99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)
- 光文社 (2006年2月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334033415
感想・レビュー・書評
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科学とはそもそもその時代の最も有力な仮説のことである、と子供の頃習ったのに、いつの間にか絶対だと思い込んでしまっているのは不思議なことだ。それでも飛行機が飛ぶ原理がよくわかってないという衝撃的な掴みに始まり、今では宇宙の始まりはBIGBANGではないとか、ダーウィンの進化論は間違ってるとか、ニュートンの絶対宇宙はアインシュタインの相対性理論によって覆っていたなどとは知らなかったのか、忘れてたのか、理解してなかったのか!でもこの本ももうずいぶん前の本なので書いてある最新情報が既に怪しい。
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科学哲学に関して、例えを多く用いてとてもわかりやすく書かれていた。
学問的なことよりも、一般人の身の回りに起こることに関連づけた内容が主となっているため簡単に理解できる内容が続いている。
反面、文章の量に対して質量が他の本と比較して劣るので学問的な知識を深めたい人には向かず、初学者や教養を身につけたい人向けなのかなと感じた。
大学の講義の第1回目に出席した気分になる。 -
科学の事例をもとに私達の固定概念が仮説であることわかり易く説明してくれる。個人的にロボトミーの話は、私達が常に仮説に疑問を持たなければ、目の前で起こっている出来事がどのようなものなかに気づかず、最悪の状況をもたらす場合もあるのだと気付かされた。
客観と主観はどちらも仮説で成り立っているため、間主観性を持つには柔軟な思考力を身につけ事象を分析する必要がある。 -
日本人は科学と言えば、客観的で正しいことを教えると考えがちだが、実は科学といえども仮説の集まりにすぎないことを説いてくれる啓蒙書である。すなわち、まだ反証されていない仮説の集まりが科学という訳だ。なので「99.9%は仮説」というタイトルになったのである。
唯一の真理と思われていたことが実は違っていた、というような話は天動説、エーテル(光や磁力などを通す媒体)の存在などなど、たくさんある。前頭葉を切除するロボトミー手術を開発したポルトガルの医師エガス・モニスはノーベル賞まで受賞していたのである。主流の考え方が後に否定される例は山ほどあるようだ。つまり、科学も不確実なのである。
かのノーベル賞物理学者ファインマン先生も「科学はすべて近似である」と喝破したと本書に紹介されている。
仮説という言葉は少しミスリーディングかもしれない。理論とか考え方、と言っても良いかもしれない。未来永劫にわたって正しい理論とか考え方というようなものはほぼ存在しない、と考えた方が良いと言えそうだ。 -
世界誕生数秒前仮説は面白い。
間主観的な考えをみんなが持てたら、戦争はなくなるかもしれない。
多文化時代に生きる私たちにとって、自分の仮説も相手の仮説も同時に存在するというグレーな世界を受け入れることは、相互理解の鍵になると思う。 -
科学とは仮説でできている!理系を目指す学生は必ず読んでおきたい一冊。個人的にはたまに出る話し言葉に加え、語尾がカタカナの「ゾ」が使われていることが面白かった。
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人類が宇宙船を飛ばす時代に、飛行機がなぜ飛ぶのか科学的に説明しきれていない・・ってマジ!?
ある意味、頭の体操的な本ですが、タイトルの「99.9%は仮説」はなぜ99.8%でも99.7%でもないのかが私の頭では最後までわからなかった。トホホ。
追記:
100% ではないのは「科学はすべて仮説」すら仮説だからそうです。禅問答か?! -
前にも一度読んだことがあるのですが、どうしても記録を見つけることができませんでした。
この本のタイトルでも使われている「仮説」という言葉がインパクトがあるのですが、若干、私の思っているイメージとは違いました。
p.56で「常識はただの思いこみ」とありまして、常識はくつがえるもの、そういった常識のこともこの本では仮説と呼び、常識は仮説にすぎないと言っています。
なるほど。そういう前提でこの本を読んでいくとよく分かります。
面白かったのは、この本の本筋とは少し違うところですが、p.226。「つまり、話が通じないのは、自分の仮説が相手に通じていないということです。また、相手の仮説を自分が理解していないということでもあるのです。」
あぁ、それであの人とは議論がかみ合わなかったのか。納得。