- Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751166
感想・レビュー・書評
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高校時代、クラス対抗芝居で演じた「査察官」(その時のタイトルは「検察官」)。なんで女子高校生がこんな暗い劇やんなきゃなんないのさ!と、全く興味なかった戯曲ですが、訳が違うとこうも面白くなるものか。そして、噺家調の訳もさることながら、巻末の「解説」によって、作家ゴーゴリの人となりを知ることによって、こんなにも「ゴーゴリ観が変わるものか」。ナボコフの「ゴーゴリはロシアにいないんだから、この時代のロシアを風刺できるわけないじゃん(ナボコフは亡命グセ有り)!」という評に笑う。ゴーゴリは評論家によって、権威あるつまらないものに祭り上げられてしまった、不幸な作家だったのかもしれない。こんなにピュアな人物なのに(良くも悪くも)。
2007.06.08-12詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
言わずとしれたゴーゴリの代表作たちだが、翻訳が独特でありある意味では成功とも言える。落語云々はともかく、何度も訳されたものをあえてこうして提出する気概を買う。
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きまじめ故のおもしろさ、幻想性の重視を考えれば岩波、古典を読みやすくのニュアンスに適った光文社。個人的には岩波ですが、おすすめには変わりなし。
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ゴーゴリは初めてなので、落語調の文体がどうのこうのというのはわかりませんが、短篇のスピード感が出ていて、とてもよかったのではないかと思います。陽模様もと昔から思っていて、今回の「新訳」出始めて読んだのですが、作品として中途半端な感じを受けました。でもそれは訳者解説を読めばわかりました。うーん、ゴーゴリってそういう文学者だったのね。