- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478023648
感想・レビュー・書評
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入門には最適。歴史的観点から経済の流れがよくわかる。
今後の経済学の勉強への勉強の関心が高まる良書だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
入門書としてわかりやすかった。経済、金融関連の勉強をもっとしたい。
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図書館で借りた。結構歴史から入っているので理解はしやすいかも
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株式等の投資に興味があり、投資する際に役立つ知識になることを期待して読んだ。しかし、まだ大した投資をしたことがないので、役立つ知識かは分からない...第一章、二章、五章は役立つと思う。
経済から見た世界史は、単純に知的好奇心を刺激されたので、その点では十分に面白い本だとおもう。
以下は各章で関心した点、感想
第一章:円、ドル、ユーロの成り立ち
(感想)
・投資の際に活きる知識ではないと思うが、歴史的観点で円、ドル、ユーロの成り立ちを知ることができ、面白い内容ではあった。
第二章:世界経済と国際通貨
(関心)
・ユーロ導入時はドイツは輸出で潤ったが、赤字国の救済のために貧乏くじを引いた。
ギリシャは粉飾したり、他国におんぶに抱っこで、酷い国だった...
第三章:経済の自由化
(関心)
・農業国であるフランスの皇帝ナポレオンは、自国の工業を工業国であるイギリスから守ろうとして保護貿易を布いた。しかし、イギリスへ穀物を輸出していたロシア、ポルトガルが裏切り、ナポレオンは敗れた。
・アヘン戦争の戦勝国イギリスは、中国に自由貿易を求めた。
第四章:投資とバブル
(感想)
・個人的にはあまり興味を持てなかった...
第五章:財政
(関心)
・アメリカの独立は、植民地時代のイギリスvsフランスの戦費負担(課税)への反対運動がきっかけ
・ケインズ主義:財政出動(公共投資)と金融緩和(紙幣増刷)で通貨を供給。(例:アベノミクス)
・自由主義:公共事業は税金の無駄。産業保護は民間活力を削ぐ。政府は貨幣量の調整。(例:小泉内閣の郵政民営化) -
江戸時代から明治時代にかけての政策担当者の朱子学的な世界観と陽明学的のな世界観の対比が新鮮だった。
法思考的には、朱子学が大陸法、陽明学が英米法に近いといえよう。
著者の予備校の授業を聴講できる駿台生が羨ましい。 -
近代だけでなく古代の歴史と現代の経済・政治とのつながりが見えて面白かった
世界史もっと勉強したいな! -
戦後からの歴史や、海外の経済や変遷が要約されていることは非常に有用。歴史を知って、今を知る。
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2019.2.1
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経済は世界史から学べ
・荻原重秀の貨幣改鋳は貨幣価値が金銀の含有量で決まる「本位通貨」から政府が通貨価値を決定できる「信用通貨」への転換を表現したもの
・今のドイツはユーロを通じて欧州を支配する第四帝国だと言われている
ギリシアの混乱で起こったユーロ安でドイツの輸出産業がボロ儲けしたから
・グローバリズムは常に経済的強者に恩恵をもたらす
・日米のGDP合計はTPP参加国全体の90%に達するため、TPPは事実上日米のFTAだ
・保険業は航海のリスク分散から生まれた
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貨幣の起こりから入って、サブプライムローン問題やギリシャ危機までの経済史上の出来事を、世界史と絡めながら説明していきます。
テンプル騎士団がキャッシュカードの起こりだとか、旧約聖書で「同胞から利子を取ってはいけない」という教えがあって、それがイスラム教世界に影響を与えているとか、高橋是清が世界恐慌を財政出動で克服した後、緊縮財政策に転じて軍部の恨みを買い二・二六事件で暗殺されたとか、備中松山藩の藩政改革が明治維新前後の財政に大きく影響を与えたとか、色んな逸話があって、それらを聴くだけでも凄く楽しい。
更に、ナポレオン戦争や南北戦争から二度の世界大戦を経て戦後のブレトンウッズ体制、プラザ合意、世界金融危機、ギリシャ危機までの出来事が、銀本位制、金本位制、金本位制の廃止という大きな流れと、自由主義と保護主義という大きな枠組みで一つに繋がっていくそのダイナミズムに感動すら覚えます。
世界恐慌や不況、或いはデフレやインフレ、更には財政危機に対して、ケインズ主義や新自由主義がどの様に用いられ、それぞれの時代背景や組み合わせによって、どういう結果がもたらされたかといったまとめや、それを元にした黒田バズーカやアベノミクスへの考察は中々に興味深かったです。
今まで自分の中で点で持っていた世界史の知識と経済の知識が、本書のおかげで線として繋がりましたし、益々世界史と経済の両方に興味を抱けるようになりました。タメになった以上に、凄く面白かったというのが率直な感想。
教養を身に付けたい人、経済動向から投資を判断するための経済リテラシーを身に付けたい人、社会科系のお話が好きな人にはかなりオススメの本だと思います。