ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478025802

感想・レビュー・書評

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  • 言わずと知れたライブドアのホリエモンが、 証券取引法違反で有罪懲役後に書いたエッセイ。
    見せしめ有罪という色彩が強かったことは確かだが、架空売り上げとかいろいろやっちまったのも確か。
    どうしてそういう過ちを犯したのか、そのあたりを顧みてあることを期待して読んだが、完全スルー。
    残念。

    そのかわり、全編を通して強烈に伝わってくるのが、親の愛への渇望。
    フツウのお家に生まれてはいるのだけれど、なんというかかなり偏屈なご両親で、彼は寂しさと窮屈さの中で子供時代を送っている。 親の事を悪く言っているわけではないし、理解もしているようだが、彼の根っこには「構ってほしい」という気持ちがずっしりと存在している。
    それを分かれば、球団買収や国政選挙への出馬時の幼さが顔を出す言動も納得できる。

    また、その渇望を取り繕うことなく言葉にしてしまえるところは、人気の秘密でもあるのだろう。

    “何かをやろうと思うときに、親がどう言うだろうか?と気にしているうちは自立しているとは言えない” という言葉も、小さいうちから 親と自己を切り離していかなければならないと理解していたからこそ出てくる言葉であろう。

    なんにせよ「人間なんだから、とにかく働こうよ」というシンプルなメッセージは良いと思う。
    ごちゃごちゃ考える前にやってみる、大事ですよね。

  •  元ライブドア堀江貴文氏が出所後に書いた自己啓発本。自身の子供の頃のこと・両親のこと・働くこと・将来の夢のことを赤裸々に語っている。この本を読む限り、本当の彼は、不器用で寂しがり屋で少年のまま大人になったような男。新しいイメージ戦略なのかもしれないけど、読むと彼へのイメージが180度変わるかもしれない。

    ゼロにイチを足していく
     この本で堀江氏が最も伝えたいメッセージは、成功したかったら先ず「ゼロにイチを足していく」しかないということ。この意味は、
    ・最初は誰でもゼロの状態(地位も経験も自信も無い)。
    ・だから、イチを足していく作業(与えられたことや興味のある事、何にでも挑戦し、経験と自信をつける)をまず地道にやっていく。
    ・そうすれば、その先に「掛け算」のように飛躍的な成長・成功が手に入るようになる。
    ということ。彼が一番言いそうにないことだ。でも、身近で一緒に仕事をした人間からは、イメージと違って努力家ですね、と良く言われるらしい。ただ、本人は好きなことにハマっているだけで努力(=辛いこと)とは感じてないらしい。それが自然に出来てしまう人が、成功する人なのだろう。

    他者へ伝えることの大事さ
     彼に対する多くの人のイメージは、金の亡者・競争原理至上主義者など。でも実際は、マスコミがインタビューの一部の発言「金で買えないものはない」とかだけを面白がって取り上げて拝金主義のレッテルを貼り、大衆は彼のことを誤解していたという面が強いんだと思う。
     2004-2005年頃の近鉄バッファローズ・ニッポン放送買収騒動の当時は、彼自身も誤解をそのまま放置し、本当の自分を理解してもらうことを疎かにしていたとのこと。そして、大衆に対し感情的・人間的な言葉で説明することよりも、端的な論理の言葉や数値だけで語ることが正しいと信じていたらしい。
     しかし、今の彼は過去の自分を振り返って、当時のやり方は間違ったことをしたとは思っていないが、世間の反感を買いやすく結果的にはうまい方法ではなかったと反省している。
     自分の考えを理解してもらうためには、まず「堀江貴文という人間」を理解し、受け入れてもらわなければならない、言葉を尽くして丁寧に説明しなくてはならない。
    ようやくそう気付いたらしい。懲役2年6か月の刑務所生活という、もの凄く大きな代償だったけど...

     僕自身も、どちらかと言うと堀江氏のように、周りの空気を読んだり、相手のご機嫌を取ったり、裏側でネゴしたりというようなことは苦手だ。彼ほどの賢い人間でも自分のスタイルを貫き通すことは出来ないのだとすると、僕も今のままじゃいけないんだろうな、と思う。

    働く理由
     彼が刑務所から出て一番やりたかったこと。それは「働きたい」ということ。そして彼が働きたいと思う理由は、働くことにより、
    ・誰かとつながり、社会とつながることができる。
    ・自分が生きていることを実感し、人としての尊厳を取り戻すことができる。
     お金はその結果として付いてくるものであり、働く場所を維持・拡大するための手段でしかない。

     何のために働くのか。普通に働いていたら、家族を養うため、社内の周囲の人たちのため、そんなことかしか思いつかないけど、本当は社会のため・自分のために働いていると実感できることが一番の幸せなんだよな、と改めて思った。

  • うーん、なんかちょっと嘘っぽい。言ってること変わってないと言いつつ、伝え方、コミュニケーションの仕方が悪かったと書いてるけど、本心かな??と感じる。でも今後彼が何を成そうとしているのかは気になるところ。2014/1/24

  • なぜかお会いすることになって、ご本人から直接頂いた本。巷でも、ホリエモン⇒堀江貴文さんへと人物像の印象を変える1冊となったと聞くが、僕自身、ほとんどまともな予備知識(メディアにより出来上がったパブリックイメージ程度しか知らなかった)もないままにお会いして、しかも初めてまともに読んだ本がこれだったので、実物とこの本のイメージで、ほぼ同時に、僕の堀江貴文像が出来てしまった感じ。それを一言でまとめると、とても「心地の良い人」である。僕は、他の人間を見る時、良い悪いではなく、自分との体温の差のようなものを感じ取ろうとする。そして、結局それがその後の距離感を決定づけるファクターになったりする。その意味では、お会いしてても、本を読んでいても、堀江さんと自分の体温差を全く感じなかったのだ。対人恐怖的な性癖を自覚している僕と、バイタリティーに富み「一人になりたいなんて思わない(本書を読むと、その理由も綴られているが…)」と言い放つ、堀江さんの体温が同じというのも変であるが、確かにそう感じるのだ。一緒にいて、とても心地いいのだ。もしかすると、誰にもそう感じさせることこそが、堀江さんの根本的な才能なのもしれないが…。

