スーツケースの半分は

著者 :
  • 祥伝社
3.81
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  • Amazon.co.jp ・本 (260ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634810

感想・レビュー・書評

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  • ひとつの青いスーツケースが繋ぐ連作短編集。30を目前とした女性たちという主人公の選択が絶妙だと思いました。私はその頃、彼女たちの誰とも違う状況にいたけれどやっぱりいろいろ考えていたことを思い出しました。彼女たちはスーツケースとの旅に背中を押され、心を軽くし決意を新たにしていきます。彼女たちとの旅を終えたスーツケースのその後の流れもとても素敵です。読後までとても爽やかでした。で、こんな素敵な話なのにずっと気になってたのが、こんな青い革のスーツケース、いったいいくらするの!という下世話な事…ごめんなさいっ!

  • 自分の行きたいところに、
    気の向くままに、
    一人でどこか行ってみようか。

  • 旅の仕方は色々、人生も色々

  • なかなか雰囲気悪くない 
    それぞれ多様な問題を抱えた女性達が主で、スーツケースを通じて人生に新しい進展を手に入れたりする
    所々女作者らしさを感じる、それが良いか悪いかはさておき

  • 2019/01/04読了


    帯の、「あなたの旅に幸多かれ」含め
    表紙もすべて楽しく美しく。そして内容も楽しくて
    素晴らしい本でした。
    旅に対して、人生に対して、様々な考え方と行動の仕方がある。
    理想を挙げていてもできないこと
    旅に非日常を求めすぎて、かえって日常を思い返してしまうこと
    親子、恋人、仕事、自分を見直すイベントであること。
    「旅」について考えること。
    そこに「幸運のスーツケース」というラッキーアイテムが登場する。


    登場人物の「幸せ」の在り方やとらえ方も様々でおもしろい。
    物言わぬスーツケースだけど、それは海を渡り、人生を渡り
    人の手から手へと渡り、まさに「人生」であり「旅」である。
    相棒、旅人、いろんな解釈もできよう


    いくつもの短編のすべてが連なっているのが、更に素敵な物語へと
    一連の「スーツケースの人生」としても成り立っていることにも注目。


    何かを始めようとする気概はあっても
    動き出せない人へおすすめしたい。
    素晴らしい短編です。さくっと読めるのでなおのことオススメ。

  • フリマで青いスーツケースを買った真美。
    そのスーツケースを借りて香港に旅した花恵。
    恋人とアブダビに旅したゆり香。
    仕事でパリを訪れた悠子。
    パリで暮らしていた栞。
    青いスーツケースを売っていた優美と、ドイツ留学を希望する娘春菜。
    ドイツで生活する春菜とそこを訪ねる優美。
    ゆり香・悠子・花恵の和歌山旅行。
    生前のスーツケースの持ち主加奈子と、その家でバイトする和司。

    どの話も温かくて楽しめた。
    少しずつリンクしているのも良かった。

  • わくわくさせてくれるような青いスーツケースの装丁に違わず、読後感のよい作品でした。連作短編で何人かが登場しますが、自分を重ねたり、私が気づいていなかった気持ちを描いていたり、親近感を覚えます。近藤さんの難解な表現なく、柔らに人物や心情を描く筆致も素敵で、でもしっかり痛い部分を突いてくるところは女性作家らしさを感じます。「三泊四日のシンデレラ」が一番好きでした。自分に自信が持てず、愉しんだり、少しばかりの贅沢に罪悪感を感じる花恵が、自分を大切にすることに気づき、いい人に出会えて良かった!

  • もう一回読みたいなと思う。
    旅に想いを込めたくなる。
    最初の人の過去の話はちょっと、無い方が私はよかった。
    そこでその話さらっと書かれるの、なんとなくやだった。

  • なんかすごく好き。
    最後まで見たあとで、またもう一度読み返してみたい。

  • アラサー友だちがそれぞれに旅行に行って「いいこと」があるお話。面白かった。よく考えたら、あまりいい男がでてきてないな、この話(笑)。花恵ちゃんの彼氏ぐらいだわー。他の話で、そのこの他の面が見られたりして面白かった。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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