- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334034962
感想・レビュー・書評
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「会社に人生を預ける」という例示からリスクリテラシーについて説く。
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リスクに対して鈍感な日本人に対して、終身雇用制度のリスクを説明し、リスクとリターンをマネージメントすることが今の日本には必要だ。
リスクを恐れすぎていると、国内の市場が萎縮してしまう。ゆえに適切な対応がとれるように、リスクリテラシーを学ぶべきだ。
リスクは日常に潜んでいるので、普段から意識するようにしよう。
リスクリテラシーを磨く施策としては、3つある。源泉徴収、年末調整の廃止、道州制の導入、終身雇用制の廃止。
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◎80%で暮らす
景気がいいときの普段の生活において、個々人の収入の7~8割で暮らす週間をつけておく。
リスクマネジメントとは、過度の変動を抑えること。
余裕分は、勉強のための自己投資や定期積立にまわす。
◎アメリカの場合、仏教でいうところの因果応報や、他人に対してなぜ貢献しなければならないのか、将来の可能性においてリスクが考えられるからこういう行動をとりなさいとか、
モラル教育を協会や学校教育、家庭教育で徹底的に受けて育つ。
これはリスクマネジメントという観点から見た場合、非常にすぐれたシステム。
◎食品や化粧品に危ない成分が入っているかが示されたリスク本がある。
この本は玉石混交で、リスクを大げさに喧伝している。しかし、知識として取り入れておくことは重要。
本当にトンデモ本かどうかは同種の専門家による本を数冊読んで判断すればよい。
ざっと目を通しておくだけでも、少なくともリスクの存在が分かる。
◎肩こりの解消のためにマッサージに通う人がいるが、そんな時間やお金の余裕があるならストレッチや柔軟体操、ジムでの運動のほうがよほどリスクが少ない。
◎レコーディングダイエットも、様々な効果がある。
◎リスクをよりよく学び、管理するために
・個人において
源泉徴収・年末調整の見直し
・国において
終身雇用の緩和 -
著者の生き方や価値観が体系的に整理されている。
この本だけで勝間氏の考え方(リテラシー)の基軸が理解できます。
多少、思い込みが激しいのでは?妄想気味では?と思う箇所はありますが、専門家の意見としてなるほどと思わせる技術はとても優れていると思います。
blogを書き、書籍を執筆し、連載を持って、テレビに出演する。さらにメルマガも発行。
この人の文書記述量の圧倒的な理由の根本はリスク・リテラシーにあったのだと納得でき、その生活を楽しんでいる。
最初は「転職の勧めで後々起業しなさい。」とするメッセージ的な本だと思いましたが、全く違いました。この人の本の中では珍しくテクニックの勧めや解説の本ではありません。 -
なるほど、納得。
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プロローグ リスク・リテラシーと終身雇用制
第1章 会社に人生を預けるな
終身雇用制は現代の小作農、または奴隷制
終身雇用制とワーク・ライフ・バランス
さまざまな歪みの原因
女性は働きにくく、若者は報われない
第2章 リスク・リテラシーを磨く
なぜ、貯蓄から投資が進まないのか
日常生活に潜むリスク
リスクは常に偏在する
第3章 「お上」に人生を預けるな
「お上」中心主義
日本の巧みな支配構造
現代資本主義が抱えるリスク
リスクを予見する能力
第4章 21世紀のパラダイムシフト
人生はコントロールするもの
日本が導入すべき3つのもの
よりよく生きるために
問題解決の鍵
エピローグ リスクを取る自由
■勝間さんが提案するリスク・リテラシー
1.身の回りにあるリスクを予測、計量すること
2.そのリスクに合ったリターンを得られるかどうかを判断し、当該リスクを取るか、取らないかを決定すること
3.リスクを取る場合、リスクをどうモニターし、制御するのかを決めること
日本が停滞する最大のボトルネックが終身雇用制
たとえば、政治の停滞、経済の停滞、さまざまな労働問題の解決策を探れば探るほど、最大のボトルネックが終身雇用制であるという答えに収束してしまうのです。
