スーツケースの半分は

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 1630
感想 : 249
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634810

感想・レビュー・書評

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  • 旅のお供。飛行機の中で読みました。
    とても好き。どの話にも、そしてどの登場人物にも、少しずつ共感し、感情を投影しながら読んだ。

    真美の、旦那さんに遠慮する気持ち。それと同時に少し不自由な気持ち。
    花恵の、高級ホテルが好きで、大事に扱われたがっているところ。
    ゆり香の、あまのじゃくなところ。あと男性を立てないところ。笑
    悠子の、パリに恋しているところと、仕事をがむしゃらに頑張ってるところ。

    この4人以外のお話もあるけど、いずれもスーツケースを通じた縁があり、しかもその縁が繋がる瞬間、人知れずお互いの心が動いている。読者だけが知るそのちょっとした奇跡がとても愛おしい。

    優美の言った通り、「形見とはいっても殆ど本人が使わなかったもの」には変わりなかったけれど、加奈江はきっと入院生活の傍にこのスーツケースを置いていただろうし、このスーツケースを見る度に、きっと、人生のある時期にたまたま通り過ぎていった青年のことを思い出しては微笑んでいたのだろう。
    真美がこのスーツケースと出会った時に、「大切に使われているのか、それともほとんど使われていないのか。」と心の中で言っていたが、それはどちらも正しかったのかもしれない。

    それと、ハッとさせられたところがあって…
    やりたいことに対して、やらない/出来ない理由を見つけて諦めないこと。
    それは自分の人生を生きてないことだから。ただ死なないように生きているだけだ。
    差し当たり、私も今度、真美のように、花恵のように、旦那さんを置いて一人で高級宿に泊まりに行こう。

  • 海外旅行に行きたくなった

    現地のお店で現地のものを食べる
    良いホテルに泊まってても、ホテルの中華やフレンチなんて興味ないし食べたくない!
    めっちゃわかる!!!
    ニューヨークもパリも香港も行きたいなー

  • こんなご時世に読んでしまいましたが面白かったです。
    旅に出たい、世の中落ち着いたら…って思いました。期待せず、希望は持ちます。
    旅先では苦いこともあるけれど、最終的に皆さん前向きになったり幸せになったりするので嬉しくなりました。
    近藤さんの連作短編集は苦くても、希望は描かれるのでモヤモヤが残ることなく心が疲れていても安心して読めます。わくわくしている描写もあるのも、ご飯が美味しそうなのも好きです。
    スーツケースどころかキャリーバッグも持ってないですが、綺麗な空色のスーツケースを持って旅に出たいなぁ。

  • フリーマーケットで青いスーツケースを買った女性、そのスーツケースを借りた友人、彼女たちが旅先で出会った人、そして巡り巡って最初の持ち主の元へ。
    彼女たちの悩みや葛藤は、年代の違う私も過去に経験したもの、今まさに感じているもの、そしてこれから向き合うことになるかもしれないもので、彼女たち心の呟きには私の心に刺さるものがありました。時にグサッと深く、時にチクッと微かに。
    彼女たちは旅先で人生を変えるような体験をします。それは劇的な体験であったり、少し心持ちが変わるだけの小さな体験だったり。彼女たちに前を向く勇気を与えた青いスーツケースは「幸運のスーツケース」と呼ばれるようになります。
    私も最近は忙しさや経済的なことを言い訳に、旅行を含め、日常から抜け出すような体験をしていないことに気がつきました。この本を読んで、旅に出たくなりました。

  • 海外に憧れがある人、海外旅行好きにオススメの本

    退職後に〇〇しようとか言ってると実際、退職後体力がなくて行きたい場所に行けなかったり、やりたいことが出来なくなってしまうことを考えさせられた

    今しかできないことをするって大事

  • 青いスーツケースにまつわる旅行短編集。章が始まる度に、次は誰の話しかなぁ〜っとワクワクしながら読み進めていった。
    お気に入りのスーツケースと共に旅行に行きたくなる1冊♪

  • 青いスーツケースと女性たちの物語。うまく繋がっているなぁとは思うけど、読んだ後、記憶に残らない。なぜ?

  • 青いスーツケースと旅する女性達の短編集。皆、様々な悩みがありながら旅を通じて答えを見つけていく話。読みやすい反面、ややあっさりな感。

  • 友達同士の貸し借りから元の持ち主へ、そして買った人の話へ。言い値で3000円。色んなタイプの人生に触れられる本。

  • 革製のスーツケース重そうだが。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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