陽気なギャングは三つ数えろ (ノン・ノベル)

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 4619
感想 : 545
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396210267

感想・レビュー・書評

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  • したがう【従う・随う】
    ③他のものの変化に伴って変化する。他のものに対応する。「シリーズを重ねるにー・って書くのが大変になる」(p.147)

    そうですよね、と思わず頷いてしまった。シリーズ物は読者にとって楽しみなもの。一方、作家の方にとっては読者の期待値も高く、きっととても大変ですよね。

    でもこの作品は期待を裏切らない。ギャングメンバーの魅力はそのままに、前作とは異なる新たなトラブルに巻き込まれる姿が描かれている。冒頭は響野さんの演説から始まり読者の心を掴んで離さないが、終盤にきて決め台詞を言おうとするも、言わせてもらえない辺りについニヤリとしてしまう。雪子さんの華麗なドライビングテクニックと正確な時間感覚も健在で、息子さんの成長も感じられる。久遠君の動物愛もしっかり描かれており、パンダやハシビロコウ・亀だけでなくマダラヒメグモやカカトアルキに至るまで、動物に関する知識に舌を巻く。成瀬さんは嘘を見破り、前作と変わらないキレ者っぷりで、様々な場面で機転を利かせて窮地を脱する。火尻さんがねっとりとまとわりついてくる上に、火尻さん優位のターンが終盤まで続くので、なんとかなるはず、と分かっていてもハラハラさせられる。最後の伏線回収に安定感があり、ルービックキューブの完全一面のような気持ちよさがある。この読後感がたまらない。大変に違いないが、いつかまたこのワクワク感を味わえたらなと思わずにいられない。


    きたい【期待】
    あることが実現するだろうと望みをかけて待ち受けること。当てにして心待ちにすること。「大好きなシリーズの新作が出るのをーしながら待つ。」

  • 面白かったです。
    前巻から2年の月日が経ち、本の中の世界もIT技術が進歩してきて、銀行強盗がしにくくなっていく中で一体どんな展開になるのかと思いきや、まさか銀行強盗は冒頭しか出てこないとは…

    メインとなる悪役「火尻」という雑誌記者は自身の記事で何人もの人を自殺させる悪として描かれており、最終的にはその被害者達によって痛い目を見るという痛快なストーリーとなっている。

    ストーリー各所に伏線が散りばめられており、最後の火尻を追い詰めるシーンでは「あ、あそこのセリフを持ってくるのか…」と感嘆させられた。

    読後感もよいため、オススメできる作品。

  • はー良かった!
    最後はどんでん返しが来るとは分かっていたけれど、ぎりぎりまで追い詰められるもんだから、分かっていてもはらはらしながら読んでしまった。
    しかも火尻さん絵に描いたような嫌な奴だったから余計に。
    あとは大桑さんがいいキャラ。

    無茶な展開もあったけれどいいんです、面白かったから。

  • 今回は最後まで気を許せない内容で、ハラハラ、ドキドキさせられ、どうなることかと思いつつ、きっとなんとかなると信じて読み切りました。取り敢えず、現在のシリーズ最後だったようなので、あるかどうか分かりませんが、次作までは、愛しきギャング達とも、しばしのお別れとなってしまい、寂しい限りです。

  • 伊坂幸太郎では、特にこの陽気なギャングシリーズが好き。

  • 会話のテンポがやはり最高
    強盗なのに正統派(?)

    頭の冴えてる成瀬が素敵
    動物にやたら詳しい久遠も良い味出してる
    響野も言うこと言うことぶっとんでる

    今回はスキャンダル大好き記者が相手
    楽しかった〜!!

  • ---- 内容紹介 ----
    絶体絶命のカウントダウン!
    史上最強の天才強盗4人組に強敵あらわる!
    嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女――
    陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、消えたアイドル宝島沙耶を追う火尻を、暴漢から救う。だが彼は、事件被害者のプライバシーをもネタにするハイエナ記者だった。正体に気づかれたギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は断崖に追いつめられた! 必死に火尻の急所を探る四人組に、やがて絶体絶命のカウントダウンが! 人気シリーズ、九年ぶりの最新作!

    最低な人間"火尻"をこちらのスカッとするような方法でギャフンと言わせてくれてスッキリしました。
    でもあまりにもいろいろうまくいきすぎてて緊迫感がイマイチでちょっと物足りなかったかな。

  • 噛み付く犬は絶対この後出てくるやろうな、いつでるかな、いつかな、と思っているうちにあっという間に読了。おしゃべり響野に動物愛護久遠が特にすき。記者やアイドルなど、出てくるキャラがガソリン生活に似てたかな?

  • 最後はスカッとさせてくれるのはわかってるんやけど、びびりやから個人的にハラハラドキドキ系があんまり得意じゃなくて、読み進めるのに時間かかったぁー
    でもさすがのエンタメ感!
    久しぶりの4人組に、そうそうこれこれって嬉しくなった。

  • 「皆さんのお時間4分いただきます!」で始まる、陽気な(赤)ギャング。いつもながらに成瀬、響野、雪子、久遠の名強盗が大暴れする。今回は、4人の強盗行為が嫌らしい記者火尻にバレる。火尻はもちろん4人を強請り、自分の借金返済することを条件に強盗行為を許すことを伝える。今回は久遠の動物好きが功を奏し、4人の取った行動は意外にも「亀」、うふふっ。オカピの模様の逆バージョンはクアッガであることやオカピは胃が4つあることを知る久遠のマニア炸裂。また、峰不二子と被る雪子さん、今回も颯爽と車を走らせる。次作も期待。

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著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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