サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309226712

感想・レビュー・書評

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  • 我々ホモ・サピエンスとはなんなのか、どういった存在で、どういう歴史を歩んできたのかを教え、また考えさせてくれる。
    虚構の発明と農業の奴隷の話が興味深かった。
    後半になるほど段々難しくなってきた。下巻をちゃんと理解できるか少し心配だ。

  • ブックオフ富士見2017.8.16 1460円

  • 農業で爆発的に人が増えたとか、農業で小麦の奴隷に成り下がったとか。面白い。

    人間は長らく、狩猟民族として生きてきた話も。

  • 読みにくかった。補足的な情報が多く結論がぼやけてしまう。
    農業vs狩猟。農業は狩猟に比べて仕事時間が長い、幸福なのはどちらか
    人間の架空のルールを作れる力。会社、法律、貨幣などの制度

  • 面白い。文章が説明文チックになりすぎずにいいリズムで読み進められる。

  • ベストセラーなだけあっていろいろな角度から人類史を説いており面白い。「銃・病原菌・鉄」のような内容ではあるし目新しい情報はないっちゃないが、「自由と平等」の矛盾、つまり自由であればあるほど人は平等ではなくなる(金持ちは金を自由に使えなくなる)という観点は興味深い。

  • 名著

  • 色んな意味で、歴史とは現代の人が都合よく書いた物語に過ぎないんだなぁ。
    過去は主観に基づいてしか想像できないもの。全くの事実は過去に生きていない限り分からない。
    ホモサピエンスに関しても同様。

  • ただの猿の一種だったホモ・サピエンスが、何故文明を築き、世界の支配者として振る舞うに至ったかを考察した本です。
    人間の特別性とは、生物学的な差異ではなく、存在しない想像の秩序を共有し信じることであり、この能力の獲得により遺伝や環境変化によらず、行動を変化させ、後世に伝えられるようになったのである。
    この視点に立つと、神話、宗教、国家、金、法や人権、善悪までもがその時代によって移り変わる虚構であることが分かります。
    虚構であると言うと、それが悪であるかのように聞こえますが、あくまで多数の人間が効果的に協力する唯一の方法であることは確かなのだと思います。しかし同時に善でもなく、ただそういうものであるという認識が大切なのだと思いました。
    この認識ができたところで、共同主観的虚構に個人が影響を与えることはできないのだと思います。しかし、虚構を絶対だと盲信し、他人を攻撃したり、自分を責めたりすることを減らすことはできるのではないかと思います。
    魔女狩り、優性論、ナショナリズムなど、虚構が攻撃性に転じた例は枚挙に暇がありません。この認識こそが歴史を学ぶ意義だと思います。
    現代においても、貧困は自己責任なのか?多様性とは何か?このような問題を考える上で大切な視点となると感じました。

  • 時間が掛かる。難解だが読めると面白い。

  • 全部が全部納得できるわけじゃないけど興味深い

  • ベストセラー本だから漸く読んでみた
    所々に男性優位社会であることが散りばめられ不快

  • ホモサピエンスは、ただの動物の一種にすぎない

    他の人類種ではなくホモサピエンスが世界を征服し、生き残ったのは、言語のお陰、虚構により協力がうまれた
    言語の柔軟性が優れてる、他の動物にも口頭言語はある。

  • 「サピエンス全史」というタイトルはすごい大きく出たなという感じもするのですが、現生人類であるホモ・サピエンスが認知革命により虚構を信じる能力を手に入れ、ネアンデルタール人その他の(進化的な兄弟である)人類種を滅ぼしてきたという話から始まります。虚構を信じる能力が強大な社会の形成を可能にしており、これがホモ・サピエンスの強さだと理解しました。神とか宗教とか、国家さえも想像上の虚構でしかありません。

    認知革命の話から、狩猟採取民族から農耕民族への遷移に関する農業革命の話、そして上巻の終わりは帝国主義について。この本が書かれたのは2014年?のようですが、新しいグローバル帝国主義により、国家が好き勝手に宣戦布告して戦争したりすることはできなくなっている、というところで上巻が終わっています。この見解に反するような出来事がいくつも起こってしまいましたが。

