- Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344426313
感想・レビュー・書評
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読み始めてから気づいたけど再読でした…あるある…。でもほっこりと面白いお話なのでまた読めて良かった。6篇の物語に出てくる登場人物や出来事が時間を超えてちょっとずつリンクしてるタイプの物語です、好き。「こちらがどなたの娘さんかご存知で喋っていらっしゃるんですか?」、死ぬまでに一度言ってみたい言葉!
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これまでに読んだ伊坂さんの作品に出てくる登場人物に似た要素をもつ、ユニークな人が今回も出ていて、面白い作品でした。
話の各所で過去に戻ったり現在に戻ったりとで着いて行けなかったところがあったのですが、全てのお話はこの小さな世界の中で完結されていました。 -
「結局、出会いってそういうものかなあ、って今、思ったんだ」
「その時は何だか分からなくて、ただの風かなあ、と思ってたんだけど、後になって、わかるもの」
そんな風に考えたことなかったなぁ。
でも劇的な出会いよりも意外とピンとくる。 -
現在と19年前とが交錯する連作短編集。
それぞれの時代の登場人物が錯綜するため、人物一覧表を作りながら読めば、スッキリしたかも。
お客からのクレームの際とか、文句をつける男に対する時とかに、「あの、こちらの方がどなたの娘さんかご存じの上で、そういう風に言ってらっしゃるんですか?」と、やさしく恫喝?する場面があるが、そんなケースにこれ使えそう(笑)。
相手がこの本を読んでいた場合は、効かないだろうけど。 -
登場人物がそれぞれの話で絡んでいく連続短編集
そこそこ面白かったが、「アヒルと鴨…」「オーデュポンの祈り」ほどのインパクトはなかった。 -
伊坂さんらしい、優しい連作短編集。
こんな奇跡みたいな、魔法みたいなこと起きたらいいな、そう思って一人でニマニマする幸せな時間。
伊坂さんは恋愛小説は苦手と言ってるらしいけど、冒頭からの「アイネクライネ」「ライトヘビー」はどちらもあぁ、こんな出会いしてみたいなぁ、と夢見たくなる珠玉の恋愛短編小説作品。
最後の「ナハトムジーク」の終盤ではちょっとウルっと来てしまった。 -
久々の伊坂さん。たまたま映画館で「トイストーリー4」が間も無く公開かぁ〜と思った日に読んだのでちょっとブルっときました。出会いは待っていてはダメだそうです(笑)。
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2019/04/07読了
伊坂作品特有の、短編の一つ一つが何層にも重なり・・・
っていう作品群。見たことあるなって思う人やエピソードがあちこちに現れるとワクワクするし。
そのうえ、短編一つ一つのエピソードのクオリティがとても高くて、そこに登場人物の「人生」がちゃんと「存在」しているのだから、それらがほかの作品と合わさって深くなっていく。なんて贅沢なのだろうか。
「アイネクライネ」は斉藤和義さんへ向け、そして副題はベリーベリーストロング。なんたるコラボ
小説に出てくる斉藤さんのこともあるし、もっとコアなファンなら別ベクトルの考察ができるのかも。
この小説には悪役がいないのも特殊。その分人生が描かれている。
アイネクライネナハトムジーク 小さな夜の曲
<アイネクライネ>
アンケートの意義を考える。立ち仕事と座り仕事
体制は違っていても、つまりは仕事なんてそういうものなんだってくらいにシンプルに思える。
違う姿勢で同じように会う男女って構図が良い。
<ライトヘビー>
電話でしか会わない、何者なんだろう・・・が
キーキャラとして後程大活躍するなんて。
ちょっとしたラブストーリーのはしりのよう。
<ドクメンタ>
時間の流れを作るのはこの短編になるのか
免許更新の五年ごとに出会う女性がたどる自分の少し先の未来。
予知のような不思議さもあるし、道しるべのようでもあるし。
似たような境遇は、偶然とは少し違う。きっと見落としているだけで、この話はほかの話のキーポイントなのかもしれない。
<ルックスライク>
未来の話になるのか、今と昔を描いているのか
「織田」がどうキーワードになっているかぼんやりつかめてきた。
言い争いをおさめる方法と、親と担任の昔の関係
っていうのと。ひとつの物語としてもとてもスッキリできるお話。
<メイクアップ>
昔を思い出し、かつてのいじめっ子に
結局は「勝つ」のだから、心地よい終わり方だった。
前を向く女性は強いし、ちょっといじわるな気持ちでいるのもある意味チャーミングで良い。
<ナハトムジーク>
ボクシングとそれぞれの物語の場面を回収するかのような
超多重構造。
一人の男の物語でもあり、その彼を取り巻く人と時間のうねりがここにある。
それぞれの小タイトルの主人公がそれぞれ活躍する。
それぞれの人生を描いている小説。
読みごたえがあり、やっぱり伊坂さんの短編は面白い・・! -
伊坂幸太郎にしては珍しく(控えめだけれども)恋愛ものの小説。もはや真骨頂といっても良い、人々の繋がりを時間軸を変えながら見せてくれながら、ほんのりとした奇跡を見せてくれる。こんなことがあったら素敵だな、という話を綺麗に見せてくれる、これはもはや安心感である。
ただこれは自分の問題ではあるのだが、最近伊坂作品を読むと必ず「こんなに小気味好く会話できる人早々いない」と頭のどこかで考えてしまって。本作は歌詞が出てきている分、余計に感じてしまった…昔は純粋に楽しめていたのになぁとちょっと自己嫌悪。