ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)

  • ランダムハウス講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784270000700

感想・レビュー・書評

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  • ブルーオーシャン戦略のコンセプトが出た時はビジネス界に大きな衝撃を受けたと言われている。確かに、レッドオーシャンの中で自社が揉まれても、パイの取り合いになってしまいかねないし、WIN LOSEになるだろう。さらには疲弊した環境になりかねない。そうなる前に、新しい市場を創り出す必要がある。それを説いたのがブルーオーシャン戦略である。非常にコンセプトは興味深いが、一般的な戦略の中でも、ユニークさ、差別性というところを深く突き詰めると、本書のような考え方になると思う。その中でどうブルーオーシャンへ行き、かつ生存していくかというところが焦点になるだろう。さらに、ブルーオーシャンもゆくゆくはレッドオーシャンになってしまう可能性が高いし、そのスピードも早まっていると思う。結局、企業は継続的にスピードを高めながら、価値を創造させていくしかない。

  • 巷ではブルー・オーシャンっていう言葉がかなり一般的になっている。本書を読むまではブルー・オーシャンを創造するための手法という理解であったが、本書の内容はどちらかというとブルー・オーシャン市場の開拓は、製品コンセプトの再構築をした後の結果である印象を受けた。ようは、顧客ニーズを的確に捉えて、製品コンセプトを適正に再構築することが重要で、本書で語られる手法はその一側面でしかない。ブルーオーシャン”戦略”と位置付けられているが、ブルーオーシャンとは、製品コンセプトの再構築の結果、そこに未開拓市場があればブルーオーシャンが拡がるという結果に過ぎない。
    ただ本書の内容を製品コンセプトの構築の仕方の方法論として捉えれば非常に有益な考え方であるし、また分かりやすく理解もしやすい。そういう意味ではかなり有益な方法論が語られている。

  • 未開拓の市場空間「ブルー・オーシャン」を創造し、差別化と低コストを同時に実現するための戦略を説明する書。
    市場創造を実現するキーワードとして「バリュー・イノベーション」と「ティッピング・ポイント・リーダーシップ」が気になった。
    バリュー・イノベーションについては、顧客価値の創造だの、提供だの、経営書を読むとだいたいぶつかるので、さほど目新しくないのだが、QBハウスやシルク・ド・ソレイユの事例で語るので、書籍としてのわかりやすさがうけたのだろう。一方のティッピング・ポイント・リーダーシップについてはあまり触れられていないので、その名もズバリ「ティッピング・ポイント」を読んでみることをお勧めします。

  • ブルーオーシャン戦略というものの概念があまりにも有名すぎてほとんどが“既知の内容であろう”とたかをくくっていた。と考えてきちんと内容を精読していない人は意外と多いのでは無いだろうか。
    私も多分にもれずその一人であったが、読了してみて意外に思ったのが、割りとテクニカルな内容であったところだ。
    本文にもあるが、「レッドオーシャンを戦うためのフレームワークは数多生み出されてきているが、ブルーオーシャンを戦うためのフレームワークはまだ未成熟」として、実践的なフレームを複数用意してくれている点で一読の価値アリである。
    また、こういった競争戦略論系統の著書にありがちな「戦略立案まで」が語られている学術的な側面だけで終わらずに「実際にブルーオーシャン戦略を遂行するにあたって陥りがちな落とし穴」の例示と具体的な解決策、大切にすべきことまできちんと書かれているためより親切な印象を受けた。
    どんなに素晴らしい戦略も、プロセスがおろそかで周囲の反対にあってしまう。ということを避けられるよう転ばぬ先の杖がきちんと用意してある。

    知ったかぶりしやすい概念なだけに、きちんと学んでおくべき一冊。

    ■学んだポイント
    ・ブルーオーシャン戦略=需要を押し上げて競争から抜け出す
    ・バリューイノベーション
     →買い手や自社にとっての価値を大幅に高め、競争のない未知の市場空間を開拓する
     →バリュー(価値)あるいはイノベーション(革新)どちらか一方では成り立たない。これら二つは等しく重んじられる。
    ・分析ツール・・・戦略キャンバス/4つのアクション/アクション・マトリクス
    ・市場の境界を引き直す6つのパス
    ・戦略立案の正しい順序→買い手の効用→価格→コスト→方法論
    ・ティッピング・ポイントリーダーシップ・・・一定数を超える人の信念と熱意の収斂は拡散ではなく集中的なコミュニケーションによって引き起こされる
    ・公正なプロセスを支える3つのE・・・Engagement(関与)、Explanation(説明)、Clarity of Expectation(明確な期待内容)
    ・人間として価値を認めてもらいたいという感性の尊重を公正なプロセスによって実現する

  • アメリカの学者の特徴なのか、事例を多く取り上げていて、非常に分かりやすかった。
    内容に関しては、特に資本主義社会の生産活動に直接従事していない公的機関についても、本著で述べられているブルーオーシャン戦略が使われたことが非常に興味を惹いた。

  • 個人的には、「ブルーオーシャン」と「レッドオーシャン」という
    二つの枠組みを言葉で表したことが一番の成果だと思う。
    現実の戦略検討プロセスでコンセプトを共有できるって素晴らしい。

    ツールがどれだけ有用なのかはわからない。
    戦略キャンバスをバランスよく描くというけれど、
    左から右に向かってどういう風に競争点を並べればいいのか
    本の中には書いていない。

    みんなが「ブルーオーシャン」を目指したら競争はどこに行くのだろう。
    終わりなき旅だね。

  • 新しい視点で物事を見る視点が得られました

  • 最近、ブルー・オーシャンの論文を読み、たまたま行ったブックオフの格安コーナーで見かけたため、これも何かの縁かと思って読んでみました。

    論文との違いは、色々とツールを紹介している点と事例が増えている点、差別化要素をもう少し分解して増やしている点です。論文ではセオリー、一般向け本ではツールを紹介、と王道のパターンです。

    書いてある内容は明晰で素晴らしいです。ただ、イノベーションとは後で振り返ると「なぜいままで誰も気が付かなかったのか?」と呼ばれるものだそうです。ブルー・オーシャンの事例を後付けて鮮やかに説明するこの本を読み、掲載されているツールを使えばブルー・オーシャンが簡単に見つかるかと言えばそうではなりません。レッド・オーシャンにはない新しい軸を発見する方法は謎のままです。

    やはりここは閃きなのか?いまだ謎でした。ただ、もしここをAIに置き換えることができるなら、ホントに人間は不要になりますね。誰でもできるようになるなら、AIが一番コスパが良いですから。

  • 「戦略キャンバス」、「アクション・マトリクス」、「メリハリ、高い独自性、訴求力のあるキャッチフレーズ」、「内向き/外向き」、「6つのパス」、「PMSマップ」、「買い手の効用マップ」、「4つのハードル」、「公正なプロセスを支える3つのE」

  • ブルーオーシャン戦略の原書

著者プロフィール

W・チャン・キム(W. Chan Kim)
韓国出身。INSEADブルー・オーシャン戦略研究所(IBOSI)の共同ディレクター。主な著作に『ブルー・オーシャン戦略』、『ブルー・オーシャン・シフト』。
米ミシガン大教授などを経て現職。欧米、欧州連合(EU)諮問委員、世界経済フォーラムのフェローなどを務めており、“Thinkers 50”(世界で最も影響力のある経営思想家)の第2位に選ばれている。

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