鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)

  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334751166

感想・レビュー・書評

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  • 落語ふうの翻訳がシュールな悲喜劇にぴったりの「鼻」。下級役人が血道をあげた外套といわば心中してしまう「外套」。ひさしぶりにゴーゴリワールドを堪能。


  • ・『鼻』、場面が奇妙すぎて、ちょいちょい誤読してるのかと思った。「鼻が制服を着て歩いてる」って言われましても。想像力が追いつけないよ。
    ・『鼻』の締め方良すぎる。この話と同じくらいわけのわからんこと、現実でもたしかに起こるわ。
    ・『外套』、まじめな小心者が舞い上がった直後に落とされるの辛い。終盤の怪奇小説パートでなんだか救われた。世間を見返してやれてよかったね。
    ・『査察官』、フレスタコフのしょうもないクズっぷりが清々しくて好き。登場人物がみんな親近感の湧くクズ。慌てふためくクズを遠目に観察する感じのブラックコメディ。
    ・落語調の訳の主張が強すぎたな...。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/742342

  • ゴーゴリは日本でいうと江戸時代末期の作家。鼻、外套はユーモア小説ということになるのだろうか。あまり笑えなかった。

  • レビューはこちらに書きました。
    https://www.yoiyoru.org/entry/2019/04/05/000000

  • 落語調で訳されているせいか、3作品とも日本の落語にありそうな内容に感じた。また、『査察官』に出てくる市長の、ハイテンションで一方的に撒き散らしながら話す様子は、ドストエフスキーの小説に出てくる登場人物を想起させる。ドストエフスキーとゴーゴリの作品しかロシア文学を読んだことがないが、もしかしてロシア文学に出てくる登場人物の共通点は、上記に挙げた特徴なのか?と思ってしまった。

  • 文学
    古典

  • ずいぶん昔、ゴーゴリの「死せる魂」を読み始めたことがあったが、あまり興味が乗らず最初の方でやめてしまった。

    「鼻」も「外套」も「査察官」も、「死せる魂」の前に読んだような気がするが、内容はまったく覚えていない。
    ということは、それだけ面白味がなかったということだろう。読んだとしても30年以上前のことだが。

    この新訳では、これらの有名な作品がなんと落語調に訳されていて、なんとも大胆な試みである。そして、この試みは成功している。読みやすく面白い。面白い作家はやっぱり面白く訳さなくっちゃ。

    ただし、笑いというのは読者との相性があるようで、ゴーゴリの作品はやっぱり私にはピンとこなかった。名作と呼ばれる作品ではあるけれども、そこまで面白いとは思えない。
    私にとっては読んでも読まなくてもかまわなかった本。
    ということが読んでみて分かった。

  • 一年位前に読んだ「死せる魂」は
    つかみどころなく不完全燃焼のままだった。
    その後、自分が興味を持った作家がファボっていたり、他者を説明する喩えに使用されていたり、何だかんだと名前は目にしていた。


    今回のタイトルも全部漢字だよ。孤高の、寄せ付けない、雪降ってる感じ、出てるう。


    これがアータ、とっても愉快で楽しかった。

    訳がいい。床屋さんがパン食べようとしたら鼻が出てきて驚くんですが「鼻ッ!やっぱり鼻ッ。どうしたって鼻ッ!」「査察官」の市長の奥さん「あたしはあとじゃいやなんですゥ」小文字に悶えた。

  • ゴーゴリというと名前だけは聞いたことがあるけれど
    全く読んだことがなかったロシアの文豪??
    ドストエフスキーはゴーゴリがいたから
    自分の小説が書けた、みたいなことを言っているくらいの
    すごい偉い人なんだろうなぁという印象だけはあった。
    で、今回初ゴーゴリだったわけですが
    ぶっ飛びました。
    なんだ、このバカバカしさは!!

    これは凄い。笑えます。
    今の作家でいうと町田康なんかは近いのかも。
    でもぶっ飛び具合のスケールが違う。

    「鼻」という短編なんかは
    朝起きたら虫になっていたというカフカどころではなくて
    鏡を見たら鼻がなくなっていて
    探しに町へ出たらその鼻が偉そうな格好で
    町で紳士然と闊歩しているという話ですからね、
    鼻が服着て歩いてるんですよ(笑)
    意味わかりません(笑)

    「外套」という短編も面白い。
    ストーリー的には小学生が作りそうなレベルなところが凄い。
    でも、なんか響くんですね。
    何の取り柄もなく新しい外套を買うことが
    何よりも楽しみになる、という小市民な男の話が。
    ロシアではドストエフスキーとかトルストイよりも
    ゴーゴリが人気がある、ということですが
    なんとなくわかる気がします。
    ついでに翻訳が落語みたいで読みやすいのも良いです。

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