- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334034962
感想・レビュー・書評
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リスクは避けるのではなく、コントロールするもの。
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「終身雇用」に頼ることの危険性は確かに納得だが、「じゃあ、どうすれば?」というのは非常に難しい問題。改めて「厳しい時代だな」と痛感する一冊。過去を羨ましがっても仕方ない。前を向いて今できることを精一杯がんばろう。
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【読書メモ】
●私が提案するリスクリテラシーとは
1.身の回りにあるリスクを予測、軽量すること
2.そのリスクに見合ったリターンを得られるかどうかを判断し、当該リスクを取るか、取らないかを決定すること
3.リスクを取る場合、リスクをどうモニターし、制御するのかを決めること
という3段階を意味します。
●終身雇用制の場合、その会社で約40年働くことになるが、いま、ほとんどの企業の設けの仕組み、ビジネスモデルが40年までなかなか持たない。結果的に全体のリスクをより高めてしまう。
●終身雇用制がある限り、ワークライフバランスは難しい。ワークライフバランスが多少悪くても、従業員がなかなか辞めないので、企業にワークライフバランスを進めるメリットがないため。
●正規と非正規の雇用格差を無くすと同時に、正社員に対する規制も緩和し、企業にとって整理解雇をもっとしやすくする方法が必要。
●「経済はネズミ講である」(慶應義塾大学准教授 小幡績氏「すべての経済はバブルに通じる」)
●リスクマネージメントとは、過度の変動を抑えることでもある。普段の自分の生活を、すべての収入分を見越した使い方にしない。残業代などの変動幅を除いた収入の80%で暮らす。
●自分の生きがいを何か一つに集中管理してしまうと、その生きがいがちょっとでも崩れるととても虚しくなる。生きがいをワークに寄せすぎないようにするためワークライフバランスが大事。
●リスク管理上の最も大きな失敗は、リスクの存在そのものを見逃すこと。見えてるリスクはそれほどリスクは高くなく、それほどひどい管理状態にはなっていない。見えていないリスクの管理状態が問題。
●リスク移転が繰り返されることによるリスクを「エキゾティック・リスク」と呼ぶ。リスクの分布が複雑になり過ぎて、誰もリスクがどこにあるのか分からなくなる。
●「お上(=政府、官僚)」や「勤め先の企業」がリスクという面から見ると機能不全を起こしているのは明らか。だからこそ、私たち自身がリスクに対する感度を磨き、リスクリテラシーを磨き、リスクを可視化し、計量し、そして素早く対応し、またそういう人を評価する仕組みをつくり、さらにはリスク教育を充実させていく必要がある。
●私たちがリスクをよりよく学び、管理するためには、個人においては源泉徴収・年末調整制の見直し、国においては道州制の導入、企業においては終身雇用制の緩和が必要。同時に、個人に対するリスク教育が不可欠になる。
●リスク教育の肝は「将来に対する想像力」。リスクヘッジをしなかったらどうなるかを想像した時、どれだけ将来を予見できるか。
●毎日0.2%ずつ何かの能力が複利で改善されていくと、356日でほぼ2倍になる。毎日少しずつでも改善することが重要。
●「リスクは一生の友」「リスクはチャンス」・・・リスクはどんなに遠ざけても、身の回りに常に偏在する。そうであるなら、リスクを避けることなく、逆に仲良くつき合った方が、かえってコントロールしやすくなるのではないか。 -
終身雇用制を話の軸にリスク・リテラシーを高めようという啓蒙書。終身雇用に限らず、今の日本はあらゆる制度が陳腐化して、機能不全を起こしている。其処から来る閉塞感を拭い去るには、個人個人がリスク・リテラシーを学んで、この産業構造を一発ぶっ壊してやるしかないでしょう。
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単純に、読んでいておもしろいと思わなかった。
「お金は銀行に預けるな」が非常に為になったので、期待値が高かったか。
斜めに構えて解釈すれば、ただ著者の人生の自己肯定を無理矢理にしているような部分が多かった。
覚えておきたい事は、
毎日0.2%改善すると、複利で一年経ったときには200%にまで増えている。
さて、今日から一日0.2% 目指しますよ!
