- Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309018409
感想・レビュー・書評
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《あらすじ》
27才。サラリーマン佐藤淳之介。友人の梅田さんの誘いでカツラ美容院別室に行き、そこでエリさんに出会う。
ナオコーラ作品は初めて。この頁数と、文字数から、「よくある今時の若者」小説かと思ってた。20頁目はちょっとびっくりした。でも、「よくある今時の若者の恋愛者」ではない。
疲れる女といるよりも、アパートで牛乳を温める方がいい。
この小説はこの一行に集約されていると思う。私はぐっときた。
どんなに激しく好きな相手を前にしても、疲れることはある。それは自分が一番大事だから。自分が一番大事で、失敗したくないから「ここぞ」っていう勝負に出られないのに、相手をうじうじ思ってしまう。傷付きたくないから人と距離を置くくせに、一人をやたらと不安がる。
淡々とした文章で、文字数も少ないけど、こまかく主人公の心情がかけているよなあと思った。
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男女の友情ってなんだろう。"男女の"と付くあたり、やっぱり異質だと思う。
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高円寺にある桂美容室別室は
カツラの店長桂さん、大柄で脱サラをしたエリちゃん、
かわいらしくてしっかりした桃井さんの3人で営んでいる。
引っ越してきたばかりのオレは
一度も定職についたことのない友達の梅田さんに連れられて
この美容室を訪れ、勢い花見にまで参加してしまった。
なんとなくエリに気を引かれるオレだったが
桂さんが実家の美容室に帰ることになり
桃井さんが店長を任されたことに対して憤るエリは
なんだか面倒くさいのだった。
装丁:町口覚 写真:大森克己
客との距離がとても近い街の美容室の話。
私は美容室で話しかけられるの苦手だけれど
彼らの雰囲気を見ているといいものかも、と思えてくる。
桂さんはいったいどれだけのカツラを持っているんだ。
たまに文の最後にくる哲学的考察、みたいなのが少し苦手。 -
やっぱり、好きじゃないんだわ、この作家が。
ペンネームやタイトルは奇抜だけれど、いつも名前負けしている感じ、
文章もただの説明書きがずらずらと並び、たまに「おっ」という文体も見受けられるが、どの作品もパンチがない。 -
今の時代の若者の恋愛模様というか、世間一般的な男女のことを、
独特の文章と、感覚で表現していて、読後にえたものは、言葉の深みでした。 -
うん!好きです!
主人公の淳之介と商店街の美容室で働く人達の話。
やはりこういう日常っぽいのは落ち着く。
大きな事件が起きるわけではなく
流れていく日々
みんなそれぞれ生きていて
なんだかほっとする -
結末が曖昧だけど、おもしろい話。
カツラをつけた美容師の桂さんが結構アグレッシブなタイプの人でびっくり。
なんか人間関係って難しい。
短いし、会話中心で読みやすかった。
表現というか、登場人物のキャラが濃くておもしろい。
みんなどこかに特徴があって、そのキャラがいかされてるし。
最後の終わり方がちょっと、私はどうとったらいいかわからなかった。 -
2010/08/17 人物にはとくに共感しないのだけど、文章はすっと読めた。
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デビュー作の「人のセックスを笑うな」は、全体を通しての微熱感と、ちょっと切なくてあやうい感じがなかなかよかったので、別の本にトライ。
高円寺に引っ越してきた淳之介。
知り合いの梅田さんとの縁で、「桂美容室別室」に通うことに。
どこか人と真剣に関わるということに踏み込んでいけない淳之介と
周囲の人々との交流を描いています。
仕事に対する思いとか、恋に落ちそうになる感じとか、
都会での一人暮らしの孤独感とかを織り交ぜながら。
これは、まあ、なんというか・・・エッセイと小説の中間みたいな感じ?
どこか、何か、ここぞってところをしっかり書いてほしい気がします。
言葉の力、物語の力、というものがあまり感じられませんでした。
残念。 -
カツラをかぶりながら理容室を営む桂さん。どこか魅力があって、つい集っちゃうオレたち。
職場での人間関係に悩んだりして、身につまされるとこあるけど、
なんかこんな生活っていいかもって。ピクニックがしたくなっちゃった