「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334036027

感想・レビュー・書評

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  • なぜ技術系に比べて、事務系はミス防止策が甘いのだろう。何段階もの決裁を経ても誰もミスに気付かないとか。あり得ない。でも「ミスを未然に防ぐ嗅覚が大事」というのは、まさにその通り!と思った。ちゃんと考えれば嗅覚も立派な技術になるし、他人に教えることもできる。

  • 事務ミスに絞った内容ではないが、ミスが起こる仕組みとどうすればそれを防げるかについてコンパクトにまとまっている本。
    理論編は他の危険学関係の本を読んだりしたことがあれば既知の内容ばかりであるが、実践編の部分は具体的で良かった。
    また、あとがきの作家のカフカが安全ヘルメットを発明し、ベルギーでは繁文縟礼検査法がカフカ・テストと名付けられているというのは興味深い話しだった。

    以下参考になった点

    問題の解決方法
    ①しなくて済む方法を考える
    ②作業手順を改良する
    ③道具や装置を改良する、または取りかえる
    ④やり直しが効くようにする
    ⑤致命傷にならないための備えを講じる
    ⑥問題を逆手に取る

    ヒューマンエラーを防ぐ3つの力(対策優先度の高いものから)
    ・異常検知力
    ・異常源逆探知力(トレーサビリティ)
    ・作業確実実行力

    書類の書式を作成する際に留意する点
    ・書類の書式を変更した際に追加点だけを余白に入れるのではなく、一列に並べるよう修正する
    ・ポップアウト効果を生じさせ、記入欄を並べて統一する、記入欄以外のスペースの地に色を塗るなど行う
    ・チェック表はチェック欄を一番目立つ端に持ってくる
    ・業務の手順を表すにはフローチャートではなく、表形式で行うほうが良い
    (手順の進捗を間違えやすい、情報が少ない、シンプルな構造でも複雑に描いてしまいがち)

    ミスの報告をしやすくする方法
    ・5W2H方式(いつ、どこの、何が、どうなっていた、どう対応した、誰がした、担当者コメント)の表を作成し、
    内容を簡単に書けるようにする

    読みたくなる通達
    ・つまらない→面白そうだ
    ・自分に関係がない→使えそうだ
    ・自身がない→やればできそうだ
    ・できてもうれしくない→できたら楽しそうだ
    というような気持ちにさせるようなものにする

  • ミスの解決方法として『ミスをしない』って回答を何度も聞いたことがある。「いや、そうじゃなくて、、」の後に続ける言葉がうまく見つからなかった。
    本書はどういう角度から(6つの面)から解決するべきか、実例をあげて説明している。フォーマットの悪さとか手順の待ち工程とかもきちんと解説してくれている。
    自身の作業はもとより、他の人に『ミス』のリカバリー方法を考えてもらうのに良い本である。

  • タイトルからして厳しい内容を想像していましたが、大変やわらかくそしてわかりやすく順をおって話がすすみます。古代からの考え方をはじめ最近の心理学などの実験結果も踏まえてミスの原因を解き明かし、具体例をあげながら防止策を提示しています。人間の歴史はミス防止の歴史といってもいいのかもしれません

  • タイトルの割に濃い内容であったという印象です。
    新書で210ページ程度、語感も平易なので読みやすく読んでよかったと思っています。
    経営者・管理者の立場になり読むもよし。自らのワークを見直すもよし。噛めば噛むほど、読めば読むほど、味わいが深まるスルメ本だと思います。

  •  ミスのパターンは多様で、メカニズムの追究はきりがない。でも対策は立てられる。
     対策は6つあり、それなしで済ます、問題を逆手に取る、やり方を変える、道具を変える、やり直しがきくようにする、致命傷にならないようにする、である。前者がより抜本的な対策である。
     ミス・事故を防ぐ力は、異常検知力、異常源逆探知力=トレーサビリティ、作業確実実行力の3つに分かれるが、大事なのは異常検知力である。実例として、毒見、銀行の合札、都市ガスの臭い、ETCゲートがあげられる。
     具体策も多数紹介されている。手順、書式、ミス報告、通達、マニュアルについて改善すれば多くのミスが未然に防げそうだ。
     ミス報告は、7つの欄の簡単な表を埋めるだけにする。いつ、どの業務の、なにが、どうした、だれが、どう対応した、結果どうなった。
     通達は、少ない方がよい。また、ケラーのARCS理論によると、4つの「ない」が通達を無力化する。つまらない、自分に関係がない、やれる気がしない、できてもうれしくない。これを逆転して、面白そう、使えそう、やればできそう、できたら楽しそうな通達をつくる工夫が必要。

  • これは! 本当に良い本に当たった。
    私的に久々のヒットです。

  • 事務ミスは経験の浅い人が起こすのではなく、経験豊富な人ほど起こしやすい。経験の豊富な人は、過去の経験にとらわれてしまい、イレギュラーな事象にもいつもと同じように対応してしまう。事務ミスを減らすには、ダブルチエック体制にするなど、ふそくの自体を想定した体制を整えておくひつようがある

  • 初心者よりも、慣れた熟練者のほうがミスをしてしまうというところから始まります。適応型のミスを防ぐ手段、致命傷にならないための処置など。具体的に自分の仕事に活かすにはアレンジしなければならないけれど、根底となるところが分かり、参考になりました。

  • 仕事柄、事務処理が多くあります。
    細かな作業が苦手な私でしたが、やはり、ヒヤリ、ハット、があります。
    そこからやってくる思いもよらない事故に何度やられたか。。。

    事務職の方ではなくても、仕事をしている方は1度は読んでみては?

    事務ミス、ホントに、甘くみてはいけません。

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著者プロフィール

1972年神奈川県生まれ。国立研究開発法人 産業技術総合研究所 人工知能研究センター 副連携室長。中央大学大学院 客員教授。内閣府消費者安全調査委員会専門委員などを兼務。専門は、ヒューマンエラー(人間の間違い)、安全工学、認知心理学。カリフォルニア大学サンタバーバラ校への交換留学を経て、東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。著書に『「事務ミス」をナメるな!』『「マニュアル」をナメるな!』(ともに光文社新書)、『ヒューマンエラーを防ぐ知恵』『防げ! 現場のヒューマンエラー』(ともに朝日文庫)、『多様性工学』(日科技連出版)など。

「2023年 『テストに強い人は知っている ミスを味方にする方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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