- Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334751272
感想・レビュー・書評
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「七階」と「グランドホテルの廊下」は面白かった。そういう、何か得体の知れない力が働いてしらぬ間に身動きがとれなくなったり気づいたら運気が下がっていることってやはり世界中誰でも感じることはあるんだな。
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ブッツァーティ『神を見た犬』。全22編が収録されている。
かなり好み。幻想的な事や物語を、ジャーナリストとして長年記事を書いていた腕を生かし、平坦かつ事実を伝えるような文章で書くので、あたかも現実的に起こった物語のよう。
わたしが特に気に入ったのは、天地創造、コロンブレ、7階。
不条理や破滅などへ向かって描くこと、悲観さがブッツァーティの特徴らしいが、短編ということもあり、ただ苦しい、悲しいだけではなく進む。
素晴らしいストーリーテーラー。
ブッツァーティの『タタール人の砂漠』も読んでみよう。
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イタリア文学を読んだのってはじめてかもしれない。「コロンブレ」「アインシュタインとの約束」「聖人たち」「驕らぬ心」あたりが結構すき。「アインシュタインとの約束」は冒頭のプリンストンというところでわかる人はわかるんだろうなと思った。自分は検索したけど。「聖人たち」はちょっとかわいそうだけどほのぼのとした。これからも仲良くいてほしい
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ブッツァーティは初めて読んだけどとても良かった。
恐怖・不安・不条理をえがきながらもあまり暗く辛い気持ちにはならず、幻想的でありながらも実生活に寄り添っていて絶妙だった。
一番好きだったのは『コロンブレ』。
これは本当にカフカに通ずるものがあるとおもう。
他は『アインシュタインとの約束』、『七階』、『グランドホテルの廊下』、『神を見た犬』、『小さな暴君』
あたりが特に好き。
『小さな暴君』が一番胸がムカムカする話かも。 -
短篇集。ブッツァーティの全体像をつかみやすいよう作品を選んだとのこと。テーマは政治、戦争、家族、宗教、人生、病気など多岐にわたる。
はじめてのブッツァーティの短篇で、とてもよかった。『タタール人の砂漠』のようにむなしく人生を送る人々やこの世界の終りの様子など好みのテーマが多かった。「神を見た犬」や「わずらわしい男」などラストが面白いというかニヤッとさせられることが多いというか…。
また「風船」が印象に残ってしまった。女の子の幸せな様子、悲しい様子が伝わってきて、物語に入り込んでしまった。
他の短篇集も読んでみたい。 -
頭木弘樹さん「絶望読書」で、「絶望するときに読んではいけない本」として紹介されていた「七階」が収録されている短編集。
シニカルともブラックユーモアともいえない、切なくてぞっとする幻想的なお話がたくさん。
お目当ての「七階」は結末を知っていたけれど、それでもぞっとした。
表題作「神を見た犬」はどシニカルな感じでよかった。「グランドホテルの廊下」「病院というところ」あたりがすき。
テーマが幅広い。古代から現代、神と宗教、ありふれた日常。政治と戦争。 -
短編集ですが、この中の「病院というところ」を読みたくて購入しましたがどれも秀逸です。
日本でいうなら星新一さん作品がお好きならきっと気に入ることと思います。