- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309017464
感想・レビュー・書評
-
「一日、23時間55分をだめにだらしなく生きてしまったからといって、あと5分どう生きるかを選んじゃいけないわけじゃない。あと5分どう過ごすか?それでも、まだ選ぶ余地はある。」
もしこの一節に心動かされたなら、あなたは本書を読むべき人物だろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
社会人17歳、大人になってからの思春期。
17年目にして独立した筆者が、もがき苦しむ自分をさらけ出し、感情を紐解き言語化していく様。感情ってその時は何故そうなったのか分からないくて結局そのままのこともある。だからこれだけ言語化できるのは凄いと思う。
焦燥感に苛まれて苦しんでいたとき、些細なことで筆者は自分の中の暴力性を自覚する。暴力は他人事ではなく自分と地続きであったと。暴力が生まれる前には人権の抑圧がある。それは他人ばかりではなく自分自身が犯人であることも。自分で自分を押し殺していると何処かに歪みが出る。とても共感できるエピソードだった。
また、人の話が聞ける強さや、努力もせずチャンスを掴もうとビッグネームにつられる弱さなど。
筆者は情け無い自分をさらけ出し自戒しているけれど、世の中誰しもそんなのばかりでモヤモヤしていて、この本で言語化されることでスッキリする人は沢山いるんだろうな。私も含めて。 -
2回目の17歳は社会人になって17年。40手前。
著者は長らく勤めた会社を辞めて、フリーになった。
会社の名前で、ブランドでやってきたものを棄てたあとに残った
自分。
いちから作り直す信頼、ブランド。
会社の経営がやばいから、生きつないでいくため、そのための
準備というより、もっと自分の好きなもの、大事なもの、やりたい
こと、忠実に、後悔しないように考えを仕向けてくれるきっかけ
となりそう。 -
17歳は2回くる、の2回目っていつだろう?と
いうことが気になって、読み始めた。
17歳とは、いわゆる思春期のことで、ズーニーさん
曰く、2回目の17歳は社会に出て17年目、
大卒なら39歳前後、高卒なら35歳前後…だという。
ふーん、そうなのかあ…。
実は30代前半とか2倍の年の34歳あたりだと思っていたが
まだこれから先にも悩みまっしぐらの時期が
くるかもしれないということか。
ということは置いておいても
かつてベネッセで、高校生の小論文指導をしていた
ズーニーさんの書く文章は、整っているというよりは、
1つ1つずっしりしっかり人の心に届くような文章で、
1度その文章を目にしてからは、すっかりとりこに。
“ああ言おうか、こう言おうか、ではない。
ほんとうのことを言うために、どうしようかだ”
文章の書き方というよりも、書く以前の意識の
もちようや姿勢について深く学べて、とにかく
書くパワーをもらえる1冊だ。 -
つくづく本気の人だ、と思う。自分がマイナス方向に向かったときの感触を客観視して、向き合って、痛みながら、感情の矛盾を解きほぐして、自分なりの「仮説」を立てる。その「仮説」はプラスに向かうため、生きるための言葉。「仮説」は自分の人生の中で実践し、人とつながろうとしていく。自ら人生のモルモットとなることを選び、生き様を自分の言葉で伝えることで、よりよく生きる方法を探ろうとしている。傷つき凹んでも止めることはない。本気の人なのだ。
表現者としてスランプになった時、人に哀しい嘘をつかれた時、通じなかったり不安になったり届かなかったりした時、思い出したいフレーズがたくさんあるのだけど、ガーッと読んじゃったせいか頭から抜けちゃってるなぁ…。もう自分で編集してベスト版をつくりたい。マイ・ベスト・ズーニー。
生きていれば、世界は回る。はだかの言葉でぶつかれば、きっと伝わる。「経験」と「問い」に裏づけされた、本気の人の言葉は人に届くのだ。 -
↓貸出状況確認はこちら↓
https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00123662 -
今受講している講座で講義を受けて、図書館で借りてみました。おとなの小論文教室。の内容ですね。
友人とのメールを公開するという試みの回がおもしろかった、内容ちんぷんかんぷんだけど。こういうあついやりとりができる友人がいるというのは素敵なことだなぁと。こんな熱論できる人って限られているもんなぁ。
全体とおして本当に熱量高い文章なので好き嫌いは分かれるのかもね。 -
1/130914
-
ほぼ日刊イトイ新聞の連載コラムである
おとなの小論文教室。その連載から記事を抜粋し、加筆と修正をした本。
第三巻目となる本書は、前巻や前々巻から、さらに前へ進んで、
奥深く深まった内容だと思った。
前々巻では、表現するために、自分で自分と向き合うのがテーマで
前巻では、自分を表現しつつも、表現する先である、周囲の反応や、
周囲の表現もまた受け止めよう、理解しよう、
というのがテーマだったように思う。
そこで今回の本のテーマは、そんな前々巻と前巻を踏襲した、
自分で自分の進路を、社会やそこでの人々の中から見出し、切り開いていく、
というものだと思った。文章や会話だけが表現ではない。
自分が社会で働く、そこで評価を受ける、評価を受けようと努力しもがく、
ということがテーマではないかと思う。
ただし、進路の決め方や進み方を書いた本では無い。
そこで悩んだ時、つまづきそうな時、同じく悩みつまづいた筆者や、
おとなたちの経験や足跡を残した本だと思う。
進路を決め、切り開き、自分で自分の人生を生きる時は
なにも17歳の時だけではない。
社会人になってからも、その時は訪れる。
「いま、その人の身に起こっていることは、その人にふさわしい」
という言葉が特に印象的で、この本のテーマのひとつだと思った。
悩みつつ、つまづきつつ、それでも生きようともがくときや
そんなときが近付いていると思うときに
この本は少しでも役に立つと思う