- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344041929
感想・レビュー・書評
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お母さん色の強い物語になってしまったならどうしよう…と不安に思う始まりだったけど、子の話はそこまで出てこず、これまで通り鳩子さんの物語だった点に安心した。
合間合間に登場するお手紙が相変わらずの素敵具合でうれしい。
あとは、鎌倉が舞台なのがやっぱりとてもよい。
ああ、そうそう、鎌倉ってそういう感じだよね とか、色々思いながら読めて楽しい。
登場した中で、わたしが特に好きなのは、鎌倉高校前から見る海。
駅から見る海もキレイだけど、歩道から見る海も格別なんだよね。
また見に行こう。そして珊瑚礁食べたい。
手紙の内容もどれもよかったんだけど、亡くなるお母さんからの手紙が好きだった。
なぜかというと、わたしの名前も『楓』だから。
『木のように地に足をつけて、風のように軽やかに生きてほしい、そんな願いを込めた名前』
わたしに向けられた言葉ではないけど、心が温かくなった。
あ、あと、QPちゃん反抗期かあ〜しかもクセ強め〜と思ったけど、すごく理解できる理由だった…ぽっぽちゃんが生んだわけじゃないけど、QPちゃんにとってお母さんはぽっぽちゃんなんだなあ。ジーンときた。
これからも仲良く過ごしてほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ツバキ文具店」シリーズ
鎌倉という街や登場人物ににおとぎ話のような世界観を持たせながらも、
人間味あふれる内容がバランスよい。
今作品は少し人間味に重きを置いた点も、今までの登場人物が身近に感じてよかった -
久しぶりにポッポちゃん、QPちゃんに会えて嬉しい。
やっぱりいいなぁ。このシリーズ大好き♪
「反抗期のQPちゃん」「亡き祖母の秘めた恋」と気になるワードがたくさんの本作!
ラストは温かさに満ち溢れていてじんわりと幸せな気持ちになりました。
QPちゃんは反抗期と言ってもやっぱり可愛い。
大きくなったなぁ。
大島での母娘の会話に「あ、これ私も娘に言われたことある!」ってシーンがありました。
ツバキ文具店シリーズに漂う、優しくゆったりとし雰囲気が心地いい。シリーズを読むたびに鎌倉の町を散策したくなります。
それに毎度見事な代書に感動!
やっぱり手書きの手紙は温もりがあっていいものですね。
男爵にマダムカルピス、バーバラ婦人と懐かしい面々に心が弾む。そして新たな登場人物も、これまた個性的で魅力的。
久しぶりに会うバーバラ婦人は、やっぱり流石で素敵でした!
ラストのポッポちゃんの想いは、子どもを想う親の気持ちそのもの。
幸せな読後感にとても満たされた気分。
次作はポッポちゃんの子ども、小梅ちゃんと蓮太朗くんの話が読みたいなー。
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鎌倉にある代書屋さんが主人公の話。そういう店が本当にあるのかと思えてくる。素敵な話ばかりだ。手書きの何種類もの手紙が素晴らしい。私も何か頼みたい。
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この本はシリーズ3冊目なので、この本から読まないでほしい一冊。1冊目のツバキ文具店から読んでくださいね。なぜなら、過去からの登場人物がバンバンでて、代書屋の説明や先代との関係性なども読者が知っているていで進むからです。そして、「ツバキ」という言葉にこんなに深い意味があったとは・・!
■代書屋って本当にすごい
義母の料理に髪の毛が入っていることを伝えるって・・。まず、代書屋に頼もうという発想がすごい。相場はわかりませんがお金をだして伝えようと思う方がいるんですね。でも、完成した手紙はまったく角がなく、驚きました。こうやって冷静に伝えられる方法って存在するんですね。
また、また認知症の小森さんにはどんな手紙を定期的に送っているのか気になりました。毎回1通目と同じ手紙なのだろうか?
茜さんの娘への手紙は大変温かい内容で、涙が出ました。また、字体で伝わり方が全然違うのにも驚きました。でも、わたしが茜さんだったら、実際はもう書けないのに自分が書いた風の字体より、元気だったときのような字で書かれた方を選ぶのではとも思いました。
■それでも、あの世で出会えたであろうか。
他の方も少しひっかかるところがあるこのシリーズ笑。 わたしも、パンティーっていうあだ名はどうかと思う派です。今回は、先代の若いときの恋が結構ポイントですが、相手に家庭があった以上、いくら相性がよすぎたといっても、問題なく本妻がいた以上、あの世でも会えないと思います。先代にも旦那さんがいたわけだし。それなのに、手紙供養後に「会えているといいですね」というのはひっかかりました。
■バーバラ婦人
今回はちょこっとだけの登場でしたが、いい味出してましたね~!お隣さんバーバラ婦人に戻らないかな笑 ポッポちゃんが迷ったときにあの明るい雰囲気でぱーっとやってくれると、とても爽快で好きですね。 -
伊豆大島には行ったことがあり、とても好きな島の一つなので親しみやすかった。最後のQPちゃんとのお話、そして手紙が好き。また何年後かに続きが読みたいな。
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初めて読んだ「ツバキ文具店」の印象がとてもよくて、さらに主人公鳩子を多部未華子さんが演じられたNHKの同名ドラマも好きだったので、このシリーズは読むことにしています。
今回はQPちゃんの母親としてだけでなく、自分自身も出産を経験した鳩子が、先代の秘めた恋心を綴った手紙や葉書に触れ、改めて先代の心のうちを理解したり、代書の仕事を再開したことで、過去とこれからを見つめ直す、さらに成熟期に入った様子を読むことができます。
私も母親業をこなしましたが、血のつながった子でさえ、難しいのに血縁のない子の母親になった鳩子が、反抗期のQPちゃんに悩む姿も読みながら胸が痛みました。
このシリーズのいいところは、誰も傷つけることなく、幸せを掴んでいくところに、ホッとすることにあります。
今後このシリーズが続くのか、わかりませんが、きっと代書屋として、舞い込んでくる注文に人間性を問われるのだろうなと推測します。 -
主人公で代筆屋である鳩子が結婚して数年が経過した日々の話。
家族は旦那とその連れ子QPちゃんに加えて2人の子供がいるにぎやかな家庭を築いていた。
幸福な日々であるものの育児に忙殺されて、代筆業は休業していたが、下の子供二人が小学校に上がるタイミングで代筆業を再開するというタイミングのお話。
今回も様々な依頼が舞い込む。
が、前作に比べて厄介で困った役回りになるものが多い。
そして家庭でも中学3年生のQPちゃんは反抗期真っ盛りであり、案外平穏な日々は少ない。
と、前作までと比べてキラキラした要素は少ないものの、私のような30代の読者からするると、人生ホントに浮き沈みがあるし、色々あるからなあと共感できるポイントが多くて良かった。
主人公の波乱で困ったことの多い日々の中でも、ちょっとした癒しを見つけることや、大切な人を大切にする事、厄介なことをだれも傷付けずに華麗に収める姿を見て心癒される本でした。