家康、江戸を建てる

著者 :
  • 祥伝社
3.84
  • (119)
  • (248)
  • (145)
  • (14)
  • (11)
本棚登録 : 1507
感想 : 203
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634865

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 江戸のプロジェクトX

  • 家康は戦下手だが、街づくりの能力があった。
    だから戦国の世は、彼には不向きだった。

    そんな推測をしていたところに、この本に出会い
    読んでみて、それが正しかったとの意を強めることが
    出来た。

    これからも家康の街づくりの能力をもっと
    知ってみたい。
    そんな本を探していきたい。

  • 【Entertainment】家康、江戸を建てる/門井慶喜/201608245(105/531)<400/51681><R>
    <きっかけ>
    ・日経書評

    <感想>
    ・歴史の教科書だと「1603年江戸幕府設立」、と受験に向けて暗記すべきたった一行にすぎないのだが、そこには、ちっぽけな漁村にすぎなかった荒涼とした武蔵の地に、単に江戸城を建設するだけではなく(石垣や天守の話があるように築城だけでも大変だが)、川の氾濫を防ぐための利根川の流れを変える大難工事や飲料水の確保等、江戸という大都市をつくる壮大なインフラ事業に加えて、当時最高品質の流通貨幣を鋳造するという社会システムを構築するという途方もない話なのだと認識した。
    ・それをやってのけたのは、歴史の教科書上では家康・秀忠なのであろうが、実際彼らを支え、実務を行ったのは、家康の重臣よりさらに下層の名前を聞いたことのない余多の幕府役人や職人であり、彼らのスポットを当てたストーリーの展開は秀逸。おかげで、江戸という大都市を建てていくということが、リアルにイメージ出来きた。
    ・それ故に、「江戸城」を建てる、ではなく、「江戸を建てる」という本のタイトルは言い当てて妙。今ある東京という都市は、家康が建てた街ということを痛感。遅ればせながら、「水道橋」の由来をはじめて知った。
    ・読むにつれ、流石にこの年で大それたことを望むべくもないが、後世に出版されるこの種の本で語り継がれる程度のシゴトに携わったり、名を残せることができればなと自分自身にあてはめて考えたりもした。
    ・歴史小説は、どこまでがフィクションでどこまでがノンフィクションか分からず、著者の裁量で如何様にでも書けてしまうことができるので、しばらく敬遠していたが、まあそれはそうだと割り切れば案外面白い。
    ・時間的制約等もあろうが、子供達が歴史を学び始めたら、いずれかの一話でいいから是非勧めたい。そして、歴史を苦痛な暗記モノではない面白さに気付いてくれればと思う。
    *<R>は将来子供達へのレコメン本

    <引用>
    なし
    ===qte===
    家康、江戸を建てる 門井慶喜著 大都築いた文官や職人に光
    2016/4/24付日本経済新聞 朝刊

     時は天正18年(1590年)。小田原攻めのさなかの秀吉は家康に対し、関八州を与えると申し出た。戦功のほうびという建前だが、当時の関東は辺境の地だ。国替えで徳川の力をそぐもくろみは明らかで、家康の家臣団は当然猛反対。が、当の家康は「関東には未来(のぞみ)がある」といい、萱(かや)がぼうぼうと生い茂る江戸に足を踏み入れた――。
     湿地が広がるばかりで何もない江戸にやってきたのちの天下人は、いかにしてこの土地に大坂をしのぐ大都を築きあげたのか。本書はそのてんまつを描く歴史小説だ。だが物語の主人公は家康ではない。その命を受け、知恵を絞って困難な事業に挑んだ文官と職人たちの活躍が、軽快な語り口で描かれる。
     利根川の河口を東にずらす治水工事に着手した代官頭の伊奈忠次。上方に対抗する貨幣の鋳造に心血を注いだ金工、橋本庄三郎。並外れて巨大な良石を江戸城の石垣に用いんと情熱を燃やす石切職人の吾平。口には出さぬが己をたのみ、難事に立ち向かう男たち。その姿に共感するサラリーマン読者は多いはずだ。本書は働く人に熱いエールを送る「仕事小説」でもある。
     江戸建設の逸話がちりばめられており、本書を読むと歴史散歩に出たくなる。物語に引きこまれるうち、知的好奇心も満たされるだろう。(祥伝社・1800円)
    ===unqte===

  • こうやって江戸は出来たんだね。
    今やってる大河「真田丸」ともシンクロしていて
    興味深く読めました。

    第155回直木賞候補。結果は・・・「残念」
    第153回時にも「東京帝大叡古教授」で候補となったいたが
    それよりもこちらの作品の方が良いな。
    因みに、153回直木賞は「流」

  • 天下を取った家康が江戸を作っていく話。秀忠とか秀頼とか大河で見てたような人物像、ストーリーが絡んでいて面白かった。何も無かった江戸の地を日本の中心地として基礎を作った家康、すごいの一言。

  • 利根川の流れを変える苦労、貨幣で天下を制する、伊豆から運んだ安山岩で作る石垣、白漆喰の江戸城等皇居東御苑のツアーの背景がよく分かる本であった。江戸の街を建設するのはこんなに大変だったのかと改めて感動した。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/11414

  • 時代小説だけど台詞回しがマンガっぽいから読みやすい! そしてそれ以上にドラマが熱い!
    「金を延べる」が面白かったな〜……男たちのプライドのぶつかりあい。まさにプロジェクトX in江戸!
    表の実力者である豊臣秀吉と、知略を尽くしてひっくり返そうとする徳川家康。この心理戦が面白い!

  • 2023/2/15読了。読後感良かった。

  • ⭐︎3.9
    短編とはいえ、物語が紡ぐ面白さがある。なるほどという、感銘もうけた。

全203件中 111 - 120件を表示

著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

門井慶喜の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×