  • ようやく読みました。

    現在の研究では「ヒト」は太古からの進化の過程で
    6種に枝分かれしていました。

    しかしその中の現生人類=ホモサピエンスだけが、
    生き残り、現在地球上の王者として君臨しています。

    なぜホモサピエンスだけが繁栄することができたの
    か。

    その理由が本書では明確に示されています。

    最初のキーワードは「認知革命」です。

    現代にも神話や宗教に関わる物語が残されている通
    り、ヒトは概念を共有することができます。

    これはよく言われる人間と動物の「思考能力」の違
    いとするよりも、もっとシンプルで本質的な回答に
    なっています。

    貨幣も一つの認知です。「これだけの価値があるよ」
    と皆が認知しているからこそ貨幣経済が成り立つの
    です。

    次のポイントは「農業革命」です。

    実は麦という種が人間を操り、世界中に栽培させて
    という解釈がされています。

    「私たちを育てれば飢えることはないですよ」とい
    う脅迫観念の元に、人類は農耕を始めたというので
    す。

    そして3つ目は「化学革命」

    現代ではテクノロジーの進化と捉えられますが、こ
    レは直近500年くらいで劇的な進化を遂げています。

    そして現代の人類の立ち位置を予見した人は過去に
    誰もいなっかたのと同様に、今後のヒトの未来の行
    く末の可能性を示しています。

    この内容が衝撃的です。

    過去を振り返ると共に、予言の書となりうる一冊で
    す。

  • 我々人類とは何か?に真っ向から向き合い答えてくれる一冊。

    ホモ・サピエンスを俯瞰しつつ、捉えているので読み手としては奇妙な気持ちになる。今私たちが正義として捉えているものが、どのような文脈で出来上がっているかを考えさせられる。

    個人的に面白いと思ったのは、他の人類(ネアンデルタール人など)に比べて我々は知能や体力で優れていたわけではなく、虚構を作る力があったから生存したいう点。

  • 一読しただけではとても全てを理解・吸収するのは困難だが、読み応えのある素晴らしい内容だった。著者の幅広い知識や洞察には感心すると共に、どれだけの文献や資料を研究したのかと驚かされる。

    (現時点では)サピエンスという種だけが持つ虚構という共通意識の能力(言語、お金、国家、宗教、法律など)は、生物としてはこの地球の頂点に立ったと言える。また、クローン技術などの遺伝子工学を駆使して生物そのものを創りかえることさえできるようになった人類は神の領域に入ったと説く。

    寿命は伸び、食べ物に困ることはなくなり、戦争なども起きなくなった。しかし、人類は本当に幸せになったと言えるのか。この先どこへ向かうのか。そもそも宇宙の歴史からすればなんの意味もないことではないのか。
    いろいろな考え方や視点、学びを与えてくれる素晴らしい内容だった。また少し時間をおいて、再読してみたい。

  • 面白いし読みやすい。
    認知革命、農業革命、虚構や貨幣などホモ・サピエンスの歩みのターニングポイントに関してわかりやすく論が展開されていた。特に「人類は小麦の家畜である」と言う話は非常に面白かった。
    話の内容に関しての疑問や反論が頭によぎっても、その直後にその点を潰されるということが何度もあり、とても丁寧に書かれている。

  • 2023年度【国際学部】入学前知トラ「課題図書」推薦作品

    OPAC(附属図書館蔵書検索)リンク
    https://opac.lib.hiroshima-cu.ac.jp/opac/volume/353282?locale=ja&target=l

  • 話がとにかく面白い
    人類が歩んだ道はなぜこんなにも面白くできているのか

  • ★★★★

  • ホモサピエンスの歴史を知ることができた。
    自分たちが把握できているここ数千年の歴史は、ホモサピエンスが生まれてからの期間のほんの少しの時間でしかない、と改めて知った。
    歴史や全体像を少しでも知ることで、今現在を多少なりとも捉えることができ、視野も広げらる。
    やはり知ることは大切

  • 読むこと読むこと初めて知ることばかりで、読み進めるのがとても楽しい。下巻も楽しみ。

    高校生とか、世界史を学ぶ前にこの本を読んだら、しっかりした土台になりそう。

  • 人類の歴史について、人類誕生から先史時代までについてを特に学べる本。(わかる限りの)事実に基づいた情報の整理ではなく、現在に至るまで、現在の世界がなぜこのようになっているのかのその理由、人類誕生から虚構の概念が生まれたところに起因していること、そこからどのように歴史が動いているのかを知ることができる。歴史を学ぶ上で、根本からその学び方、歴史の捉え方を変えさせてくれるぐらいの気づきがあり、面白い。それがここまで売れている理由ではないか。

    自分なりの学びのまとめ
    ホモサピエンスは噂話をすることができるようになり、架空の話、虚構の概念を捉えられるようになった。それにより、人をコントロールして、動かすための神話的なものを作り上げることができるようになった。その虚構が、神話や宗教、国家、はたまた経済、格差、差別を作り上げている。貨幣制度も同様。今の世の中は虚構の概念から長い年月をかけて人の暮らしを成り立たせる様々な事象、世界を創り上げている。なぜ今のような世界を人類が作ってきたのか、その理由が割と納得感のある感じで理解できる。そういう事実を持って歴史や現在を捉えることが歴史の見方の差になるのではとも感じる。

    歴史を学びたいと思っていろいろな本を読んでいるが中々頭に入らない自分がいる。この本を読んだことで捉え方が変わり、歴史の理解の仕方が変わりそう、また本書の中にも触れられているところが多く学びになる。

  • 課題図書で読んだけど、一章目から鳥肌が立つほど面白かった!

