会社の電気はいちいち消すな (光文社新書 394)

著者 :
  • 光文社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034979

感想・レビュー・書評

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  • 「会社の電気はいちいち消すな」とは、それをするなということではなく、投資対効果を考えたコストダウンを行えということ。こう書くと「あたりまえだろう」と思う人もいるだろうが(というか、あたりまえと思えないビジネス・パーソンはそうそうお目にかかれない)、実際にはなかなかできない。 私の同僚に優秀なエンジニアがいるのだが、その彼が我々の製品と、ライバル社の製品を比べて、我々の部品のコストがxxx円高い。これは製品の考え方を変えなければならないというような趣旨のことを声高に叫んだことがある。こういう主張は悪いことでないのだが、彼には、ライバル社このxxx円をコストダウンするために支払っている固定費(人件費)のことが全く念頭に入っていない。こういう単純思考に陥ると、全体としてはマイナスになってしまう部分最適が起こる。その結果、この本に「会社の電気はいちいち消すな」といわれてしまうのである。

  • バイヤーによる実践的コスト削減のススメ。
    会計についても知ることができる。
    努力を強いる節約ではなく、システムおよび見える化により制約や強制をする方が成果が上がるという話は説得力がある。
    2009年の書籍で現在とは節約ノウハウが変わっているものがあるかもしれないが、コスト削減の本質的な考え方は今後も不変だろう。

  • 具体例を出しながら、経費を削減したり、利益を増やす方法を教えてくれる。3つの人間の特性を踏まえた上でコストを削減するという考え方は、自分に当てはめてみても、なるほどと思える。

  • ・人間は、自分の利益になることしか進んでやろうとしない
    ・ルールやシステムがないと、高い倫理観を持ち続けられない

  • ● 決算書は税金の支払いのためにある。

  • 09/7/4 ★★★☆
    会社における節約を主題とした。

    これを読むと、あのハンバーガー1つ65円のカラクリが少し解る。

    この本には終身雇用を維持していく方向性みたいのが示されていて、
    そこんとこは興味深くおもしろい。

    ただ、第3章の節約100連発みたいな所から、
    ちょっと読むのがダルくなってきたかなぁと。
    特に第5章はなんかどーでもいい話だったような…

    まぁでもこの人の本はなかなか良い

  • メモ
    ・効率化やコスト削減は手段であって自己目的化した瞬間に、さまざまな落とし穴が出てくる。固定費と変動費の基本理解ができていないと。
      ex)安くアウトソースしたからといって、そのぶん人を減らせないのであれば固定費は削減しないのだから意味ないでしょ。
        浮いた時間をより価値のある仕事に振り向けられるから・・・って本当か、検討の余地はあるよ。
    ・また決算書とフリーCFとの基本的な知識理解も必要。
      ex)売上原価、減価償却、購入とリース
    ・利益を先に決めてしまって、費用を逆算するという方法あり。そのとおり。
    メモおわり

  • タイトルと 内容とに 若干の矛盾があるかもしれない

    効率化というだけでは利益はでない
    空いた時間に 何をするか

    遊んでいる固定費を如何に回収するか

    そして後半は 節約術の大量列挙

    同じ売上であれば 費用を減らすことで 利益が増える

    出ていくお金を絞ること 収益につながらない費用 労力をしぼる
    そんなことを感じられる本でした。


  • 購入日:2009/4/12
    購入者:桃色博士

  • 現役バイヤーかつ調達業務研究家(Amazonより)である、坂口孝則氏による「会社の電気はいちいち消すな」という1冊。<a href="http://www.amazon.co.jp/gp/product/4344980700?ie=UTF8&tag=sibafu-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4344980700">「牛丼一杯の儲けは9円」</a><img src="http://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=sibafu-22&l=as2&o=9&a=4344980700" width="1" height="1" border="0" alt="" style="border:none !important; margin:0px !important;" />でもお馴染みですね。<span style="font-size:x-small;">最近「○○するな」という書名をよく見かけるようになったのは気のせいでしょうか。</span>

    さて目次は以下のとおり(Amazonより)
    <Table Border><Tr><Td bgcolor="#FAEBD7"><strong>1章 「効率化すれば利益はあがる」のウソ</strong>
    1.アウトソーシングでは、利益はあがらない
    2.作業のカイゼン・効率化では、利益はあがらない
    3.決算書知識は役に立たない
    4.薄利多売には意味がある

    <strong>2章 なぜ節約・コスト削減が必要なのか?</strong>
    1.これからの時代は売上が伸びない
    2.「前年同期比○○%アップ」「前年同期比○○%削減」という幻想
    3.節約・コスト削減とはエコロジーのことである
    4.節約・コスト削減と企業の社会的責任(CSR)はつながっている

    <strong>3章 節約術100連発</strong>
    節約術100のアイディア・観点

    <strong>4章 仕入品を見直す</strong>
    1.仕入れ品を見直す、取引業者を見直す、価格を交渉する
    2.仕入れ量を見直す
    3.仕入れ品の詳細管理・長期的な価格低減を徹底する

    <strong>5章 節約が会社を変える </strong>
    </Td>
    </Tr>
    </Table>

    タイトルの「会社の電気はいちいち消すな」というのは、要するにコスト削減に必要なのは仕組みなのであって単なる標語では効果は無いということ。それでは一体どんな仕組みが必要なのかというと、筆者は3つの人間の習性を挙げており、それに合致した仕組みが必要だと言います。その3つの習性とは…

    <span style="color:#ff0000"><strong>・人間は愉しいこと、自分の利益になることしか進んでやろうとしない。
    ・人間はルールやシステムがないと、高い倫理観を持ち続けられない。
    ・人間は、強制的にやらされることしか達成できない。</strong></span>

    ということ。この3つの習性に基づき、3章では節約術が100個載っております(ただし小飼さんが指摘している通り、途中で通番が無くなっており本当に100個あるのか不明なこと、及びこの節約術は私生活についてではなく、主に企業にとっての節約術になっていることに注意されたし)。

    このような節約はコスト削減にもちろん通じるわけですが、節約によってできる時間にも注目したいところ。昨今の「効率化」「カイゼン」「仕組化」ブームにも通じるところがありますね。

    <strong><span style="color:#ff0000">利益向上のために「カイゼン」「効率化」をすすめる書籍群や人に決定的に欠如しているのは、そのカイゼンによって、どのように利益が向上していくのかという根源的な問いに他ならない。</span></strong>

    と述べているように、節約によってできた時間をいかに新規の仕組みを作る時間に投資できるかというのは、小飼氏の<a href="http://kokudododo.blog32.fc2.com/blog-entry-123.html" target="_blank" title="「本当の20%ルール」">「本当の20%ルール」</a>にも通じます。

    他にも、薄利多売は固定費を薄めることとなるといった話や、在庫自体が悪というよりも、在庫保有によってもたらされる機会損失こそが悪と言った話など、知らなかった話がたくさん。変動費の削減よりも、まず固定費が削減できないか、考えさせられる1冊でした。

著者プロフィール

未来調達研究所株式会社所属の経営コンサルタント。大学卒業後、メーカーの調達 部門に配属され、調達・購買、原価企画を担当してきたコスト削減、仕入れ等の専門家。日本テレビ「スッキリ」、TBS「篠田麻里子GOOD LIFE LAB」のコメンテーター、ラジオ「オールビジネスニッポン」のMCなどとしても活躍中。

「2020年 『1年仕事がなくても倒産しない経営術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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