カッコウの卵は誰のもの

著者 :
  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334926946

感想・レビュー・書評

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  • 白血病で入院している息子さんの考えや行動にすごく心を打たれました。間違っていたこともあったけど、それぞれが自分の大切なもの・守りたい人のためにしたことだったんだなと思いました。

  • 遺伝子の組み合わせと運動能力の関係を研究している『柚木』は、能登オリンピック選手の娘でスキーヤーの『緋田風美』に興味を持つ。父娘の遺伝子を調査しようとした矢先、風美に脅迫状が送りつけられ、彼女が乗るはずだったバスが事故を起こす。狙われたのは風美なのか?
    やがて柚木は、風美の出生にまつわる真実に辿り着く。

    なるほど、著者が好んで書きそうなテーマだな、と。それにしてもこの作家さんの書く文章は、心をぐっと掴まれるものと拍子抜けするものと両極端。これは残念ながら後者だった。ストーリー自体は面白かったのになぁと残念。
    初出時のタイトル『フェイク』から改題とのこと、こっちの方が断然よい。テーマが分かりやすいし、ラスト付近で「才能の遺伝」という意味も含まれていたということに気付いたとき、さらにタイトルが深く感じられる。
    あまり救いの無い話だが、もう1人の雛である『伸吾』がスキーを前向きに捉えられるようになったことに、少し救われた気がした。

  • ミステリ

  •  緋田宏昌は娘の風美が自分の娘でない事を、風美が2歳の時に育児ノイローゼで自殺した妻智代の遺品の中に
    病院から新生児が盗まれた新聞記事を発見。調べた結果、故郷の同級生が産んだ娘である事が判明。その父は
    会社社長であり妻子のある上条であった。上条の一人息子が白血病のためドナーが必要となり、風美にたどりつき、
    宏昌に会いに来た。不倫発覚を母のためにも阻止しようとする息子文也により、風美を怪我させる予定が上条が
    乗ったバスのブレーキ故障により、上条が死亡。一連の事件で優秀な遺伝子を持つ若者(カッコウの卵)を
    アスリートとして育てあげる柚木の計画は頓挫した。

  • 努力に勝る天才なし

  • ハラハラドキドキ、スーパー遺伝子をキーワードに過去の人生が、、、
    面白い読めた

  • 再三読者の予想を裏切る展開に最後まで目を離せなかった。面白かった。主人公の緋田の誠実さが痛ましい。「カッコウの卵」他人の子かもという生物的意味と、その人の望むか否かにかかわらず潜り込むミトコンドリア遺伝子の存在意味と、2重の「托卵」の意味。なるほどね。

  • スキーヤーの父と、スキーの才能を受け継いだ娘。スポーツの遺伝子研究の話を持ちかけられるが父は良い顔をしない。
    スキーヤーの妻の突然の死をキッカケに出てきた不可解な諸々の謎とは…

    科学×ヒューマンドラマ×ミステリ。東野圭吾こういう展開好きだよね

    東野圭吾は中学生くらいの頃からずーっと、読書の基本、くらいの立ち位置で色々読んできた作家さん。久しぶりに立ち返って読んだら、説明の丁寧さが健在だなーと思うと同時に丁寧過ぎて「わかりやすすぎ」が感情移入の妨げになる箇所もあった感。悪巧みめいた話のやりとりとかは懇切丁寧に書かれるとかえって胡散臭く見えて読みながら冷めてしまう

  • 相変わらず世界観にすぐ入れるし、先が気になって一気に読み進めてしまった。緋田の人となりが頭に浮かぶ。
    面白かったけど、智代に風美が引き渡されることになった経緯や、智代が自殺したのは何故なのか、犯人の心理も納得できるような、できないような。
    布石が色んな所に飛んでいて、もう少し突き詰めたい点が残ったまま、終わってしまった気がした。

  • 東野圭吾の作品はすんなりと入ってくる。
    その感覚は読んでいるのではなく聞いていると言う感覚に等しい。

    今回も楽しく聞かせていただきました。
    内容としては少し物足りなさが残りました。
    ただ、それは東野圭吾水準だからの話であって、一般的に見たらかなりレベルは高いと思います。

  • あれ?これ読んだことある?
    って読みながらよくよく思い出すと『魔力の胎動』の出だしと同じでワロタw
    作品の振りが大きい東野さんの小説は不安要素がいっぱいであまり読まないようにしているんだけど、これ面白いから時間の隙間にでも読んでと本を借りたので仕方がなく読んだ。
    読みながら、ああ、これは力の入ってない作品だなってすぐに察した。
    そして一番嫌いな「手紙」オチ。
    後半読んでてこれはボリュームが足りないし、いろいろ手抜きだし間違いなく強引に幕閉じるなって思っていたら案の定手紙ですべての謎が解けました、だ。
    なんでこの人が人気作家さんなのか疑うレベル

  • ここ最近有川浩ばかり読んでいたので、その後に読むと、「あれ?胸キュンは?」とラブコメ要素を探してしまう。柚木あたりが風美の相手役かなあなどと、脳内で勝手にカップリングしていたが、最後までそういう展開にはならなかった。ねんのため書いておくが、本作は、男女間の愛でなく親子愛がメイン。

    東野圭吾は人間を肯定的に描く人なので、読後感はよい。

    でも、人が死にすぎ。話の展開上、死んでてもらわないといけなかったのだろうが、風美の育てのお母さんで、緋田の奥さんは、なんで自殺したのか?子供を盗んできたわけではなかったはず。だから、人の子を盗んだという罪の意識で死んだわけではないよね?とすると、夫に本当のことを黙っている罪悪感で自殺?

  • んー映画化されてたので期待してたが。

  • 一気に読み進めた。親子とは何なのかと考えさせられる。

  • 人間の持つ性質を決めるのは遺伝子だけだろうか、と考えさせられた。ミステリとして捉えるとあまり面白くはない。

  • 期待のアルペンスキー選手の出生に隠された物語です。

    19歳の緋田風美は将来を有望されたアルペンスキー選手。
    父・宏昌もまたかつてオリンピックに出場した元アルペンスキー選手。

    しかしこの親娘は本当の親子ではない。
    しかし風美の所属する会社では。スポーツの才能を遺伝子レベルで研究しており、父・宏昌にとって、なんとしても事実を知られてはいけなかったが、事態は思わぬ方向へ。

    最初に「本物の親子ではない」という複雑な謎ではないなと思いきや、物語はその謎がどんどんと深まっていき、スピード感が増していきます。

    ミステリーの醍醐味らしく、読者にいろんな推理をさせてくれる書き方がやはり上手いですね。

    表題の意味も「風美は誰の子なのか?」という安易なものではなく、なるほどと納得してしまいました。

  • 最後の最後で謎は全て解明されるけど、全体的には地味な話。

  • 終盤で急展開だったが、犯人の子供であるしんごくんがどうなったのかが気になったまま。

  • 既に読んだことあったような読後感。東野氏らしい作品ということか。

  • 東野作品の中でも、心温まるストーリーのうちの一つ。
    ミステリーじゃないのに途中から、例のガリレオ先生のような気分で展開を見ていた。
    バッドエンドなようでいて、きっとハッピーエンドに近いと思う!

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

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