街場のメディア論 (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035778

感想・レビュー・書評

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  • メディア論というタイトルなのに話の始まりはキャリア教育について。なるほど、なぜ「メディア論」を学ばなければならないのかをまず説明している。本書は大学の講義をベースに書かれているようで、この方の講義を受けたくなりました。

  • 内田の2冊目。いまのキャリア教育は間違っている、と内田は言う。そうかもしれないな。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • こういうことが言いたかった、感じていたけど言葉で表現できなかったというところを、論理的にわかりやすくまとめてあり、そうそうと納得しながら読んだ。

    人間がその才能を爆発的に開花させるのは、「他人のため」に働くとき。人の役に立ちたいと願うときこそ、人間の能力は伸びる。

    テレビの存在理由
    それでもやっぱりテレビは見るし、低俗なものか、良質なものかは見る側が判断して、選択していかないと。
    ある程度の知力を引っ張っていってくれる存在ではあってほしいと思う。
    批判をされていることも多いが、それでも丁寧に、視聴者の知的好奇心をうまく刺激して、ためになる番組も確かにはある。それまで無くしてほしくはない。

    色々なクレーマー、病院や学校などでいるが、クレームをいう人しか取り上げられないので、その意見が目立ってしまう。そればかりが、とりあげられ、クレーム側寄りにはなってはいけないし、おかしいことはおかしいとはっきり言える立場の人が発言しなければ。

    消費者とは「もっとも少ない代価で、もっとも価値のある商品を手に入れること」を目標とする人間のこと。

  • なるほどと思うことが多かった。物事を頭のいい人に説明してもらうとすっきりする典型。
    メディァはここ数年で大きく変わる・・と予言されているが、初版の出た2010年8月からちょうど4年目だけど、今の所余り変わっているようには見えない。
    どのような事態も自分宛ての贈り物だと考えて、にこやかに、あふれる好奇心を持って迎え入れる・・という発想はいいな。

  • ・人間の潜在能力は「他社からの懇請」によって効果的に開花するものであり、自己利益を追求するとうまく発動しない。「世のため人のため」に仕事をするとどんどん才能が開花し、「自分ひとりのため」に仕事をしていると、あまりぱっとしたことは起こらない。p28
    ・今遭遇している事態を「自分宛ての贈り物」とみなして、にこやかに好奇心をもって迎え入れる→危機を生き延びられる。現実から目を背かない。後悔しない。取り越し苦労しない。p207

  • メディアの崩壊。知力の低下。消費者化と被害者化。最も少ない対価で最大限の利益を得ようとする人々。

  • メディア論の授業をまとめたもの。
    出版に関する贈与論については内田樹が自ら批判されてると言明しているが、大学教授という定職がなくても同じ事が言えるのか?とはつくづく思う。でも書籍有償論の根本は書き手よりも、高給を得ている出版社の中の人間にあって、大部分の書き手からすると内田樹に賛同するのかもしれない。
    また本棚論の電子書籍批判については、その批判が真逆に現実化していて「投げ銭としての電子書籍」という返礼行動が起こっていることを内田樹は2014年現在では認識しているのだろうか?
    「図書館や他人から借りて面白かった本を電子書籍で買う」。これは紙の書籍ではハードルが高く、大規模書店に行く時間が無いと無理な行動だが、電子書籍であればワンクリックで自己のいつでも取り出せるデータ手に入る。急いで読む必要もなく、気が向いたときに再読出来るので、面白かったので著者への御礼の意味も含めて電子書籍に入れておくという行動が取りやすい。
    内田樹の論説は神戸に住む大学教授という身体性が背後に強くあるので、その点も含めたズレを許容しながら読む必要もあるのかもしれない。

  • この人の切り口は大体同じなんだけど、でも読ませるのはそれだけの射程を持つ切り口だから。本書でもメディアを題材にして、一人ひとりの個人を消費者という存在に還元してしまっている状況そのもに異議を唱えている。これは消費者を生活者などと言い換えて済ましているどこぞの作家の嘆き節なんかよりもよっぽど生産的な批判だろうと思う。(アエラ連載のアンタのことだよ)
    消費に好都合なのは規格化だろう。判で押したような言説の氾濫はここに起因している。中国の言論統制を批判して日本の新聞の政権批判に表現の自由を誇る某全国紙は、その「政権さえ批判しておればよい」という安易な規格化が中国の裏返しであることに気付こうとしない。あまりにも滑稽で、そしていよいよ悲惨である。

  • 書いてあること、一つ一つに納得。
    経済の原理で動くことで価値や意義が損なわれてしまう部類の事柄に属することを仕事に従事する者として、よくぞ言ってくれた!!と拍手喝采したい箇所多数。

    モノやヒトの、自分における価値を判断する基準として、一緒に革命をしたいか否かという物差しに惹かれました。そうやって考えると、身の回りの物のほとんどを削ぎ落とせそうな気がしました。

  • メディアの批判の源にはメディアへの愛を感じる

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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