カツラ美容室別室

  • 河出書房新社
3.12
  • (22)
  • (102)
  • (304)
  • (62)
  • (13)
本棚登録 : 883
感想 : 214
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309018409

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ぷつんぷつんと切れた映画のような小説・・・というのが率直な印象。
    カツラをかぶる店長の美容室を舞台に、主人公を中心とした数人による物語。
    この小説は内容うんぬんよりも空気感が好きかどうかで好みが分かれると思う。 主人公のぽつぽつとした語りで進む物語は大きな事件が起きるわけでもない。
    ただ、自分がこの登場人物の輪の中に入ったら心地よいだろうなあ・・・という読後感は悪くない。

  • 映画で「人のセックスを笑うな」を観てずっと読んでみたい作家だったので期待が大きく、カツラを被っている美容師さんときてワクワク感いっぱいで読み進めたけれど、どの文章も心に何も残さずスルスルと落ちていってしまいました。前記の映画では部屋のストーブで暖まってくる空気の匂いまでもが感じられるようでこれは凄腕の作家かもと思っていたのにあれは映画監督が凄腕だったのかもですね。

  • 第138回芥川賞候補作。
    主人公のサラリーマン佐藤淳之介と風来坊の梅田さん、カツラの美容師カツラさん、美容師エリ、桃井さんのお話。
    高円寺が舞台で、あの風景を思い出しながらあの雰囲気に合った飄々とした話だった。
    それぞれのカラミも面白かった。淳之介とエリの友情、何かアリだな。うんうん。
    「オレとの会話が、オレに対する思い遣りに欠けた、ひとりよがりな会話になっていることに、エリは気がつかない。」ああ。

  • 男女の間にも友情は湧く。
    湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思い過ぎている。
    友情というのは、親密感とやきもちとエロと依存心をミキサーにかけて作るものだ。
    ドロリとしていて当然だ。
    恋愛っぽさや、面倒さを乗り越えて、友情は続く。
    走り出した友情は止まらない。


    男女間で友情は成立するのかということをたびたび考えるので、
    ふうん、なるほど となった。

    カツラ美容室別室の人たちと
    淳之介と梅田さんの日常の話。

    20110316

  • 漫画や映画のごとく読みやすい。

    しばらくBOOK・OFFに身を置き、集めはじめた山崎ナオコーラの、あまり評判よくない小説がこれ。

    私はサラッと読めたところ、情景のリアルさ、恋愛小説じゃなかったところに好感がもてた。

    27歳のサラリーマン男性の一人称という形態だが、女性を指すとき『女』という表現をするところに不快にも似た違和感を覚えた。

    『男女の間にも友情は湧く。湧かないと思っている人は友情をきれいなものだと思いすぎている。以下略』この小説の根幹たる文章で印象に残った。

  • ◎第138回(2009年下半期)芥川賞候補作品。

    2011年2月20日(日)読了。

    2011-14。

  • 登場人物がみんなちょっと変で。そこに味があっておもしろい。

  • ある人間模様とその情景を切り取るという小説のスタイルは好きで山崎ナオコーラさんの作品を最近いろいろと読んでいっている。
    だけど今作の、登場人物エリという小説のキーとなる女性の性格や言動に今ひとつ感情移入ができず、、、どうも読後の印象がすっきりしなかった。

  •  「カツラ美容室別室」という美容院に集まる人々を中心にした若者たちの一年を、男性主人公の視点から描く。

     現代の若者の稀薄なコミュニケーションが前提になっていて、深く関係を結ぼうとしないのだけど、それでいて人との関係がなければ自分の「形」が定かでなくなるという感じている……というのがこの小説の基本的な認識で、気になる女性との出会いの「ちょっといいな」という感じとか、お互いに好意を持っていて付き合うのかな?という辺りのテンションが上がっていく感じとか異様によくわかるのだけど、彼女がネガティブな面を見せることで引いていく感じとかもまたよくわかる。

     どこまで人と関わっていいのか常に距離をはかりつつ、逆に関わられすぎると「ウザい」と思うといったような、寂しいくせに一人でいたいときもあるというのは、現代の若者にはごく一般的な感覚なのではないかと思う。

     この小説では、その辺りの現代の若者の感覚をよく描いているのだけど、おかげでストーリーはちっとも進まず、たらたらダラダラと小説は進んでいく。冒頭の人との出会いと末尾の別れが春で挟まれており、一年という時間の中での人間関係の濃淡の推移をよく描いているのだけど、この小説では、いわば〈循環する時間〉が流れていると言えるだろう。

     素直なようで悪意や皮肉があり、たらたらしているようで仕掛けもある小説を書くのが山崎ナオコーラの魅力だと思う。

  • ストーリーはホワーンとしてるけど
    時々うはぁと思うとこがある。それが好き。

    3/28開演待ちの友。

全214件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

1978年生まれ。「人のセックスを笑うな」で2004年にデビュー。著書に『カツラ美容室別室』(河出書房新社)、『論理と感性は相反しない』(講談社)、『長い終わりが始まる』(講談社)、『この世は二人組ではできあがらない』(新潮社)、『昼田とハッコウ』(講談社)などがある。

「2019年 『ベランダ園芸で考えたこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

山崎ナオコーラの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
湊 かなえ
有川 浩
山崎 ナオコーラ
伊坂 幸太郎
吉田 修一
綿矢 りさ
島本 理生
森見 登美彦
角田 光代
山崎 ナオコーラ
山崎 ナオコーラ
山崎 ナオコーラ
桜庭 一樹
青山 七恵
有川 浩
有川 浩
島本 理生
川上 未映子
東野 圭吾
桜庭 一樹
瀬尾 まいこ
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×