家康、江戸を建てる

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634865

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  • 「家康、江戸を建てる」門井慶喜著、祥伝社、2016.02.20
    402p ¥1,944 C0093 (2023.12.28読了)(2023.12.15借入)(2016.07.10/12刷)
    NHK大河ドラマ「どうする家康」関連で読む最後の本として、この本を選びました。
    江戸の町、江戸幕府の制度を作った人々の話です。
    「流れを変える」は、利根川の河口を東京湾から鹿島灘の方へ変えてゆく話。
    「金貨を延べる」は、小判および一分金を全国で流通できるものにする話。
    「飲み水を引く」は、江戸の飲み水を井の頭公園から都心まで引いてくる話。
    「石垣を積む」は、江戸城の石垣を伊豆から運び積み上げる話。
    「天守を起こす」は、江戸城に天守閣を造ることに秀忠は反対したが、家康は天守閣を造らせた。明暦の大火で江戸城も全焼し、秀忠の息子である保科正之の主張により天守閣は再建されなかった話。

    【目次】
    第一話 流れを変える
    第二話 金貨を延べる
    第三話 飲み水を引く
    第四話 石垣を積む
    第五話 天守を起こす

    ☆関連図書(既読)
    「どうする家康(一)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2022.12.10
    「どうする家康(二)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.03.20
    「どうする家康(三)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.07.25
    「どうする家康(四)」古沢良太作・木俣冬著、NHK出版、2023.11.20
    「徳川家康の決断」本多隆成著、中公新書、2022.10.25
    「家康(一)自立篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2016.12.20
    「家康(二)不惑篇」安部龍太郎著、幻冬舎、2018.10.25
    「天下 家康伝(上)」火坂雅志著、日本経済新聞出版社、2015.04.24
    「天下 家康伝(下)」火坂雅志著、日本経済新聞出版社、2015.04.24
    「梟の城」司馬遼太郎著、新潮文庫、1965.03.30
    「覇王の家 前編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「覇王の家 後編」司馬遼太郎著、新潮社、1973.10.25
    「司馬遼太郎『覇王の家』」安部龍太郎著、NHK出版、2023.08.01
    「徳川家康」松本清張著、角川文庫、1964.01.20
    「浅井長政の決断」笹沢左保著、角川文庫、1990.10.10
    「鞆ノ津茶会記」井伏鱒二著、福武文庫、1989.01.19
    「銀河鉄道の父」門井慶喜著、講談社、2017.09.12
    (「BOOK」データベースより)amazon
    「北条家の旧領関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めながら、関白・豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、水びたしの低湿地ばかりが広がる土地と、豊饒な現在の所領、駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。愚弄するかのような要求に家臣団が激怒する中、なぜか家康はその国替え要求を受け入れた…。ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!

  • 【第一話 流れを変える】
    伊奈忠次 から4代。利根川の東遷事業。

    【第二話 金貨(きん)を延べる】
    後藤庄三郎光次。
    貨幣戦争については偶然最近「ホンモノのおカネの作り方」を読んでいたので興味深かった。もっと勉強したい。
    貨幣制度の日本統一は徳川家康、と漠然と理解していたつもりだったが、フィクションとはいえとても現実味があって、関ヶ原の戦いの臨場感というか、こう繋がってくるのかぁと感無量でした。
    後藤家が関ヶ原の戦いの際に真田家みたいに兄弟で東西分かれていたのは史実かな?気になる。

    【第三話 飲み水を引く】
    井の頭公園から玉川上水の川を作って都心まで引っ張る事業。大久保藤五郎と内田六次郎という人物。
    井の頭公園の近くに“牟礼”という地名に聞き覚えがあったので胸熱でした。
    『枕草子』の「井は、ほりかねの井」などを挙げて"ほりかねの井”なる枕詞がでてきます。
    玉川上水が身近であることや目白山、椿山荘、水道橋などの地名の由来や現在の様子を比べて面白いです。

    【第四話 石垣を積む】
    大久保長安がとっても嫌なやつで驚いた!!
    東京国立近代美術館の「眺めの良い部屋」でみたあの石垣を思い浮かべながら読みました。

    【第五話 天守を起こす】
    凡庸と言われる秀忠の描きようと、天守から常に普請中という江戸の街を眺める家康の目線が良かった
    天守建築の事業でありながら、江戸の街全体の漆喰の壁にまつわる話。これぞまちづくり。


    家康の元でそれぞれ奮闘した人物たちと事業についての独立した話かと思いきや、前話までの内容や人物像を読者に浸透していることを前提とした話運びで、みな江戸を建てるために必要なことだけれでもそれぞれ別事業でありそうなのに、やはり家康を中心に背景が繋がっていることが伝わってくる。

  • 天下を取った家康が江戸を作っていく話。秀忠とか秀頼とか大河で見てたような人物像、ストーリーが絡んでいて面白かった。何も無かった江戸の地を日本の中心地として基礎を作った家康、すごいの一言。

  • 利根川の流れを変える苦労、貨幣で天下を制する、伊豆から運んだ安山岩で作る石垣、白漆喰の江戸城等皇居東御苑のツアーの背景がよく分かる本であった。江戸の街を建設するのはこんなに大変だったのかと改めて感動した。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/11414

  • 時代小説だけど台詞回しがマンガっぽいから読みやすい! そしてそれ以上にドラマが熱い!
    「金を延べる」が面白かったな〜……男たちのプライドのぶつかりあい。まさにプロジェクトX in江戸!
    表の実力者である豊臣秀吉と、知略を尽くしてひっくり返そうとする徳川家康。この心理戦が面白い!

  • 家康の先見の明は何処から生まれたのか、未開拓の地を大都市への変貌を夢見た家康。5つの大きな先手工事をできる人材に即座に抜擢、「天下普請」(幕府の負担を軽減、地方の勢力を減退)の役割を同時期に指導したのはやはり凄い。 江戸幕府崩壊の要因は少なくともこの「天下普請」「参勤交代」が無くなったことで起きたのは間違いない。

  • 2023/2/15読了。読後感良かった。

  • ⭐︎3.9
    短編とはいえ、物語が紡ぐ面白さがある。なるほどという、感銘もうけた。

  • 短編の連作で、表題に沿ってとても読みやすく書かれていました。家康や支えていた側近、職人、二代目の秀忠まで、その人柄が手に取るように解りました。清々しい読後感に満たされました。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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