って何を....!?笑 -
会社に人生を預けるな リスク・リテラシーを磨く 書名からして副業について書いてありそうだけど、大部分はサブタイトルのリスクリテラシーについて。P.61の図表は始めてみた。若い人より高齢者のほうが幸福度が低いのか。 http://bit.ly/b7Nkfj
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リスクを恐がらず、上手に付き合う事で人生のコントロールも出来るようになる・・・
自分がどこに属していたとしても、常にリスクに敏感になる事が大事って事なんですね!
世の中で何より恐いのは『無知』
ボケッと毎日過ごしてたらダメなのですね(汗) -
終身雇用制に安心してはいけない、その会社が倒産したり業績が悪くなったりしたら、終身雇用制なんてそもそも無いと同じなので、常日頃から向上心を持って、将来のリスクに備えよ、という本。
私自身、新卒で就職した会社は終身雇用制でしたが、どうしてもその会社に馴染めず数年で退職し、その後資格をとって英語の勉強をしてからは、外資で働いています。
今の会社は、米国系外資にもかかわらず、昨年の春に、終身雇用制へ移行しました。
アメリカでは、日本の終身雇用制は見習うべきもの、と考えているのでしょうかね?
ところが、サブプライム問題で見事に破綻同然となり、やはり終身雇用なんて無かったのだ、と実感しています。。
終身雇用制に移行してからも、特に会社の雰囲気は変わりませんでしたし、一生この会社に、と考えていた社員はもともと少なかったと思います。転職慣れしているからでしょうか??
そういう意味では、リスクを取り慣れているのかもしれません。
勝間さんの「自分の軸を持って独立して果敢に行きていく」という考え方は好きですが、この本に関して言えば、考え方が大きく偏向していることを感じざるを得ませんでした。
私の会社の例のように、外資でも日本の終身雇用制を見直す動きがありますし(結果としての破綻と終身雇用は関係ないと思います:一部の部署での損失計上の結果ですので)、必ずしも日本の会社が終身雇用であるが故に失速しているとも思えないからです。
終身雇用制のデメリットばかり挙げて、終身雇用制=悪、という考え方に終始し、外資がすべてといった書き方になっているため、終身雇用制の会社で働いている人を全否定しているかのような受け取り方もされているようですし。
また、終身雇用制と年功序列は別物であるし、外資系の契約形態にもメリットとデメリットがありますので、すべてを比較検討する必要もあるのかと思います。
また、働く側だけではなく、経営側の視点でも、終身雇用制のメリットデメリットを論じる必要もあると思います。
やはり企業の中でサラリーマンとして生きている以上、働く側の意識だけ変わっても、企業を動かすほどの力になるのは難しいでしょうし。
そもそも、終身雇用制に安心するな!というのがメッセージですので、終身雇用制のメリットを考える必要もないのかもしれませんが。
また、お上(政府)に頼るな、ということを論じながら、ワーキングプアや非正規労働者の問題は、政府がなんとかしなければいけない、と言っていることに矛盾を感じました。
日本人はリスクをとらずに何かが起きたらお上や製造者の責任にする、というくだりもありましたが、アメリカで太った人がマクドナルドを訴えた、という事例もありますし、「日本人」がすべて悪い、といった視点も違和感を感じます。
人生は自分でコントロールするもの、という最後のまとめはもっともだと思いますが、全体的に、掘り下げが足りないという読後感を得ました。
これだけの内容をすべて充分に詰め込むなら、もっと厚い本にするべきですし、新書サイズでいくなら、終身雇用制だけをもっと深く掘り下げて論じた方が良かったのではないかと思います。 -
オーディオブック
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リスクリタラシーという概念を紹介。
終身雇用制度は高リスク
リスクを避けるのではなく見極めた上、選択していくことが重要。 -
自分自身しっかりやりたいこと、進みたい方向、を見失わないようにしないといけないんだなと思いました。会社という大きな組織に自分が埋もれないように生きていきたいです。