- Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
- / ISBN・EAN: 9784255002736
感想・レビュー・書評
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42:池谷さんの本はわかりやすくて本当に読みやすいです。高校生への講義を本にまとめたということもあって、この授業の一コマは何時間なんだろうというくらい濃い内容がすっきり整理されています。コンピュータと脳の違い、意識と無意識、見ているものと見えているもの、そしてアルツハイマー病についてなど、興味深いテーマについて話されていて一気に読んでしまいました。
「完璧な記憶は無意味」「学習の速度が遅いことに意味がある」など、ふむふむと頷くことも多く、高校生物がこんな授業だったら……! と思わずにいられません。
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いいと思う。ただ、論文解釈はちょっとクセがある気もする。でも分かりやすいからいい。興味を駆り立てるのにもいい。脳に魅力を感じさせたいならオススメだ。俯瞰するのにもおすすめ。本当に分かりたいなら、論文を当たろう。
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良かった
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視覚野に入る情報は、後頭葉と側頭葉に分離される。
側頭葉→What、モノを反応
後頭葉→How,モノの状態に反応
第四視覚野→色を認識
第五視覚野→動きを認知
身体の構造、作りで脳の動きは決まっていく。つまり、脳は身体によって支配されてる。身体によって脳の機能がカスタマイズされてく。
例、幼い頃水頭症て脳が成長できなかった人も、脳の残りの部分で機能を補って、普通の人と変わらない生活ができてる。
視神経から届く情報は100万画素で荒いが、スムーズに見えるのは脳が解釈してるから。
目から入った情報は、色→形→動きの順に処理される。
目で入った情報を処理するのに0,5秒かかる。
今感じてる瞬間は今起きてない。
世界があって、それを見るために目を発達させたのではなく、目ができたから世界ができた。目が認識する範囲内で世界が出来上がった。人間が見てる世界は限られて狭い。認識できているのは一部に過ぎない。 -
同じような体裁だった『単純な脳、複雑な「私」』よりも授業のよう。脳生理学をベースに、新しい心理学ができるのは近いのかもしれません。
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福岡伸一氏の推薦を読んで。
脳科学にはこれまで関心が持てなかったが、本書は中高生への講義録形式で、スッと理解出来た。
子供にも読ませたいが、まだ無理かな… -
人間は環境を変化させる。
脳の大きさ、脳の表面積が脳のスペック?
でも、それが大きく、広くても賢いとはかぎらない。
その脳の入っている入れ物、肉体によって脳をどれだけ活用できるかが決まる。
長い棒に荷物を提げると、その棒の先まで神経が通っているように感じる。 -
「能力のリミッターは脳ではなく身体」ってのがすごい印象的(^O^)
身体化がどれほど重要かってこと。。。 -
本書は2004年春に慶應義塾ニューヨーク学院高等部で行われた脳科学講義の記録である。内容は、心とは何か、自由意志は存在するのか、人の記憶があいまいなのはなぜか、人間と進化について、などなど。「心」や「意識」という抽象的なものを科学的に解明するのは非常に困難に思えるが、さまざまな実験結果や症例によって解明されてきた部分もあり、今後の進展が大いに気になる分野である。「人間の脳は身体と比較して進化しすぎている」「言語によって心が生まれた」「人間は医療技術の発達によって自然淘汰に反したことをしており、さらに進化のプロセス自体を進化させようとしている」などなど、興味深く読んだ。中高生への講義なので図解も交えて素人にも分かりやすく説明されていたが、脳の構造や神経細胞の情報伝達メカニズムの部分は事前知識があるとさらに分かりやすいと思う。
第一章 人間は脳の力を使いこなせていない
第二章 人間は脳の選択から逃れられない
第三章 人間はあいまいな記憶しかもてない
第四章 人間は進化のプロセスを進化させる -
大脳皮質は、6層で1㎜程度の厚さで、ここで情報が処理されるらしい。表面積を増やすために脳はシワシワとか。何で6層何だろうとか、表面以外は何してるんだろう?とか、興味が掻き立てられる。
さらに、脳の中は身体と対応する部分があるという事がわかってきたが、脳があるから5本の指が動くわけではなくて、5本だからそれに対応する脳地図がつくられるというあたり、人工知能との関係のヒントにもなるんだろうななどと。