  • いまさらホリエモンでもないだろう・・・と思ったが
    「ほぼ日」での糸井さんとの対談が案外面白かったので大枚はたいてしまったorz

    でも、読後感は悪くなかったデス。
    悪くないどころか、自叙伝パートは同い年なこともあり、当時の空気感にも共感できたし、堀江氏の体験を通した自己啓発論もその通りだよ!と思った。内容は至極当たり前のことばかりだったけど。

    もっとも本書の目的は、(本の帯にも遠回しに書かれてるが)ホリエモン自己アピール本であり、営業プレゼンツール。
    自分がやりたいこと(宇宙事業とか?)を実現するために
    自分がどういう人間なのか語りつくし、どうです?案外まともな人間でしょ?信用に足る人物ですよ、僕に共感してください、できることなら協力してください、一緒に新しいことをやっていきましょう、停滞した国の空気をかえていきましょうよ、と235ページも語りかけている。

    今どのくらい売れてるのかわからないけど
    要所要所で本のアピールをうまくして、売り上げをのばし
    (たぶん)自分の事業に直結させようとしてる手法はさすがーと思う。堀江氏のことなので普通に営業してもそれなりの協力者、支援者はつくのだろうけど、何万もいる読者、フォロワーにも意識的に共感を作り出して、これから何をしようとしてるのか、興味深い。

  • すべて失った堀江貴文氏の「はたらく」ことに関する思いが綴られている。「はたらく」ことの意義を考えさせられる。そして、堀江氏が地道な努力である「イチ」を積み重ねた結果、今があるという言葉からは、マスコミで報道されいるイメージからは少しちがった不器用ながらも愚直に努力を重ねていく堀江氏の姿が思い浮かびます。

    ゼロは何倍してもゼロにしかならない。が、イチは掛け算でどんどん増えていく、といった主張はそのとおりですね。収監され、懲役という「仕事」を経験した堀江氏が語るからこそ説得力のある言葉の数々。

    はたらくことと、自分の人生について考えらせられました。

    僕たちは社会の中で生きており、社会にお世話になって生きている。はたらくことが人が社会に繋がる手段であるという言葉を意識して生きていきたいと思いました。

  • 私は大きな勘違いをしていた。堀江氏は他者を使い捨てる「悪趣味な成功者」であり、収監後もなお「人を出し抜く」ために働くものだと思っていた。本書を読んでその印象が大きく変わった。堀江氏は成るべくして成った成功者であり、収監後もなお再びの成功を望み「努力」している。こんなにポジティブな人はなかなかいないと思う。そのバイタリティと前向きさを見習いたい。その人生観に大いに元気づけられた。

  • 買ったのは書店員さんのPOPを読んで興味をそそられたからです。あとは、少し経営に興味がでていたので、そういうことが学べるかなとも思いました。しかしそれから忙しく積読。その間のストレスがひどかったです。本の中には確かに人が読んで魅力的だと思う内容がのっているはず。あのホリエモンが刑務所からでて再び動き出したのだから、何かまたすごいことをやってくれているだろうというわくわく、そんなものをかかえながら眠る日々に私は嫌気がさしひどくもどかしい思いをしました。

    よそんな思いをかかえ、一気読みを先日しました。

    感想は、人生の時間は決まっている、貧しい人も裕福な人も24時間365日は平等に与えられているということに改めてきづかされました。見事に啓蒙されてしまいました。くやしいくらいに。物事をポジティブにとらえ、自分の強みを作りたいと思いましたし、人にやさしくなりたいとも思いました。
    堀江さんは文章を書くのがうまいですね。例え話をふんだんに盛り込んでいる。簡単で分かりやすい言葉に徹底し隣においた辞書はとうとう活躍の場をえられませんでした。彼はまだまだ働いて挑戦をしていくのだと思います。負けていられません。わたしも頑張ります。
    …面白いくらいに思う壺

  • 今まで筆者のことはライブドア社長で球団買収をしたりとか犯罪を犯して捕まったくらいのイメージしかなく、多くの著書を出版しているが本書で初めて筆者の本を読むことになったが、かなりの刺激を受けました。

    まずは自分と同じ一人っ子という境遇や幼少時代から学生時代のエピソード、そしてなりより考えが常人とは並外れた感覚を持っている事を読んで感じました。

    起業を勧める姿勢やライブドア社員や刑務所の職員などの人への感謝を伸べているところは本当に心打たれるものがありました。
    刑務所内の仕事から仕事の面白みを説き、自分から作っていくという話は凄い共感とともに刺激を受けました。

    先見の明があるだけでなく、頭の回転の鋭さと行動力の早さで時代をリードしてきたことが改めて理解でき、これからのビジョンに対してもなにかまたやってくれそうなワクワク感が読了した時にあってこの本に出会えた事は本当に感謝しています。

  • 経験とは、経過した時間ではなく、自らが足を踏み出した歩数によってカウントされていく

    人はなにかに没頭することができたとき、その対象を好きになることができる。

    あらゆる人の一生とは、小さな選択の積み重ねによって決まってくる

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著者プロフィール

1972年、福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1,500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『時間革命』(朝日新聞出版)、『最大化の超習慣』(徳間書店)など著書多数。

「2023年 『(仮)2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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