人生の短さについて 他2篇 (古典新訳文庫)

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334753504

感想・レビュー・書評

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  • 読みづらいけど、とても大切なことが書いてある。
    最後の解説読んでから読むとわかりやすい。
    2000年前も人間や人生の本質的な部分は変わらないと実感した。

    人生の短いについて
    人生は無為に過ごすと何も出来ずに終わる
    自分の時間を他人に奪われないようにする
    時間を浪費してしまうのはやりたいことがないから
    閑暇を持って目的のために時間を使う

    心の安定について
    自分の実力や得意なことを見極める
    仕事は自分の能力に見合ったものを選ぶ
    付き合う人を選ぶ。欲の少ない人が良い
    質素な生活を心がける。足るを知る
    疲れたら休息をとって精神を回復する。息抜き大事

  • 表題の他2編も通して、
    自分を大切にすることが最重要なのだと諭された。
    豊かな時間を過ごすこと、学ぶこと、愛する人々と交わること、そして心を十分に労わること。
    常に基本としていきたい。

  • 2000年前から人間とは変わらず同じ悩みや苦悩を抱えているものだと痛感。

    現代人にも響くということは、わかっていながらやはり出来ないことであるという事。

    人生は短いものではなく、短くしているという言葉は心に響く。時間は万人に平等に与えられるものであるが、時の過ごし方は人によって違う。時間は有限。目に見えないので簡単に浪費してしまうが、大切に使わないと明日にも終わる可能性がある。

    一日一日を後悔のないよう精一杯生きる。当たり前だが出来ない自分がいる。

  • 人の生き方について解く、哲学者、セネカによる本作。
    紀元一世紀の人物による書籍というだけでも驚きですが、その内容もかなり洗練されており、人生において大切な心構えというか、生き方を示してくれます。人はときに閑暇を求め、学問に没頭することにより人生を充実させ、心の安定を得と教えるところには同意できます。自分にとっての問題は、何を学ぶまかか、その学びは人の為になるか、ですが難しいですね。
    同時に、今就いている仕事にも疑問を感じてしまいそうですね。人のために生きることも肯定されているので常に自問しながら生きていきたいと感じます。
    財に拘ない考え方は、将来の安定した生活を考えると難しいのですが、物に拘らない生活には一層励みたいです。
    解説についても当時の社会情勢や人々の暮らしなどが紹介されておりも見応えがあります。ストイックの語源がストア派である豆知識も紹介されています。

  • 自分自身の時間の使い方、人生の向き合い方をふり返させられる本。

    高い地位や名誉を得て多忙を極めている人、トリビアのような知識をひけらかす人、おしゃれや髪形ばかりを気にする人、コレクションを自慢する人。
    今から2000年も前に書かれた(しかも外国の!)本の中にこれらタイプの人が「人生を短くしている」人の例として登場してくるなんて、人間社会や人の性質は全く変わらないんだな、と痛感。

    セネカは手紙を宛てたパウリヌス(重責で地位も名誉もある)に、さっさと多忙な仕事から離れて、自分自身の人生を生きることを説いている。

    現代風に言うと、脱サラ隠遁生活を進めているように一見、聞こえるが、そうではない。

    人生はいつ終わるかわからない。だからこそ人生の時間の量ではなく質に焦点をあて「生きる」てほしい、と言っているんだと思う。

    単に齢を重ねていくことは、長く生きたことではなく、長く存在しているだけ。
    (丸山眞一の「であること」と「すること」に似ている)

    時の長さではなく、束の間の人生をどう掴むか。

    世間の評価を気にしたり、富を追い求めたり、それらのような世俗的な事柄から離れて、自分の人生をどう生きるか。そのためには過去と向き合うべきと説く。

    不確かな未来、移ろいやすい現在と違い、過去は確かなもの。過去の偉大な賢人たちの言葉(古典)に触れ、過去という悠久の時間に向き合う。偉大な賢人たちとの対話が、歩むべき未来の人生を照らしていくから。