多くの人が終身雇用制を好ましいと思っている理由
それは、終身雇用制が「安全」だと錯覚させ、「思考停止」を助長する制度だからです。
なぜなら、終身雇用制の枠内で暮らそうと思っている人には、それは人為的に競争を引き下げる制度であり、「危険」という意味のリスクを回避したい人にとっては、誤解を恐れずにいえば楽な生き方を提供する制度だからです。
「シルバー資本主義」という問題
外国のビジネスパーソンが日本にやってきて、まず驚くものの1つが、企業内の意思決定層やマネジメント層に「なぜこんなにも老人が多いのか」というものです。私はこれを「シルバー資本主義」と呼んでいます。
とにかく、日本はすべてにおいて流動性が低いのです。これは、人が流動しないということを前提に社会のメインシステムを組み立てているので当然のことです。
宝くじにおいてなぜ多くの人がリスクを許容するのかというと、3000円や5000円といったように最大損失が分かっているためです。
これに対して、終身雇用制の枠から抜けて転職のリスクが取れないのはなぜかというと、取った時に起こりうるリスクを計算できないか、計算すること自体が恐ろしいからです。
したがって、本書で提案する「リスク・リテラシー」とは、普段の生活から、少しずつリスクを取り、そのリターンを体感し、計算するという習慣をつけておきましょう、ということです。それができれば、リスクに慣れ親しむことができます。
特に重要なことは、リスクを分散させることです。これは、金融のポートフォリオにしても、自分の収入源にしてもそうです。(中略)
終身雇用制のリスクは、収入源がほとんど自分の属している会社1つにある、という点です。その会社は倒産するリスクもあり、倒産しないまでも、減収減益となって減給するリスクもあります。だからこそ、いつでも同じくらいの収入を他者で稼げるだけの実力をつけておいたり、場合によっては就業規則に反しない限りの副業を営んだりと、他の金融収入を得ることでリスクをヘッジするのです。
スク・リテラシーで一番大事なものは、「そこにリスクが存在する」ことに気づく能力
私はよく「なぜ自分でスケジュール管理をするのですか?」と聞かれるのですが、私たちにとって最も大事な資源である「時間」について人に預けてしまうことはリスクだと考えているためです。
■誰が何のリスクをどう管理するのか
非正規雇用の最大のリスクは、もともと日本にはリスクマネジメントの仕組みが従業員の側にも企業にも国家にも存在しなかったために、ワーキング・プアが大量に発生するという事態を招いたことです。本人たちもそのリスクをどう管理するかという教育を受けていないうえに、会社もリスクを取らない、国も面倒を見てくれないのです。
つまり、日本はこの終身雇用制というものを1度考え直し、誰が何のリスクをどう管理するのかというものを全部組み替えないことには、個々人のリスク、企業のリスク、そして政府のリスクのバランスにおいて、袋小路の状況が続くと考えられるのです。
決すべき問題とリーダーの役割
私は終身雇用制の緩和、正規雇用と非正規雇用の均等待遇、総労働時間規制の3つはセットで行わなければならないと思っているのですが、それを行えるのは国のリーダーです。たとえば、Aという企業だけがやりますよといってもそれがすべてに浸透することはありません。
しかし問題は、歴代の首相の顔ぶれを見れば分かりますが、ほとんどが世襲政治家で、企業マネジメントの経験がほとんどないということです。
人件費の高騰と人口構成
現在、日本経済は先行きが見えない極めて悪い状態にありますが、その原因の1つに、人件費の高騰が挙げられます。人口が増えているうちは、年功序列の賃金体系では若年層を実力より安く使えます。企業にとって、その実力より安く使える若年層が多数存在し、実力より多く払わねばならない高齢者層が少ししかいないと、人件費はトータルで安くなるのです。
ところが、現在、その構成が逆ピラミッドになっている状態のため、人件費が本来の状態より高くなっているのです。その価値ベースに比べて人件費が高くなっているために、価値ベースよりも低い人を雇わなければならない――。これが非正規雇用を生んだ仕組みです。
リターンはリスクとの組み合わせから生まれる
私たちが一般的に間違えやすいのは、リスクは管理しないのに、リターンに関してのみ強く意識したり、管理したりする人が多いことです。社内でこのように出世したい、あるいはこれくらいの年収をいついつまでにほしいなど、リターンを目標にします。
