- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309024325
感想・レビュー・書評
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殺人出産に続き、こちらも非常に衝撃的な内容でした!
まぁ、未来現実的な話でもないような、しかし俄かに信じがたい・・・。このテーマでの小説、さらに続きが読みたくなるような。 -
「コンビニ人間」が面白かった村上さん。本作でも性の役割と常識について書いている。
両義的な世界観なのが興味深い。ラストの近未来社会は、家族の愛や絆、母性愛といった概念が崩壊したディストピアと受け取る人が多いのだろう。しかし、実社会での実親による虐待、未婚・片親・子なしの急増に引き比べると、本当のユートピアにも見える。恋をして異性の彼氏・彼女がいるのが普通、セックス至上、結婚はすべき、家族の絆こそ愛であり幸せ…これらの「呪い」から解放された社会だ。私は家族の絆薄く未婚なのでなおさら。
子供を欲しいかについての男の台詞「自分の遺伝子を残したい 老後だって安心だ。僕たちの絆もますます深まる。欲しくない理由を探す方が大変だな。」「外で嫌なことがあっても、家に帰って子供の声がすれば忘れられる。『家族』はすべての人間にとってライフワークなんだよ。」これらを痛烈な皮肉、常識へのアンチテーゼと感じない人は幸せだ。
ただし、世界観は小さくキャラは薄く広げた風呂敷をたたみきれないオチが残念。(コンビニ人間も本作もラストが弱い)アトウッドの「侍女の物語」レベルの性のディストピアを書いてほしい。 -
個人的にはあまり好きな話ではなかった。
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私には合わなかった。
ただただ気持ち悪い話。 -
アイデアだけで突っ走った印象。そのアイデアの向こうに感じるものがなく、何を伝えたいのかわからなかった。
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なんだか、便利さのもとになにもかもがゆっくり見えんようになっていって、あとにはなにがのこるのでしょう。
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とても怖い半面、ああ、これが正しい姿なのかもな、と思ってしまう筆力。
正常という発狂、発狂という正常がここにある。
社会全体で無個性に子どもを産み、育てる世界。「私」が消える世界。命をつなぐだけの世界の怖さ。でも、それを否定できない迫力。
前半の現在性(リアル、生々しさ)から後半の未来性(虚構、人工)への物語の移行が不気味までに連続的。 -
人工授精で子供を管理する世界。家族間でのセックスは禁止されており、恋愛は外でするという謎すぎる世界観が面白いが、実験都市での「おかあさん」「子供ちゃん」と呼ばれる。途中読んでて気持ち悪くなった。