あしたの君へ (文春文庫 ゆ 13-1)

著者 :
  • 文藝春秋
3.66
  • (95)
  • (256)
  • (240)
  • (20)
  • (9)
本棚登録 : 2308
感想 : 203
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167913779

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いろいろな家庭問題があるんだなぁと思った。
    今後の大地くんの成長が楽しみだけど、続きは出るのかな?

  • 家裁調査官という職業に全く詳しくなかったのだが、本作を読んでどのような仕事なのかよく分かった。家裁調査官の見習いが日々の諸案件に立ち向かいながら、成長していく様がよく描かれている。家裁調査官が接する青少年や離婚調停の夫婦というよりは、家裁調査官自身の悩みや葛藤に焦点を当てているのが良かった。

  • この小説で初めて家裁調査官という職業を知りました。
    そもそも家庭裁判所はどういうところかもよく分からないので調べたところ、家事事件と少年事件を専門的に扱う裁判所だそうです。
    裁判所といえば、裁判官や検事、弁護士しかいないのかと思っていました。
    家裁調査官の仕事は、問題を抱えた当事者の背景を調査し、持っている専門知識を生かして調停委員や裁判官をサポートしながら、紛争を解決へと導くこと。

    印象に残った言葉
    「人に迷惑をかけることと、人に頼ることは違う」
    「君は人に頼ることを知らない。人に頼ることが、結果として人に迷惑をかけないことにつながる場合がある。君は人に頼ることを、覚えなければだめだ。そうしなければ、君はずっとこのままだ」

    「完璧主義の裏にあるものは、自己批判と劣等感」

    柚月裕子さんは初読みですが、これからほかの作品も読んでいきたいです。

  • 柚月裕子さんの作品。
    家庭裁判所を舞台にした物語で、調査官(補)として九州の福森家裁に赴任した望月大地。

    『自分は、調査官には合わないのでは無いか』
    常に悩み、苦悩する日々を過ごす大地。

    しかし、様々な事案に対応するたびに、少しずつ成長する自分を感じていく。

    最後に、解説を記した現役の家裁調査官・益田氏との対談の紹介あり。とても、興味深いです。

    益田氏の『曖昧さに耐えること』と言うのは、深い言葉ですね。

    ・益田浄子×柚月裕子、特別対談
    https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file4/h30kasaichousakan.taidan.pdf

  • 柚月さんの本は、社会問題に対して「何でだろう」と考えることの大切さをいつも教えてくれる。

    起こった事実の背景には弱者の声が隠れている。
    でもそこまで突き詰めて問題と向き合う人は少ない。結果だけで判断される。

    大地は不器用で決して口数は多くはないけど、だからこそ見て、聞いて、足を運んでたくさんの情報から一人一人の相談者と向き合い真実にたどり着く。信頼できる家裁調査官になるだろう。

    その姿から私も結果だけでなくその裏に隠れる背景を想像できる人でありたいと思った。

  • 面白かった。ありそうであまりなかった設定じゃないのかな。主人公の成長と共にまだまだ続編を読みたくなる作品。人間生きてると色んなことがあるけどとりあげる内容にも非常に興味が持てて小説なんだけど、ドキュメンタリーをみてるような気持ちにもなれるのが更にいい。

  • 家庭裁判所調査官という職業を初めて知りました。大地の成長に期待して是非続編を読んでみたいです。帯にある今野敏先生の言葉通り「柚木裕子は正義が似合う。」

  • 主人公の大地は、家庭裁判所に勤める家裁調査官補。まだまだ新米で、自分はこの仕事に向いていないのではないかと迷いながらも様々な案件調査をしている。と、いう話でした。

  • 家裁調査官というお仕事を初めて知った。とても興味が持てた。
    小説だけれど、現実にきっとこんなケースはたくさんあるんだろうなと思うと、様々な人に向き合う大変さは想像以上なんだろうな、と。
    主人公も葛藤していたが、こんな自分が他人の人生を左右することがあっていいのだろうかと、、、今の自分の仕事にも重ねて、考えてもみた。

    主人公にはとても共感が持てたし、応援したくなった。実際にもきっとこんなふうに、迷いながらも困った人を支えている家裁調査官がいるんだろう。

  • 人間のイヤな面や弱さを常に見せつけられるストレス満載で私には出来ない仕事だと思いました。静岡に帰って、昔の同級生と暮らすのも悪くないのでは?

全203件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
柚月 裕子
柚月裕子
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×