会社は2年で辞めていい (幻冬舎新書 や 3-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344980662

感想・レビュー・書評

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  • 私のお気に入りの経済や投資のスペシャリストである山崎元さんの著作です。
    本著は、働き初めたばかりの20代、転職を考えている30代に入るかどうかの若い人達を対象にしたものです。
    知らずに購入した私には、非常に手厳しいお説教本と化しました。(^o^;)>

    仕事のプランというか自分の価値を高めることに対し、すごく真っ当なことが書いてありますが、著者さんが経験した業界に偏りがあるため、考え方が広く一般的であるかどうかの感じ方は多々あると思います。タイトル通りに2年で会社を辞めることを推奨する内容ではありません。

    仕事という手段を通して自分の存在価値を高めるためには、どう転職していくべきか?その筋道をつける指南書としてはとてもよいと思います。
    できれば、学生のうちに就職前に必ず読んでおくべきだと強くお勧めできます。

    この本は最近発売されたものではないですが、時代を超えても伝え続けることが大事な内容となっているので、これから就職を控えている世代にも役立つ内容だと感じました。

    本書に書かれている内容ではないのですが、『世の中の仕事は2年を目処に入れ替わる』と言われています。
    具体例をいいますと、IT革命がもてはやされたときには、パソコン教室が多くありましたが、今は大分淘汰されているという感じです。2020年頃から現在では、高級パンが流行り、色々なお店が増えましたが、どうなるかなと個人的に観察しています。

    そのような流れがコロナ禍で急に起ったため、大分職種が淘汰されました。
    生活に必要不可欠なエッセンシャルワーカーとそうではないお仕事についている人の落差が激しく起ったことはニュースで身近に感じていることでしょう。

    厳しいことをいいますが、生命維持するための生活に絶対必要か?といわれると、不要なものだと言い切れる業種が痛手を負っています。日本で花形だと思われた職種の人が全く違う職種へ出向するように業務命令されているニュースを見ると、とても気の毒に感じます。(ちなみに、日本で花形の職種が、海外では低評価の場合もあるので、世界で活躍できると思って就職する場合はよく調べましょう。また逆もしかりですが、私もびっくりしたことがあるので、本当によく調べましょう!(私は反省しかありませんが。。。))

    昭和初期から比べると生活基盤が不安定な令和時代には、個々人が個性として、いくつか違う方向の得意分野を持っていないと生き難いと私個人も感じています。もしくは突飛した何か一つがあるといいですよね。
    また、世の中がどんな方向へ行ったとしても、その生活スタイルに順応することも求められていると感じます。
    なんだかダーウィンの進化論みたいですね。

    人生は常に計画通りには行きません。
    自分だけではなく、天災もあるため、なにが起るかもわかりません。
    その中で、『ある程度コントロールできる部分は頑張るべきだ』という教えを本書の中でも説いており、そのために『若さは武器だ』ということも強く主張していると感じました。

    じゃぁ、歳をとったら駄目なのか?というと、『確実に難易度は上がるけれど、方法がないというわけではない』ですよね。そうはいっても、大変は大変です。
    勉強するにも頭に入り難いし、いままで培ってきた古い経験が悪い方へ邪魔することもあります。
    勇気を出して進むべき場面で、慎重になりがちです。

    逆を言えば、培ってきた経験を良い方向へ生かし、勇気を出して進めばよい!ということになります。ドヤァ。
    私は本書を読んで凄く落ち込んだので(笑)、どうにか頑張って行きたいと思い、自分を鼓舞して行きたいと思います。

  • 投資関係で著名な山崎元氏によるキャリア指南書。
    山崎氏は12回転職しており、結果として年収アップとスキルアップを経験できている。
    その転職の考え方などに関して示されている。

    山崎氏の本は投資関係では結構読んでいたがキャリアの進めに関する本は始めて、いかが参考になったポイント

     日本における収入階層は「エクイティ階級(資本家)」「ボーナス階級(ボーナスが非常に大きいスペシャリスト的な職業)」「サラリーマン階級」「フリーター階級」の4つ
     収入にかかわる要素は「リスク」と「代替性のない仕事をしている(需給的な要因)」こと
     会社は個人の面倒を見れるほどの能力はなく、数十年先のことなどほとんどわからない
     2年は会社の先を何とか見ることができ、個人の能力アップということから考えても程よい期間
     転職先とは自分を買ってくれる取引先の変更
     転職時に重要になる考え方は「顧客」「スキル」「企業から見た取り換えの容易さ」「個人からみた職場の確保のしやすさ」
     収入に関して大事なのは「収入とは自分の仕事への評価なのでおおきに関心を持つこと」「他人と比べないこと」
     一般的に年齢と人材価値が連動すると思われるので年を取ること自体がリスクでもある
     若いときは目先の収入や会社のランクよりも仕事内容できめたほうがいい

    投資関係の本同様、転職に関しても非常に理論的なので投資関係の本をよんで彼の文章に好感をもてるなら読んで損はないと思う。

    本書でも年長者がいいがちな「石の上にも3年」のような精神論は一切なく、非常に転職というものを合理的にとらえているし、石の上にも3年の代わりに「時は金なり」と言っている点も非常にクレバー。彼自身が12回転職しているのでこういった考え方を好意的に見るバイアスもあるが・・・

