- Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334926946
作品紹介・あらすじ
親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。
感想・レビュー・書評
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カッコウの卵は誰のもの
タイトル通りの内容ではある。
ミステリとしては読みやすいが、伏線の部分が少ないのが残念でした。すなわち回収するものも少ないので解りやすい内容である。
ただ風美父子の幸せと、親として風美の厄災を命をかけ守る宏昌の決意を感じた。それが本物の卵であるかの様に。
純白の雪で風美のシュプールを眺める宏昌は父親の目をしているはずだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
うーん、消化不良ですね。長いわりに内容が薄い。
二転三転するのはお決まりですが、こじつけ感が強くお勧め出来る本ではないです。 -
タイトルが内容の芯をついていて好きです。
事件を追うミステリーと、1人の人間のルーツをめぐるドラマ要素が、良い具合に組み合わさっています。
最後も割とスッキリできて、タイトルに対する答えが得られた気がします。 -
なかなか話が進まず、モヤモヤしながら読みました。
カッコウの卵は、風美と伸吾(の才能)のことだったんですね。
伸吾の父の言葉、「才能の遺伝ってのはさ、いわばカッコウの卵みたいなもんだと思う。本人の知らないうちに、こっそり潜まされているわけだ。それを本人がありがたがるかどうかわわからない。そのカッコウの卵は他の誰のものでもない、伸吾だけのものだ。」
興味のないことに才能があったとしても、それを孵化させるかどうかは本人次第だってことですよね。 -
元オリンピックスキー代表の緋田は、一人娘でスキーヤーの風美が幼い時に自殺した妻の遺品を見つける。それにより娘の出自に疑問を持った頃、スポーツ医学の観点から、緋田父子の遺伝子を調査したいとの要請が。風美をワールドカップのメンバーから外せとの脅迫文が届いた後、彼女が乗ろうとしていたバスに事故が起こる。犯人は、そして風美の両親とは・・・
色々と話がでてきて、飽きさせないというか、離さないのはさすが。ただ、何故母親が・・・とか、もしあの事故で・・・と考えると、疑問が残ってしまう部分も。 -
本の内容
親子の愛情に、揺さぶりがかけられる。覚悟を決めた父親は、試練にどう立ち向かうのか。父と娘、親子二代続けてのトップスキーヤー。娘の所属チームの研究者は、二人の遺伝子パターンを調べさせてほしいと考える。しかし、了承するわけにはいかない。父には、どうしても知られたくない秘密があった。娘が生まれた19年前からの忌まわしい秘密が。 -
遺伝子の組み合わせと運動能力の関係を研究している『柚木』は、能登オリンピック選手の娘でスキーヤーの『緋田風美』に興味を持つ。父娘の遺伝子を調査しようとした矢先、風美に脅迫状が送りつけられ、彼女が乗るはずだったバスが事故を起こす。狙われたのは風美なのか?
やがて柚木は、風美の出生にまつわる真実に辿り着く。
なるほど、著者が好んで書きそうなテーマだな、と。それにしてもこの作家さんの書く文章は、心をぐっと掴まれるものと拍子抜けするものと両極端。これは残念ながら後者だった。ストーリー自体は面白かったのになぁと残念。
初出時のタイトル『フェイク』から改題とのこと、こっちの方が断然よい。テーマが分かりやすいし、ラスト付近で「才能の遺伝」という意味も含まれていたということに気付いたとき、さらにタイトルが深く感じられる。
あまり救いの無い話だが、もう1人の雛である『伸吾』がスキーを前向きに捉えられるようになったことに、少し救われた気がした。