- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751180
感想・レビュー・書評
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2007年04月21日
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「花」をモティーフにした行が多いです。
ワイルドの極彩色な、ヴィジュアル的なヴィジョンが読んでいて、目の前に浮かびます。
『退廃的』と言われますが、そこにはワイルドの芸術観・美について書かれているようです。それを考えると、むしろ『耽美的』に思われます。 -
ハリーがいまいち有効活用されてない感じ。
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美少年ドリアン・グレイの転落人生譚、と言ってしまうと身も蓋もありませんが、自身の悪行に合わせて、本人ではなく肖像画の人相が変わっていくというのは面白いところです。ただ、快楽主義者と言われるヘンリー卿、確かに話術は素晴らしいですが、ドリアンと出会ったときの話術は別にそれほどでもなく、なぜドリアンがあんなに引き込まれたのかわかりづらいです。また途中、やや文体が異なるというか作風が異なる部分があって、そこはダラダラとわかりにくい感じがします。また、画家の遺体を友人に処理させる時の取引条件が何であったのか、私にはわかりませんでした。善人の皮をかぶった悪人・ドリアンということですが、今一つ悪行がはっきりしないというか、この程度で「ワル」ですか(?)という感じがしなくもない読後感でしたが、それでもぐいぐい引き込まれてしまいました。