その女アレックス (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (457ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167901967

感想・レビュー・書評

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  • 被害者側から加害者側になった時は理解が追いつかなかった…
    この先どうなるのか気になったところで自殺され、捜査が行き詰まってしまった所での伏線回収が綺麗でした。
    殺人に見せかけるアレックスの行動力にはとても驚きました!
    「大事なのは真実ではなく正義ですよ」と言っていましたが、仮説のゴリ押しで冤罪まで持っていけるのですね笑

  • 美人女性アレックスが誘拐・監禁された。暴力を振るわれた上、小さな檻に閉じ込められ、宙吊りにされ、酷い苦痛に苛まれていた。身体はどんどん衰弱していき、ネズミたちに襲われるのも時間の問題となっていた。

    イレーヌを失った(助けられなかった)心の傷が未だ癒えぬカミーユは、不本意ながらこの誘拐事件を担当させられた(イレーヌの死から4年、本事件がカミーユの復帰戦となる)。カミーユたちは犯人トラリユーを追い詰めたが、面前で自殺を図られてしまう。そしてやっと見つけた監禁場所はもぬけの殻。アレックスは自力で逃亡した後だった。このアレックスも実は凶悪な連続殺人犯で…。

    本作の読み処はやはりアレックスの犯行動機の解明だな。「悲しみのイレーヌ」の救われないラストとは違い、本作のラストでは溜飲が下がった。

    前半の暴力シーンは読むのがちょっと辛かったが、読み応たっぷりのミステリーだった。

  • 表紙イラストをみて凄そうと思って読んでみました。
    犯罪小説でシリーズものらしいけど、順番的にこの作品は2作目らしい。
    でも1作目を読んでいなくてもお話についていけました。

    ただただこのお話で起こる殺人がエグい描写なので、読むのはかなりしんどかった…。物語は第1部〜第3部あって、個人的に第2部がかなりキツかった。気持ち悪くなり、「もう無理や〜(泣)」ってなって、一旦読むのを諦めようかと思ったけど、ここまで読んだし、このお話の展開や真相が気になるので頑張って読み続けました(笑)
    個人的には意外な展開が何度かあったのでハマりました。
    そして読了後はスッキリ、スカッとしました!

    アレックス…やばい!

  • 非常勤看護師のアレックス。食事を終えた帰り道、突然、ある男から誘拐される。そして木箱の中に閉じ込められ、監禁と拷問がはじまる。ついに極限状態のアレックス。救助は絶望的。この時点でまだ物語の半分にも満たない。これがいつまで続くのか、ページをめくる読者も拷問にちかい心情へ追いやられる。しかし、ここからまさかの展開へ。グロい表現は耐えがたい面もあるが、かなり読み手の感情を揺さぶるトリッキーな小説だった。日本語訳も非常に読みやすい。【印象的な言葉】“手放し難きを手放せば、得難きを得る”

  • アレックスがすごい。特に精神力。最初はただの誘拐事件だと思っていたが、読み進めるほど謎が深まるばかりで、この先一体どういう結末になるか予想がつかない。とても面白かった。

  • この著者初読。凄惨な描写が多く躊躇したが、主人公達のキャラクターとやりとりが楽しくて一気読み。

  • その情報を出さず進めるなら何でもありだよね。というのが正直な感想。

    読者の感情をひっくり返してゆく展開ではあるが、無理やりすぎてちょっと......
    あくまでエンタメ作品として。内容は決して笑えるものではない。

    伏線回収というよりも、ミクロの視点からマクロへ拡大していくこと、読者に新たな情報を与えてゆき、印象を上書きしてゆくことで、全体像が見えてくる。

    アレックスの主観で物事が進む場面では、肝心な部分が最後まで不自然に隠されている感は否めない。明らかに主観で物語を進めながら、読者に対して、主人公のソレを隠すのは、さすがに無茶ではないか。序盤のアレックスと後半のアレックスでは、同じ人物として描けていない。後付け情報が多すぎる。何でもありになっては白けてしまう。

    兄への復習は、早い段階で毛髪についての伏線もあり、他殺に見せかけた自殺ということで納得。

    読了。

  • 冒頭ではアレックスという女性が誘拐事件の被害者として語られて、なんてこと…と眉を八の字にしてしまうのだけど、交互に切り替わる警察側の場面らでその印象もコロッと反転してしまう。後半になっていくとアレックスという女性の闇が垣間見れるようになって、最初は「この女やっべぇぞ!」と瞳孔ガン開きであんぐりと口を開けて読んでたのが、彼女の過去に触れられるその都度「アレックス…そんな…」と今度は悲痛の八の眉になったり。とまあ、これ読むといい具合に自分の顔が百面そうになれる気がします。

    真相は如何に…。
    また絶対に読み直そう、その時にまた見える展開もあるかもしれない!と思える作品でした。

  • なんとも生々しく、後味の悪い事件。
    主人公の刑事の、母親のエピソードが間に挟まれ、後半、事件の暗い事実が明らかになるにつれて、主人公の母親のエピソードが暖かくなるのが対照的で、印象深かった。

    被害者であり容疑者でもあったアレックスの感情があまり詳しくは描かれず、最後に一気に過去を明らかにすることで、彼女の真の感情を読者に想像させるストーリー展開が、刑事達と同じ視点に立つことができ、面白かった。

  • 翻訳された小説を読むのは初めてだったので最初の数ページは違和感があったけれど、序盤から怒涛の展開だったため、すぐに気にならなくなった。しかも、その後はどんでん返しに次ぐどんでん返しで、読むのを止められない。

    フランス文学だからなのか著者の特徴なのか、服・絵画・食の描写が多くて、それも好みだった。特に外食の風景をイメージするとフランスに行きたくなる。

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