    2021/8/20 追記
    セネカは大西英文訳、茂木元蔵訳あり
    ラテン語でvitaは生、人生

  • 時間とは何かについて考えさせられた。
    多忙な時間も充実していて良いかもしれないが、自分と向き合う時間も必要だと思った。過去から学び、今をより充実させた生き方をしたいと思った。

  • 時間の篩にかけられた古典は、一文一文が金言ですね。自分の時間を他者に奪われることなくいかに生きるかについて、そして人生について、その他生きていく上で大切なことが沢山学べます。本当に素晴らしい内容です。

  • 私にとっては難しいなと思う部分が多々ありました。
    しかし、昔と今で繋がるところもあって興味深かったです。
    ▪︎印象に残ったフレーズ
    ・『長く続いた幸せに甘やかされて、力を失った精神の持ち主は、いつまでも涙を流して嘆いていればよい。最も軽い災難の一撃で、崩れ落ちればよい。しかし、生涯にわたって災厄に見舞われ続けてきた精神の持ち主には、最も重い災難にも、強靭で確固とした不屈の心で、耐えていただきたいのです。』

    ・『悲しみというものは、まぎらわせるよりも、克服してしまうほうがよい』

    ・『信頼に満ちた心地よい友情ほど、心に喜びを与えてくれるものはない。』
    →はるか昔にも友情とかあったんだなと思い、ホッコリしました。

  • Kindleで無料だったので、とりあえず「人生の短さについて」だけ読んだ。
    少し難しい部分も感じたが、軸となっていることは理解して腑に落ちた。解説動画なども見たが、主な内容は

    ・他の生物と比べても生きる年数は長いのに、人生が短いと感じるのは、自分で短くしてしまっているから。
    ・ほとんどの時間は生きているとは言えず、単に時間が過ぎてしまっているだけ。仕事で忙しいのも、それは時間の浪費。他人に奪われてはいけない。自分に向き合う。
    ・未来現在過去の内、不変のものは過去だけ。過去をいかに自分にとって充実させて、向き合いたいと思える過去にするか。それが則ち自分に向き合うことが出来ている状態。
    ・また、過去とは偉人が残してきたことを知れる。
    「真の閑暇は、過去の哲人に学び、英知を求める生活の中にある」

    これらの主張はもちろん生きる上で軸になりうる。
    しかし、働かないと生きていけない以上、どうやっても忙しくなってしまう。さらに、この本が書かれた2000年ほど前よりも、明らかに娯楽が増えているため内容がそぐわない部分もあった。

    逆に、だからこそ、この本の主張が響くのではと思う。個人レベルで振り返っても、意味もなくスマホを見たりダラダラしたりする時間が多い。
    もちろん他人に合わせることも大事だけど、やはり自分は自分である。誰のものでもない


    少しクスッときたフレーズ

    「いまや、宴会に出ることが仕事になってしまっているではないか」
    →この時代から飲み会がめんどい人っていたんだなー

  • 難しい本でした。

著者プロフィール

ルキウス・アンナエウス・セネカ(Lucius Annaeus Seneca)。紀元前4年頃(紀元前1年
とも)~紀元65年。古代ローマのストア派の哲学者。父親の大セネカ(マルクス・アンナ
エウス・セネカ)と区別するため、小セネカ(Seneca minor)とも呼ばれる。ローマ帝国の
属州ヒスパニア・バエティカ属州の州都コルドバで生まれ、カリグラ帝時代に財務官とし
て活躍する。一度はコルシカ島に追放されるも、クラウディウス帝時代に復帰を果たし、
のちの皇帝ネロの幼少期の教育係および在位期の政治的補佐を務める。やがて制御を失っ
て自殺を命じられることとなるネロとの関係、また、カリグラ帝の恐怖の治世といった経
験を通じて、数々の悲劇や著作を記した。本書はそのなかでも「死」との向き合い方について説いた8つの作品がもとになっている。

「2020年 『2000年前からローマの哲人は知っていた 死ぬときに後悔しない方法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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