しかし、こういったリターンがどこから生まれるのかというと、リスクとの組み合わせからしか生まれないのです。したがって、リターン目標を設定する場合には、それと同時にどういうリスクを取らなければならないのか、戦略を決める必要があります。
の象徴となるのが、「シルバー資本主義」。
国の政策を含め、多くの決定事項が高齢者層を中心として動いている現状のままでは、この閉塞的な状況を打開するのは簡単ではなさそう。
そこで本書の第3章では、主に「国に頼らない」(当てにしない)社会について検討しています。
ただ、本書でも指摘されているように、インターネットでの募金活動はおろか、候補者は選挙活動期間中のサイト更新も行えない現状では、若年層が積極的に選挙に関与するのは難しそうな。
インターネットで投票できるようになったら、マジでありうるかも。
首相はムリでも、勝間さんと対談とかやってもらえたら面白そうです。
上記の本のインタビューの中でも、ギャンブルに関するくだりがあって、勝間さんのおっしゃってることに通じてるいる感じ。
◆ところで、本書において勝間さんは、やみくもに「リスクを取れ」と言っているわけではありません。
まずは、日常生活にも「リスクがある」(例えばコンビニの食品には「添加物」のリスクと「利便性」のリターンがある等)ことを認識し、リターンと紐付けする。 -
リスクとは何か・リスクとどう向き合っていくべきかについて書かれた本。日々の生活の中で常にリスクを考えることは当然のことで、考えないことこそがリスクだと筆者は言いたいようだ。非常に同感だが特に目新しいことが書いてあるわけではない。
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リスクと言われると反射的に避けようとしてしまう。しかし、本書ではリスクを単に避けるのでなく、コントロールしようと提言している。
リターンを得るにはそれなりのリスクを許容する事が戦略として必要であることを知った。
リスクはチャンスであるということを頭に入れておこうと思った。 -
前回の「お金は銀行に預けるな」という勝間さんの光文社新書二作目。
前回は勝間さんが外資系企業で学んだ知識をもとに”金融リテラシー”の必要性を書いていたが、今回は”リスクリテラシー”。
つまり、金融だけではなく、生きていくうえで必要なリスクコントロールの重要性を述べている。そして、日本人はこのリスクコントロールが上手ではないことを指摘し、その実例を日本に広がる終身雇用制度を使って説明している。
日本では大半の企業が終身雇用制度を採用している。これは、従業員がその企業から長年雇われるという安心感をもらうかわりに従業員はその企業に対してしっかり働くという忠誠心が生まれ、その関係が企業を成長させていくというという一見素晴らしい制度のように聞こえる。
ところが、逆に考えると、従業員は一度ある企業に入ってしまえば、そこから抜け出せにくくもなるということになる。つまりは、自分の生活=仕事のみになっていまい、その仕事を失いたくない従業員たちが増えていくのである。仕事を失ってしまったら、何も残らなくなると考えるたくさんの従業員たちは、自分の居場所を守るために会社内でリスクをとらなくなる、要するにえらい方々にペコペコしているだけになってしまい、悪い方向に行けば不祥事などにもしょうがなく同意してしまうようなことが起きるのである。
このように終身雇用制度は良いと思われる面がある一方、悪い面もあり、実際にそれが原因で近年企業ぐるみで隠ぺいしていた不祥事が多々見つかり、またリスクを取らないことで新たな試みが生まれないことから日本企業(日本経済)の停滞があらわになってきている。
つまり、終身雇用制度下における企業に就職すること(している)がリスク回避だと思っている多くの人々がいるけれど、勝間さんは本当にそれがリスク回避になっているのだろうか、となげかけているのだ。
ちなみに、勝間さん自身は終身雇用制度の廃止を主張しています。廃止するか否かについて個人的には、反対する人がかなり多くでてくるのではないかと思います。まず官僚自体(公務員も)が終身雇用を設けている時点で、すぐには厳しいような気がします。でも勝間さんの主張には説得力もあり、ぜひいろんな人に読んでみて、考えてもらいたいです。 -
リスクと向き合いリスクを管理することで、人生はよりいいものとなる。全てを他人に任せず、自分で制御できることは制御して、影響力の輪を拡げるべき。