    私たちの行動は、なにを目的にしてるんだろう。何がゴールだろう?と問いかけていたけど、誰も正解はわからない。それに今考えても、きっと贅沢を経験してしまった私たちはもう狩猟採集社会の暮らしには戻れないだろう。

    けれど、今の私たちの行動ひとつひとつが他の種を滅ぼしていること、地球を破壊していること、そして自分たちの首をしめることに繋がっていることを知っておくことが、今後人間として生きる上で大事だと感じた。

  • 読み終えたがまだ評価できるほど理解できていない

  • 人類史として、上巻には、第1部「認知革命」、第2部「農業革命」、第3部「人類の統一」のうち「貨幣」と「帝国」を取り上げている。
    どれも面白いが、第1部で様々な人類種のうちホモ・サピエンス以外の運命とホモ・サピエンスがもたらした全地球的影響についての記述が印象的だった。

  • 「サピエンス全史 上 ユヴァルノアハラリ著」読了。牧畜の人に対して厳しく書かれていた。すごいかなと思って読み始めたが、思っていたのと少し違った。下巻読むかは考え中。

  • うわさ話は共同体の異物を排除し社会を守るために為される良い行為。

    歴史は人にしかないものである。

    認知革命以後と以前で「人」という存在を別の存在として捉える必要性がある。

    人間の組織の規模は共通の神話がない限りは150人が限度。

    小麦に人が飼われる 現代の会社と社員か?

    「歴史の数少ない鉄則の一つに、贅沢品は必需品となり、新たな義務を生じさせる、というものがある。」

    現在を犠牲にして未来の自分に投資する

    我々は狩猟採集時代のDNAのまま現代を生きている

    「人間の脳は特定の種類の情報だけを保存し、処理するように適応してきた。」

    大量の情報を処理できる能力は無い→書記体系の発明

    自然だと信じさせることによって神話を確立する。
    「自然な」という概念はキリスト神教学に由来し、「自然を創造した神の意図に一致した」という意味。
    人が(生物が)できることはなんであれ自然なのだ。

    想像上のヒエラルキー(学歴、カースト)

    p188 虫の翅の発現について 進化に目的はない。

    アメリカ合衆国憲法の「人権」に当初黒人は含まれていなかった。
    後々黒人も人だという共同主観が生まれたから黒人は人になったのだろうか。

    ジーンズは労働階級者の衣料であった。現代の人々は平等を信じているため富裕層もジーンズを履く。

    p148〜 想像上の秩序は私達の欲望を形づくる 想像上の秩序は共同主観的である。
    現代の潮流はロマン主義的消費主義
    欲望もこの主義に基づいており、私達の欲望はプログラムされている。

    人類が信じる虚構(道徳、貨幣、人権、株式会社、宗教、学歴、カースト、資格、賞、国等)

    p202〜 統一へ向かう世界
    騎士道とキリスト教 自由と平等 これらを両立して実行していくことはできないが、この矛盾が文化のスパイスとなる

    p178〜 差別
    黒人差別をするための理論付けをした。例 今現在で黒人が社会に出て活躍している人が少ないという事実が黒人は白人より劣っているという考えを生んでいる。(実際は貧しいから教育が不足しているだけ。この偏見がより黒人差別を促進する。)

    p181の図 
     偶然の歴史上の出来事(プランテーションではアフリカ由来のマラリア等の伝染病が流行っておりアフリカ人は遺伝的免疫を持っていた)
    →白人による黒人の支配

    →差別的な法律      ←  悪
                  ↑
    →黒人の貧困と、教育の不足←  循
                  ↑
    →文化的偏見        ↑ 環

    認知革命

    1章 唯一生き延びた人類種

    2章 虚構が協力を可能にした

    3章 狩猟採集民の豊かな暮らし

    4章 史上最も危険な種 ホモ・サピエンスは移り住んだ島々のその全てにおいて元々いた大型動物に殺戮の限りを尽くした。人類の手が及ばなかった場所がガラパゴス諸島

    農業革命

    5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
    ホモ・サピエンスの思いつきによって人類は小麦の奴隷となり、労働を始めた。
    家畜化された動物の悲劇 

    6章 神話による社会の拡大

    7章 書記体系の発明

    8章 想像上のヒエラルキーと差別 セクシズムの起源は不明(家父長制の遺伝子、攻撃性、筋力等の視野から理解を試みているが、どれも解決には至らなかった。)

    9章 統一へ向かう世界 エスニック料理はエスニックではない

    10章 最強の征服者、貨幣

    11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
    帝国の定義 「帝国は、その由来や統治形態、領土の広さ、人口によってではなく、文化的多様性と変更可能な国境によってもっぱら定義される。」
    帝国のサイクルp250
    帝国主義の産物を取り除いても純正の文化はとうに失われており、何も残らない。

  • 人類が、食物連鎖の頂点に君臨した背景、事実をデータを用いて、言語化した表現で分かりやすく表現している。
    学校では、教えない歴史、生物学史が
    記憶に残りやすい。
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著者プロフィール

歴史学者、哲学者。1976年イスラエル生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻し博士号を取得。現在、ヘブライ大学で歴史学を教授。『サピエンス全史』『ホモ・デウス』『21 Lessons』。

「2020年 『「サピエンス全史」「ホモ・デウス」期間限定特装セット』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ユヴァル・ノア・ハラリの作品

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