- Amazon.co.jp ・マンガ (212ページ)
- / ISBN・EAN: 9784199500756
感想・レビュー・書評
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ザ・モラトリアム。
何かしなければいけないと思いながら、なんとなくその場しのぎの時間の過ごし方をしてしまって、自分と周りを比べて、考え込んでいるフリをして、自分はまだ大丈夫と言い聞かせるような。
ネルムバカの歌詞が有名になった自分がこのままでいいのかという確認になってるねんなー。
理想と現実の狭間でみんなもがいてるんよなー。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
某氏から「優れた文学性を持つ、それでいて肩ひじ張らない美しいマンガです。」 と薦められ素直に購入した.
パスカルの言う,divertissement 気晴らし,気散じ のつもり.
著者の名前の正数は positive number を意識しているのかな.
https://note.com/hidenor/n/n0a6b4e9fbcec
先輩と billie eilish を重ねてしまった.
伊藤くんのように「いっつも」イヤホンをつけようかな (cf. p. 82)
「駄サイクル」から抜けるのはコツがいるが,じつは難しくないと思う.
ラストに,柚実が後輩に言う台詞が,ルカが柚実に言った台詞に似ているのがいい. https://note.com/hidenor/n/n8451447f4c10 -
それ町とまったく同じくたんたんとした調子が
後半先輩の立身出世も一周まわって逆に味わいぶかい
顔芸にせよ情景描写にせよ
うすいというかわざとというか作風なのだろうけれど
持ち味の活かし方は上手い
大友克洋初期作品が懐かしい -
"それ町"とあまり変わらない感じかな〜と思っていたら、結構しっかりした青春モラトリアム物語でした。
夢が有ろうと無かろうと"何者"かになりたいと足掻く苦しさは同じですね。"駄サイクル"…痛いです。でも否定はしたくないかな? 自称アーティストで身内ウケしかしなくても、創作の楽しさを感じることができるのなら、それはそれで良いと思います。 -
”ぐるぐる回り続けるだけで一歩も全身しない駄目なサイクルのこと”
"輪の中で需要と供給が成立しちゃってんだよ。自称ア〜チストが何人か集まってそいつら同士で 見る→ホメる→作る→ホメられる→ を繰り返しているんだ"
"それはそれで自己顕示欲を満たすための完成された空間なんだよ" -
駄人間の真理を突かれてとても痛い。
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「それでも町は廻っている」などもそうだけれど、石黒先生の作品を読んだときは、たいてい嫉妬の炎がめらめらと燃え上がる。
時間があるけど、お金がない。承認欲求は満たしたいが、行動に起こす勇気とやる気が無い。身内同士で褒め合って需要と供給が満たされる駄目なサイクル(駄サイクル)から抜け出したい。
そんなモラトリアムなグダグダ感と、焦燥感に振り回される、生活が描かれていて好きだ。 -
これは可愛い大学生の女の子が登場する日常系ギャグマンガかなーと軽い気持ちで読み始めたら、先輩が語るモラトリアムについてのセリフが心にグサグサ刺さる刺さる。ラストエピソードでは思わず涙してしまった。バカだった学生の頃の自分に読ませたい。
「外天楼」とこの作品を読んで確信した。石黒正数は天才だと。