魔女は甦る

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 859
感想 : 185
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344019829

感想・レビュー・書評

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  •  埼玉で起きたバラバラ殺人、亡くなったのは近くにあったドイツの製薬会社の研究所員。
     ヒートと呼ばれる悪魔の薬の製造に関わっていた被害者。彼のこれまでの人生を知るといたたまれない気持ちになる。人当たりの良い好青年、それが周囲の人の彼の印象。そんな彼がヒートを製造・売人までしていた事実が分かり、人物像が理解できなくなる。彼の恋人が必死に何かを探しているのが、判明する彼の姿と一致しない。
     ラスト、犯人にビックリ。でも、極限の中、隣にいる誰かを必死に助けたいと願う時、人はもてる最大の力が発揮できる。そして、どんなつらい過去があり、人と距離を置く人でも、信頼できる誰かの温かさを知ったとき、変われる気がする。

  • 救いようがない、ので好ましくない。
    登場人物の人柄は好ましいのに設定がチープ。
    ひたすら重い。
    長い終盤戦にただただ溜息。
    続編は読まないと思う。

  •  最初の方からグロめでしたが、後半の犯人との攻防はやばかったです。予想以上に長く追いかけっこしていて、「もういいから早く終わってー」と思いつつ読んでました。しかも最後は違う人のが怪我がひどくて予想外でした。
     話は面白いのですがグロくて読後感が…。続編読むのにちょっと勇気がいります。明るいくだらない本を用意してから読もうと思います!

  • 古手川君がペーペーです
    面白かったけれど、後味が全くスッキリしません
    人は人をどうしたいのか
    悪意で苦しくなる
    人の残虐性は
    悲しくなる
    槇畑も宮條も浮かばれない

  • 薬物がらみのミステリーと思って読み始めたら、途中から段々様子が変わってきた。後半はもはやホラー映画かアクションものか…といった感じ。1ページ目からグロくて、最後のほうは文字通り“痛い”表現が延々と続く。そういうのが苦手な人にはお勧めできない。
    スピード感があって読みやすいけれど、ラストまで救いがないので、読後感はあまり良くない。
    続編『ヒートアップ』も出てるらしい。ちょっとすっきりしないラストだったので、そっちも読んでみよう。

  • 荒地で男性のバラバラ死体が発見され、強行班の刑事槙畑はその捜査に当たることになる。被害者の桐生は、発見現場の近くにある製薬会社の元社員で、都内で出回っている合成麻薬『ヒート』に深く関わっていた。桐生の恋人であった美里は、彼の死の真相を知るべく、槙畑と行動を共にする。やがて明らかになった真相は、二人にもその魔の手を伸ばしてくる。

    手というか嘴だが。前に読んだ『さよならドビュッシー』とはだいぶ趣を異にする話で、引き出しあるなあ、と思う。凄惨な描写は迫力があり、薬にしてもリアリティがある(と思う)。ただ当の製薬会社が表立って関わってこないのがちょっと肩透かし。肩透かしと言えば宮條もか。槙畑にはトラウマがあって、美里を救うことで贖罪としようとするが、結局は彼女も救えず自身も大怪我を負い、最後の決着もついたかどうか分からない。事件自体を含め、状況証拠以外には何ひとつ解決されずに終わる。読み応えあって面白かったが、スッキリしない読後感。

  • 「僕は魔女の末裔です」。
    こんな一言をかかりつけの歯科医に言って、製薬会社に勤務する青年が殺された。
    場所は会社近くの田園地帯。原型をとどめない肉片と骨の屑のような、バラバラ死体で発見されたのだ。その殺され方は、記録に残る魔女の惨殺刑、そのものだった。

    いきなり、むごたらしい死体の発見シーンから始まるこの物語だが、
    「ヒート」という麻薬ににた薬物が重要な手掛かりとなった。

    担当となった警察官槇畑は過去に一つの命を救えなかったという、忌まわしい記憶をもっていた。殺害された青年の一人ぼっちで孤独な子供時代から現代にいたるまで、調べていくにつれ、槇畑の脳裏に鮮明にその記憶がよみがえってくる。今度こそ、逃げずに悪と戦おうとするが、その殺害の犯人は人間ではなかった。

    衝撃的な事実とともに、食物連鎖の自然界の掟を利用して、魔の手はまだまだ続く。
    そう・・「魔女は甦る」のだ。

    このぞっとするホラー、
    自分こそ自然界の王と思いこんでいる人間にはちょっとショックだろう。

    主人公が「敵」と戦うシーンは、ものすごく迫力ある筆力で息つく間もなく、
    その世界へ引きずり込まれた。
    まるで、映画のワンシーンを観ているよう気分だった。

    そういえば、同じ作者の
    『さよならドビュッシー』の演奏場面もこんな感じだった。
    この作者は、作品の一番の盛り上がりシーンをうまく捉え、
    読者をひきつける文章のかける人なんだなと思う。
    この素晴らしい筆力、見習いたい!

  • 東野圭吾に、似た挿話があったかも…。
    死ななくてもいいと思う人が××
    これは死ぬだろと思ったら××
    面白かった。

  • 冒頭からしてエグイです。
    気色悪いものみたさに、一気によんでしまった。
    登場人物もうちょっと書き込んでほしかったです。
    さよならドビュッシーの作者さんですが、こんなのもあるんだ。次、カエル男でも読んで見よっと。

  • つかみはOK。基本ミステリーなんだろうけど、以外?な犯人は途中ですぐに分かってしまう。以降はアクション主体。ちょっとご都合主義的な部分も目につきますが、そこは我慢。結構楽しめました。でも、最後なんの救いもないのが、どうなんでしょうか?
    続編?があるんですね。読んでみたいです。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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