ネムルバカ (リュウコミックス)

著者 :
  • 徳間書店
4.10
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感想 : 134
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784199500756

感想・レビュー・書評

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  • 「駄サイクル」という言葉にはっとさせられる。

  • 「駄サイクル=ぐるぐる廻り続けるだけで一歩も前進しない駄目なサイクルのこと」
    「それ町」では肯定的に描かれている日常のサイクルがこの作品では否定的なものとして描かれている。これが高校生と大学生の違いでありモラトリアムの存在の有り無しだ。
    それにしてもこのネムルバカ、よくわからない。
    よく分からないながらも考えてみると、気になるのはネムルバカを歌い終わった後にルカと入巣が同じ目線に立っている場面。この場面は入巣視点であり、とすると、ルカの意味のないセルフテロを見て、入巣は、今まで自分より高い所に居たルカも実は自分と同じ様にモラトリアムに悩まされているのだと気付いたのではないか。だからこその、こういう同じ目線に立っているこの場面であると思う。
    ルカが「駄サイクルはどこにでもある」と言うように、この時期は何をしても駄サイクルに感じ満足できない、つまり、「やりたいことのある人」も「やりたいことがない人」も「何かしたいけど何が出来るのか分からない人」も皆、駄サイクルに苦悩している。それがモラトリアムという時期であり大学生という時間だ、こう言う事を作者は伝えたかったのではないかと思う。
    それと、各話のタイトルがしりとり形式になってる。「ネムルバカ」→「バカショージキ」みたいな。目次の横にタイトルのサイクルがありなんとなく駄サイクルを彷彿させるが、最後の「ゲンキデネ」と最初の「ネムルバカ」は繋がっていない。「駄サイクル=ぐるぐる廻り続けるだけで一歩も前進しない駄目なサイクルのこと」とルカは言っていたが、「一歩も前進していないように見えるが廻り続けているわけではない、少しずつでも進んでいる」と言う作者なりのメッセージのようにも受け取れた。
    最後にもう一つ。「最後に先輩が私に何か言ったように見えた」てあるけど、これは何だろう。やっぱりタイトルの「ゲンキデネ」だろうか。

  • それ町から作者にはまり、響子とお父さんをよんでからのネムルバカ。内容的に、前出の二作品とは趣が違うように感じる。怠惰ながらもがいている感じを描いている。おもしろさのベクトルが異なるが、センチメンタルな時期にもってこいな感じ。

  • よくある話ながらいつも通り気が利いてる!クライマックスなんてたいしたことない話なはずなのに泣きそうになったりして。

  • 1
    完結

  • 面白かったー
    どうやら駄サイクルにハマっている我が身に染みます。

  • 大学女子寮を舞台に先輩と後輩の青春を描く。
    インディーズバンドで活躍する先輩は、努力をするも壁を感じている。
    一方、後輩は特段の目標もなく何となく毎日を過ごしている。しかし、「普通」の生活をしている未来が描けてしまう事に漠然とした嫌悪感を抱く。
    ある日突然、先輩にデビューの話が舞い込む。
    デビューへの条件、プロデュースの道程は全て周囲により決まっていく。
    念願だったにもかかわらず、先輩が感じたのは一抹の悲しさ。
    「必死になった結果、壁を越えられた」のではなく、勝手に道が開け、またそこに自信が満足できるような格闘は無かった。
    そしてデビューライブ当日、、、

    バンドというかなり極端な目標を扱っているが、要するに大学生というモラトリアム期間がもたらす葛藤がテーマ。
    大概の人は「自分レベルの人がどの地位止まりか早い段階でみえちゃう(P133)」のであって、「イイ女と付き合いたいとか 美味い物食いたいとか 目先の目的」だけの行き方をするか、もしくは「駄サイクル(P99)」すなわちオタクに陥るかである。

    こういう本人以外にとっては実にどうでもいいレベルの話題に真剣に悩むのが大学生であり、不幸にしてなんとなく大学になる人が大半の現在において、この様な作品が心に何かしら響く人はそれなりに多いのではないか。

    使い古されたテーマだが、石黒の描くキャラクター、ギャグ、それらにより面白みを持って伝わってくる。
    また、「それ町」では「普通」の生活を肯定的に描いているが、本作では嫌悪感の対象としても描かれている。そういった点を比べてみても面白い。
    そして、先輩を紺双葉の大学生時代と想像してみても面白いかもしれない。

    ただまあ自分的にはこういうテーマは大好き。

  • テーマは文学的なんだけど漫画ならではの表現がすごい。

  • 某所で有名な「駄サイクル」を実際に読みたいがために買いました。

    駄サイクルとは、『ぐるぐる廻り続けるだけで一歩も前進しない駄目なサイクルのこと』

    『輪の中で需要と供給が成立しちゃって』て『自称ア~チストが何人か集まってそいつら同士で 見る→ホメる→作る→ホメられる→見る を繰り返している』状態を指します。

    話の内容は大学生のモラトリアムを描いてる感じです。

    めちゃくちゃ面白かったです。

    『デカすぎる目標を立てるのは何もできなかった時のカモフラージュかも知れないけど やりたいことがないって公言するのも 何も出来なかった時の言い訳なんじゃね?』

    確かに。

  • 大学生は1秒でも早く読め。かつて大学生だった人間も同様。

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著者プロフィール

1977年生まれ、福井県出身。
2000年、『ヒーロー』でアフタヌーン四季賞秋の四季賞を受賞しデビュー。
2005年から『それでも町は廻っている』の連載開始、2010年にテレビアニメ化、2013年に第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞。『木曜日のフルット』『外天楼』『ネムルバカ』など、幅広いジャンルを手掛ける。『天国大魔境』が「このマンガがすごい! 2019」オトコ編第1位にランクイン、2023年4月よりテレビアニメも放送された。

「2023年 『天国大魔境(9)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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