泣いたらアカンで通天閣

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396633899

感想・レビュー・書評

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  • 通天閣近くに住んでるの人は
    通天閣にのぼるものなんだろうか。。。
    観光地は、地元の人はあんまり行かないというのは
    よく聞く話だ。
    私も、異人館には遊びに行ったりしない。

    主人公の千子ちゃんは、泣きたい時に通天閣にのぼる。
    知ってる人に会わないから・・
    なるほど、
    地元の人は通天閣にはそうのぼらないものなのだな。

    「じゃりんこチエ」が大きくなったようなお話だった。
    テツのようなゲンコとチエちゃんのようなセンコ。
    あったか人情話で、面白い。
    それって、相当なたいへんなことよ、と思うことも
    文字通り笑い飛ばす。
    あつかましくて、うっとおしくて、やかましい。
    大阪の元気は、
    このめんどくさい、あっつい優しさに支えられている。
    そういう感じ?

    鳥さんのスープは美味しそう。

    鳥さんにあめちゃん、
    敬称をつける関西弁は大好きだ。
    以前、マナー講師が「関西は芋にまで「お」をつける」とい指摘したことがあった。
    同僚がすかさず「おいもと違います、おいもさんです。」と言ってくれて
    ちょっと嬉しかった。

  • ふつふつと込み上げてくる笑いと、胸に広がる温かさ。

    ロクデナシを絵に描いたような父親も、鬱陶しいくらいお節介なご近所さんも、騒々しいけど人情に溢れた大阪も、全てが愛しくなる物語。

    センコの父親・ゲンコも、娘としては大変だろうけど、見ている側としては何とも憎めない駄目親父っぷり。精神年齢がまさに小学生で、その低レベルな言動に笑ってしまう。
    彼を含めご近所さんと交わされる大阪弁のテンポの良い会話は、ボケとツッコミの具合が絶妙で面白い。

    「深刻ぶるのが似合わん町だ。よく知った顔とその日暮らしの人々がひしめき合って、九八パーセントくらいがうさん臭さで構成されている。残りの二パーセント程度がたぶん、温かさや懐かしさといった、なんだかちょっとよいものだ。」

  • 心があったかーくなりました。

  • 久しぶりに本を読んで泣いた。
    人情ってええなー。

  • 4月「なんばグランド花月」リニューアルオープンで新喜劇を観て、通天閣にのぼり、たこ焼き・串カツ食べて大阪の町を堪能しました。
    その熱が冷める間もなく本屋さんで発見。
    グッドタイミングな中、このお話も堪能できました。
    「吉本」で芝居してくれないかなぁ。

  • 坂井希久子、初めての作家さんです。
    1977年生まれなのだそうです。
    女性の作家さんが生まれ年をプロフィールに載せていることはあんまし無いので、どちらかというと私は好感を持ちました。えぇーと、35歳かぁ。さあ、これからでっせぇ!という年齢かな。

    ええと、いつも始めての作家さんの作品を衝動的に読んでわ後悔をしているのですが、今回はそうでもなくて結構面白かったです。
    大阪の新世界界隈を舞台にした人情テレビドラマが一本できそうです。
    放送局はTV大阪かな。決してNHKではないと思えるところがこの小説です。(なんで新世界なんて名前なのかもこの本読むとちょと解かります)

    まあ、だまされた思うて読んでみなはれ。保障は出来まへんけんどね♪

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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