メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書 298)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334033989

感想・レビュー・書評

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  • TVや新聞といったメディアが十分な検証をせずに騒ぎ立てた結果、最初のセンセーショナルな記事だけひとり歩きして、それを鵜呑みにしちゃってる人も多いのでは。
    マイナスイオン、水からの伝言、遺伝子組み換え大豆などなど。
    フードファディズムこわいよ。

  • ○○は体にいい、××は危険、といった情報に振り回されている人には是非読んでもらいたい本。

    いい情報、悪い情報に関わらず、健康情報番組や新聞・雑誌の内容は都合のいい情報を集めて切り張りしていることが多くある、ということで正しい情報を見極めよう、という気持ちになります。ただ、正しい情報が何かを簡単に明確にはできない場合がほとんどだと思いますので、何事もリスクとベネフィットのトレードオフを考えて行動するのが必要なんでしょうね。

    本書はあくまで直接的な「健康」への影響や「メディア」の報道のいいかげんさという側から事象を述べていますが、それ以外の切り口でももっと考えないといけないことがあるのでは?と感じました。その気付きを与えるという意味では、この本は読む価値があるでしょう。

  • TVや新聞といったメディアが十分な検証をせずにエセ健康情報、エセ科学の情報を流している事への警鐘を本にしたもの。メディアの無責任さがよく判る本ではある。
    結論部分である『情報とは報道とは「絶対に正しいもの」ではなく、取材者、制作者の思い込みを反映した不十分なものであり、メディア・バイアスが存在するということを常に心に留めて、情報・報道に対峙していただきたい』という事に尽きるであろう。
    そういう意味からも、本書に例示として書かれている事項も著者の思いというバイアスがかかったものであることは認識しておく必要があろう。新聞・TVではこう報道されたが実はこうであると書かれると何となくそれが正しい情報であると思ってしまいがちだが、本書で科学的事実として書かれていることも良く吟味が必要だと思うのである。
    巻末の書かれている科学情報を識別するための十ヵ条
    1.懐疑主義を貫き、多様な情報を収集して自分自身で判断する
    2.「○○を食べれば・・・」というような単純な情報は排除する
    3.「危険」「効く」など極端な情報は、まず警戒する
    4.その情報が誰を利するのか、考える
    5.体験談、感情的な訴えには冷製に対処する
    6.発表された「場」に注目する。学術論文ならば、信頼性は比較的高い
    7.問題にされている「量」に注目する
    8.問題にされている事象が発生する条件、とくに人に当てはまるのかを考える
    9.他のものと比較する目を持つ
    10.新しい情報に応じて柔軟に考えを変えていく

  • 33

  • 少し前の本。
    取り上げられている科学(環境ホルモンや添加物、バイオ燃料ブーム)は、「ああ、そういえばあったね」って思い出す程度。大体の人は、そうではないだろうか。
    オーガニックや有機野菜など耳触りのいい言葉に、何の証拠もないのに無条件で信じ切ってしまっていた。
    私がメディアに踊らされている証拠だなぁ。
    素人が実験を検証することは難しいので、作者の人みたいに科学的な根拠を挙げて、ニセ科学やナンチャッテ科学者を駆逐してもらえればありがたい。
    私ができるのは、「メディアが取り上げてるから」「自分の都合に良いから」と、考えること調べることをやめないようにすること。

  • 科学はそれほど単純ではない。

    本書はこの一言につきると思う。
    メディアから日々ながされる「○○は危険」「○○が身体に良い!」というのはあまりにも偏った情報であることが多く、食べ物に関してそうそう簡単に白黒つけられるものは多くない、ということを常に頭の片隅において、そういった偏重報道から身を守らなければならない。

  • 無農薬、は無条件に「いいこと、安心・安全、素晴らしいこと」として扱われることが多いけれど、数十年前の農薬に比べ現在の農薬ははるかに改良が加えられている。農産物を無農薬で育てると、その野菜や果物が自らの遺伝子を未来に残すために、害虫等からわが身を守るための毒性物質を自ら作り出すようになっており、その毒性物質は改良に改良を重ねてきた農薬よりもむしろ人体には危険性が高いこともある、という記述が大変印象に残りました。生き物、凄いな。。。

  • メディアで流れる科学的根拠のない報道(納豆ダイエットや食品添加物は完全悪)に対して、どのように間違っているのか報道するものの立場からの視点を織り交ぜ解説。
    結局短絡的な表現を鵜呑みにすることなく、疑ってかかることが大切。メディアは視聴率とか発行部数とかで利益を生むのが先決で、科学的に正しいかは二の次。
    特に、1日摂取許容量が動物に毎日生涯食べさせて無害な無毒性量に100分の1をかけて算出していることは知らなかった。許容量を1日超えたとしても、ほとんど無害な基準値である認識。

  • 1 懐疑主義を貫き、多様な情報を収集して自分自身で判断する
    2 「○○を食べれば・・・・・・」というような単純な情報は排除する
    3 「危険」「効く」など極端な情報は、まず警戒する
    4 その情報がだれを利するか、考える
    5 体験談、感情的な訴えには冷静に対処する
    6 発表された「場」に注目する。学術論文ならば、信頼性は比較的高い
    7 問題にされている「量」に注目する
    化学物質の摂取量と生体影響の一般的な関係 http://www.fsc.go.jp/sonota/kikansi/3gou/3gou_2_3.pdf
    割合の変化
    1% (percent:part per cent) 100分の1
    1ppm (part per million) 100万分の1
    1ppb (part per billion) 10億分の1
    1ppt (part per trillion) 1兆分の1

    8 問題にされている事象が発生する条件、とくに人に当てはまるのかを考える
    9 他のものと比較する目を持つ
    10 新しい情報に応じて柔軟に考えを変えていく

    学術論文、科学論文の無料のデータベースがあるが英語で書かれているので日本人には言語の壁がある
    科学者の情報発信 食品安全情報blog http://d.hatena.ne.jp/uneyama/

  • 「科学的な根拠」を示されてしまうと、ついそれを信じてしまうところがあるし、それを健康問題や環境問題に結び付けて報じられると、つい「そうかもしれない」と思ってしまう。
    そんな落とし穴にはまらないように警告をしてくれる書。
    いろいろとバッシングもあろうかと思われるのに、このような本を世に送り出した著者と出版社に拍手!

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