎には相応しい最期を、がただしいとは思わないけど、本当に悪いやつにこそ、相応しい最期を、と思いつつ、辛い思いしかしてこなかったであろう彼女が警察の事件解決で少しは救われたかな、と思いたい。
なかなか優秀かつキャラのある警察のメンバーが良かったです。
2016.9.10 -
すご。
4冊ぐらい書けそうな内容を詰め込んである。
思い付いても勿体無くてこの作品にはできない。とか謎に作家の気持ちになる。
4冊分の濃度だから若干読み疲れる。あと序盤は翻訳に慣れるまで違和感えぐい。
怒涛の展開も、最後のオチもよかった。
最近前評判高いやつハズレ多くて萎えてたけど、読んでよかった〜。海外の本、食わず嫌いやめたいね。