「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036027

感想・レビュー・書評

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  • ベテランほどミスを起こしやすい と、感じたことがあるのであれば、是非読んでみるといいだろう。ミス がもたらすダメージは当人が思っているより根深いものだが、この本では、何故 ミス が発生するのか、というところから始まり、具体的な対処法まで記されている。知っている人は知っているのだろうが、意外と知らない人が多い知恵が書かれているので、一読をおすすめする。

  • システムとマニュアルを補完する事務処理のコツ。
    JIT方式生産と5Sのノウハウを事務処理にも応用しましょう。
    人間がミスをするメカニズムを学び、予防する仕組み作り。

  • ● 厳密に言えば、物理学には不確定性原理という法則があり、いかなる場合でも誤差(というより「不確かさ」)をゼロにすることは絶対にできません。事務とて同じで、全ての仕事には、「不確実性」と「不確定性」が(正常な会社ならばごく微量ですが)必ずあるのです。常識的には「ミスをしなければ、1円の誤差もない帳簿を作ることができる」と考えられがちですが、これは正しくないのです。

    ● つまり、仕事の「確実性」と「便宜性」との間には、資料4−2のようなトレードオフの関係が成り立っているのです。

    ● 間違いの有効活用として傑作なのが、地図や辞典などにわざと混入されている間違いです。存在しない道や単語が微量にこっそりと混ぜられているのです。

    ● トラブルの種を自分はまかないからといって、他人がまいた種を育てないとは限りません。ミス防止の主役は、最近、「作業確実実行力」から「異常検知力」に移ってきました。

  • 失敗学につながる本。

    事務を扱うってことは、すなわち形の無い「情報」を扱うということだから、そりゃミスもする。人間、注意力には限界があるので、有形物や適切なシステムを使っていかにミスを減らすかがこれからのミス防止につながる。

    特に、9章、10章、11章は必読。「わかりにくい」「不便」、すなわち「ミスを誘発する」環境を根本から払拭する方法を模索している人には是非読んで欲しいと思う。普段扱っている書類や文章も、改めて見直すと直すべき点が見えてくる。

  • うっかりミスが多く、紙と修正テープを無駄にしているのをどうにかしようとして購入しましたが、少し視点が違ったようです。
    そもそもミスは何故起こるかに言及し、ミスを減らす方策とミスが起こってしまった場合の早期発見策が中心に書かれています。
    求めていたものとは違いましたが参考にはなりました。

  • 一つ思ったのはヒューマンエラーの研究ってまだ学問としてそんなに深まってないのかな、ということ。実務書として多少参考になる部分もあったので読んで損したとかではないが知的好奇心が刺激されるような本ではなかった。

  • 読後備忘録

    ・ミスの解決策
    現状の補修 抜本度・根治性 小 コスト 小
    ①手順改良型
    ②道具改良型

    被害の管理 抜本度・根治性 中 コスト 中
    ③やり直し可能化型
    ④致命傷回避型

    抜本的対策 抜本度・根治性 大 コスト 大
    ⑤しなくて済む型
    ⑥問題を逆手に取る型

    被害のレベルと頻度でリスクレベルを計る

    ・ミスを防ぐ力
    ①異常検知力
    不足すると事故が頻発 対策優先度 大

    やり直しがきく範囲内で異常に気付くチャンスを与える
    すぐ使わないデータもいつでも簡単にみれるようにしておく
    特徴をわざと付け足して異常検知をやりやすくする
    計算は可視化してミスを防ぐ

    ②異常源逆探知力
    不足すると事故復旧コストが跳ね上がる 対策優先度 中

    品質それ自体と追跡可能化情報の二つが揃って真の品質が成り立つ
    ゾーニング(人や物の場所を規定する)して異常逆探知体制を作る

    ③作業確実実行力
    不足すると通常作業のランニング・コストが増加 対策優先度 小
    初心者 ミス 多 被害 小
    ベテラン ミス 少 被害 大

    ・ミスを防ぐ作業手順を組み立てる
    揃い待ち合流は避ける 片方を忘れてしまう
    因果律に従う
    意味の近さに応じて並べる
    埋没コストを抑える(立て続け、同時に行うと効率が良いものをまとめる)
    気のゆるみをおさえる
     大事なことは真っ先に
     最後まで達成感を感じさせるものは残しておく
     「100里を行く者は90を半ばとす。これ末路の難きを言うなり」
     (戦国策)
    ・ミスを防ぐレイアウト
    書式は規則性のもとに配置
    表の罫線を正しく使う
    現実の仕事はほぼ表形式にできるし、表わすべき

    ・ミスもパレートの法則があてはまる
    多いミスパターンを数個改善するだけで大幅に減らすことができる

    ・三現主義
    現場に行き、現場を見て、現場を知ることが重要

    ・ホーソン効果 人は注目されると頑張る
    第三者に見られる可能性を作り出す

    ・報告は上げやすくする
    手間をかけない
    報告に罪悪感や不利益感を感じさせない
    要点を抑える
    報告数が多く、し忘れない
    集計と分析が簡単
    いつWhen どこの業務Where 何がWhat どうなっていた
    How it was どう対応したHow react 誰がWho 
    担当者コメントWhy happened

    ・通達よみやすくシンプルに
    つまらない⇒面白そうだ
    自分に関係ない⇒使えそうだ
    自信がない⇒やればできそう
    できても嬉しくない⇒できたら楽しそうだ

    ・マニュアルは手順主義で書く(手順①、手順②…)
    ・情報の性質に応じて書きとめる場所を区別する
     

  • ■「人は教えているときに学ぶ」(セネカ)
     大きなミスの経験は無いのに、極めて熟練できている人には、
     決まって人に仕事を教えた経験がある。

    ■ホーソン効果
     評価懸念によるモラルやパフォーマンスの向上のこと

     ※評価懸念=「見られているかもしれない」という緊張感

  • ヒューマンエラーの研究する著者が人がなぜ事務ミスをするのか、どう防ぐかを書いた本。人間は有能だからこそ間違える。人間の間違え方のメカニズムが事例を通してわかりやすく紹介されている。問題に遭遇したら多面的にとらえようと思う。

  • 書式のレイアウトでミスは防げる!!

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著者プロフィール

1972年神奈川県生まれ。国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 副連携室長。中央大学大学院 客員教授。内閣府消費者安全調査委員会専門委員などを兼務。専門は、ヒューマンエラー(人間の間違い)、安全工学、認知心理学。カリフォルニア大学サンタバーバラ校への交換留学を経て、東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。著書に『「事務ミス」をナメるな!』『「マニュアル」をナメるな!』(ともに光文社新書)、『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』『防げ! 現場のヒューマンエラー』(ともに朝日文庫)、『多様性工学』(日科技連出版)など。

「2023年 『テストに強い人は知っている ミスを味方にする方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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