- Amazon.co.jp ・本 (552ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344428027
感想・レビュー・書評
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平凡な日常が変容していく序盤。
トリッキーで、これまでの前提が崩れていく怖さが感じられる中盤。
しかしラストの、とくに犯人の動機の描写の薄さにちょっと物足りなさを覚えた。
なんとなく五十嵐貴久の作品に似たテイストだと感じた。
平均点は越えているが、もっと高みに向かうのではないかと読み進めると、え、この程度でおしまいなの? という感覚。
リーダビリティの高さも共通する。両者とも素晴らしい。
刑事の人物造形にページをさく必要があったのかは疑問だが、中川巡査の成長を別の作品で読みたいと思えた。
ぜんぜん期待していなかった松井玲奈の解説が、想像を超えて的確でしっかりしていたので驚いた。ごめんなさい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いい話ミステリ、ではないけどなんか変に元気になった。
重要な女性ふたりが、やたらにガッツあるからだろうか。よく、あたまのいい犯罪者とかむだに行動力のある迷惑なひとに対して“それだけの頭脳や行動力あったら、なんとでもできただろうになんでそんな”みたいなことをおもうけど、ちょっとそれに近い。すごいガッツなんだけど、なんでそうなっちゃうのって。
でも、根本的なとこがぐらんぐらんな不安定なものの上にどんどんお城を作ってしまうような、元を断つのではなくて目先のしあわせに目が眩むってやり方はなんとなくわかる。共感できる。
刑事ふたりは、あまり魅力的に感じなかった。魅力的である必要もないというか、ほんとうに記号みたいな刑事ならそれもそれでいいんだけどなにかいろいろありそうなかんじはあったので余計に。
これはもしかしたらシリーズなのかな。違う作品で刑事の背景も描かれているのかな。
秦さん。何様。と最初から最後までおもいつづけてた、何様。
途中態度を軟化させるけどそれはべつになにか思い直したりではなくて単に“おれのおめがねにかなった”的な軟化だし。
物語の登場人物で現実にこんなやついたらたまったもんじゃないけど物語の中に居る分にはとても魅力的、というひとがいるけど、それと逆で、現実ならこんなかんじのひとにいちいちひっかかりは感じないし喧嘩腰でもなく、ふつうのおじちゃんてかんじなんだろうけど物語の中でみるとちょっと気が散る何様ぶりではあった。
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全てが最後に綺麗に繋がっていくストーリーは
読書後とても爽快な気持ちになりました。
違う登場人物の視点もみたくなる作品でした! -
マルチ商法に巻き込まれて行く文絵の物語と同時進行で進んで行く殺人事件がどこでどう繋がるのか予想が付かないまま読み進めて行くと、思いがけない文絵の家族の過去が判明したり、又ジェットコースターの様に展開して行く犯人像にまんまと作者に転がされながら終盤まで辿り着きました。
殺人と巨額詐欺、この交錯していた2つの事件がラストでは全てのパズルのピースが収まるべき所に収まりましたが、終盤はやや急展開過ぎた感が残りました。
人間の心の危うさ、脆さが描かれた読み応えのある作品でした。 -
中盤までは面白くスラスラ読めた。
好きな、悪女ジャンルっぽく怪しく惹きつける女が周りを嵌めてゆく。
終盤になると事件の真相解決が駆け足すぎる。過去の登場人物が突然たくさん出てくるけど中途半端。
つまらなくはなかったけど、狐狼の血のようにもっとゾワっとさせて欲しかった。 -
途中までは文絵の状況がしんどくて読み進め辛かったが、後半どんどん気になってしまい一気に読んでしまいました。
意外な展開で面白かった。 -
人の心の弱み入り込んで全てを奪っていく
サングラスの女
自分の欲のためにどれだけ犠牲になったのか…
誤認逮捕のふみえさん
どうなったんだろう
気になる -
これは一気読み。ひきつけられました。