    スキルアップやキャリアの方向性を大まかに考えるにはいいと思うが、転職12回は一般的には多すぎだろう。またスキルなどが目に見える仕事でないと彼のように転職し、かつ給与を上げていくのは難しい。彼はキャリアコンサルのプロではなく、あくまで自分の経験談を話しているに過ぎない点も注意しておきたい。

  • 金融アナリストとして有名な著者が、自身の過去の点職歴を踏まえて、会社にとどまる必要はなく、どんどん転職することの必要性を説いた一冊。

    著者の経験に基づいているので、内容が証券などの金融業に偏ってるのは仕方ないとしても、いわゆる「できる人」を前提としてる。
    参考になる点は多々あるのだが、「できない人」もちろん、大半を占める「普通の人」にとっても中々敷居が高いと感じた。

  • 大胆で切れ味のあるタイトルだが、名前負けしない説得力を持って書かれている。著者の考えが押し付けがましくないのがいいし、一般論と経験談を程よいバランスで交えている。客観的で冷静な人なのだと思う。ゆえにていねいで、納得できる。

  • どのようにしてキャリアを構築していけばいいのか、大変参考になる本でした!

  • 流し読み。良著。
    お金稼ぎに寄りすぎず、自分の充実感と現実的なライフプランを形成するための内容。
    手が届きそうな、自分でも頑張れば実現できそうな感じで読みやすかった。
    現実には著者が計画性のあるデキる人だであり、凡人には難しいとは思うが、自分もできるのでは…なんて勘違いしそうなので見極めのできる若い人向けの内容かなー。

  • 会社をアテニせず、しかし、会社から離れもせず、自由度の高い現実的なキャリアプランについて、山崎氏、かく語りき。
    若い方には、必読(?)、中高年にも、とても参考になる内容であります。

  • 転職を10回以上経験している著者による一冊。
    個人的には総論で賛成だし、各論でも同意できるところは多いのだけど、これを真に受けてしまうような人にはこの人の論理は通用しないのではないかという懸念がある。
    逆に言うとこの人くらいの専門性を身につけられる人であれば、何度転職したって価値を失うことはないし、回数に左右されるものでもないってこと。
    それをわかっていないでこの本に励まされてしまう人が出てしまうことが若干懸念ではあります。

  • <再読後レビュー>
    自分が実際に転職をしてみて、そして失敗してみてから、改めて読んでみた。
    今の理解として、
    ・3回に1回は失敗するものと割り切る。短い採用面接では、互いに本質的な人柄や仕事の子細までは読みきれない。
    ・転職は色々とコストがかかることなので、しないにこしたことはない。が、意図せずせざるを得ないこともあるので、備えをしておくことは必要
    ・失敗のいくらかは、油断・過信・焦り(確約を取らずに退職を宣言するとか、新しい職場で力みすぎるとか)に起因していて、慎重な行動と入念なリサーチ・確認である程度防ぐことができる

    油断・過信・焦りのあった僕は、見事に失敗してしまい、早々に元いた会社に出戻りするのでした。。。
    良い関係性で退職できたことと、出戻りOKなカルチャーだったことが救い。

    <過去レビュー>
    安易に転職を煽る本でも、我慢しろという本でもなく、良い内容だった。
    2年でその会社のことは大体分かる、分かるような努力をせねばならない。

    転職で成功するには、顧客を持っているか、売りとなるスキルを持っているか、これは1つの会社でキャリアを積む上でも重要。
    ⇒正直耳が痛い。冷静に自分を見つめた場合、社外から評価されるようなものを果たして持っているのだろうか?また他人と差別化するための努力をしているだろうか?自分の仕事に関する論文を読む、寄稿する、等々

    本書にあるように、会社は結局個人の人生を支えることは不可能だし、その必要もないわけで、そう考えると自分の価値って何なの?てのは考えるのは重要。

    面白かった推察として、業種による報酬の差(金融とメーカーとか)
    単純に需要と供給で決まっているのでは?と思ったのだが、実際調べるとそれだけでは説明がつかないらしい。
    で、著者の考えとしては、「お金に対する立地条件」と「会社に対する交渉力」ではないかと言う。

    前者は、利益にどれだけ近いか?同じような頭脳労働でも、金融とエンジニアではそれが異なるのではないか。
    後者は、汎用的かどうか?金融であれば、他社でも同じように働けるが、特定分野の研究者を他社が欲しがるかは分からない。

    お金に関して言うと、会社の業績とか個人の努力とは別に、外部環境が重要ってことかな。

  • 前回、山崎元さんの「お金の運用術」が印象良かったのでもう一冊読んでみました。

    結論としては、自分の現在の立場が社会人経験1年ちょっととこの書籍の想定読書層にマッチしていたので、かなり学びの多い内容でした。

    頭に残るほど印象的だったのが、「お金」「時間」「自由」の何をとるかという話のパートでした。
    自由というのが、お金、時間とダブリになると思うのですが、何かを捨て何を取るかの参考になりました。

    自分自身、「人、お金、時間、場所、モノ」などにあまり縛られたくない人間なので、何かを取り、何を捨てるのか、改めて限られた人生の時間がある中、集中と選択が必要か考えさせてられました。

著者プロフィール

経済評論家、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業、三菱商事入社。その後、野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、UFJ総合研究所など12回の転職を経て現職。雑誌、ウェブサイトの連載やテレビ出演多数。『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社刊・共著)、『マンガでわかる シンプルで正しいお金の増やし方』(講談社刊・共著)など著書多数。


「2022年 『マンガでわかる 世界でただひとつの株式投資入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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