作品紹介・あらすじ
「なんでこんなに読むのが遅いんだろう…」「以前はもっと本を読めていたのに…」というすべての人へ。積ん読、解消!! 月20冊があたり前になる。なぜ「1ページ5分」の遅読家が年600本の人気書評家になれたのか? 音楽を聴くように本を読む――さあ、「フロー・リーディング」の習慣を始めよう。
感想・レビュー・書評
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この本は、小説などの文芸書向けではなく、ビジネス書や新書向けの本です。
メモ代わりに以下要点を抜粋します。
・読書の本当の価値は書かれていることの「100%を写し取る」ことではなく「価値をかんじられるような1%に出会うこと」ー「熟読の呪縛」から抜け出す。
・「フロー・リーディング」は膨大な情報が押し寄せてくる時代に最適化された「ためこもうとしない読書」のこと。
・速く読める本を中心に選ぶ。
(ストーリーあるがコンテンツは選ばない)
・読書を習慣化するうえで重要なのは「速く読める本」をたくさん読むようにすること。
・書くために読むーレビューを書くと読書の負担がものすごく軽くなる。
・レビューには意識的に「引用」を多く織り込むこと。
・速くて深い読書は「引用」からはじまる。
(その本のどこに心動かされたのか、どんな文章が気になったのかが可視化される。書き写しているのだから忘れてしまっても大丈夫)
・覚えようとするから忘れる!「記憶」せず「記録」する読書法。
・本の価値をわがものにしたいのであれば、まずは「1箇所にまとめて書き出す」
・「「毎週6冊」を目安に1日1冊。
・1週間の「読書スケジュール」を先に組む。
・「1日1冊」を実現しようとする場合「明日読むべき本」が決められていること。
・先に6冊分の書名を書き込んでしまい引用とレビューが「書き込み待ち」状態になるようにすること。-年間300冊
・選書
・「興味の壁」を壊して、「好きな本」を増やす。1冊か2冊くらいは「ちょっと読む気がしないくらいの本」を入れるようにする。ー自分の興味の壁の範囲をどんどん広げていける仕組み。
・本の「選り好み」を少しだけセーブする。
・書評家は本のDJである。
・「他人のおすすめの本」を選り好みせずに読もう。
・ビジネス・新書ー自分を成長させるため
・小説・エッセイー自分が楽しむため
・「なにかのための読書」なんてつまらない!
プロセスそのものを楽しめるようになっていただきたい。
・1日2冊→10年後7000冊!!
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「ここで1つの結論めいたことを言っておけば、つまるところ、遅読家というのは能力の有無ではなく、読書の捉え方に由来しています。『本を速く読める人』と『遅くしか読めない人』がいるのではありません。『熟読の呪縛から自由な人』と『それにとらわれている人』がいるだけなのです」(扉表紙の裏側にあるリード文)まぁそうなのでしょう。特別な事は書いていない。
私の関心は、この人はどのように本を選んでいるのか、ということぐらいだな。メモを書きながら読めば、数時間で読み切り、書評も書けるだろう、と見通しを立てる。
読み進めるうちに、反感ばかり覚えてくる。著者は反感を覚えるような本は読まなくていいという。でも、ここまで読んで書評を残さないのも何だし、書評を残すならばきちんと根拠を示すのが礼儀というもんでしょ?著者は9割は「速く読める本」を選べという。でも、それは著者の書評家生活に特化する理由だ。あんたの生活に合わせる理由が私にはない。「速く読む必要がない本」はエッセイ、小説などらしい。根拠は「筋が重要だから」。バカ言ってんじゃない。小説は文体こそが重要なのだ。或いは細部こそが重要なのだ。この時点で、価値観がまるきり違うことが判明する。LGBTを生産性がないから不要だと言った政治家を思い出した。
あとは冒頭のかなり詳しい目次を見たら、この人の書いた内容の大体は分かった。半分くらいは既に私が実践してることか、実践したいと思っていることであり、半分は私とは関係ないことのようだ。この時点であとの2/3は読むのよを止める。ここまで書きながら読んで掛かった時間は30分である。流石、素晴らしい!この調子で読めば、この人のように年間700冊は読めるかな(笑)。
(追記)何でこんな本を選んだかというと、ブクログ書評を読んで興味を持ったため。直ぐに図書館に予約しました。印南さんじゃないけど、そういう本の選び方は重要だと思う。
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読みたい本は沢山あるのに読むのが遅い、読んでも頭に残らない、という悩みがあり、飛びついた本。
著者もおおむね同じような悩みを抱えていたようだけど、ネットの読書レビューの仕事を引き受けてから変わらざるを得なくなり、年間数百冊を読むまでになったとのこと。
考え方としては、一冊の本の1%の良いところだけ自分の中に残れば良い、それを年間数十冊、数百冊読むことで、色々な考え方の良い部分を自分の中に積み上げていけばよいのだ、というもの。
読書をテンポよく読むために読書環境を整えたり、要所要所をかいつまんで読む方法の紹介や、その本の良い部分を記録してモチベーションを上げるノートの作り方などを紹介している。
最近自分も本の全てを記憶しようとか、著者の意図を全て理解し取り込もうとか言う考えはやめて、少しでも良い部分が読めたらいいやぐらいに変わってきたタイミングでこの本と出会った。
色々な方法については斎藤孝さんの速読本に書かれていることとあまり大差なく、以前そちらを読んでいた自分としてはあまり参考にはならなかった。
ただ、1%だけでも良さがわかればよい、という考えでもいいんだ、と思えたことは良かった。
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本を読むモチベーションが確かに上がった。
量も経験を積み重ねていけば質の高いものになるということを伝えたいのだろうと感じた。
1ライン・サンプリングや1ライン・エッセンスを是非、読書ノートを作っていくにあたって取り入れていくことにした。
確かに読書に対して身構え過ぎていたのかもしれない。
スマホを見るように、もっと気楽に活字と向き合おうと思った。
ある程度時が経ったら、またこの本に立ち返ってみたい。
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978-4-478-06857-1
C2030¥1400E. 実用・単行本・社会科学総記
遅読家のための読書術
情報構図でも疲れない「フロー・リーディング」の習慣
2016年2月25日 第1刷発行
2016年4月27日 第5刷発行
著者:印南敦史(いんなみ あつし)
発行所ダイヤモンド社
カバー袖より
ここで1つの結論めいたことを言っておけば、つまるところ、遅読家というのは能力の有無ではなく、読書のとらえ方に由来しています。
「本を早く読める人」と「遅くしか読めない人」がいるわけではありません。
「熟読の呪縛から自由な人」と「それにまだ捕らわれている人」がいるだけなのです」
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はじめに なぜ「1ページ5分」の遅読家が年700冊の舎評価になれたのか?
1 なぜ読むのが遅いのか?
2 なぜ読む時間が無いのか?
3 なぜ読んでも忘れるのか?
4 流し読みにもルールがある
5 本とどう出会い、どう分かれるか
終章 多読家になって見えてきたこと
おわりに 10年後には7000選冊の世界が待っている
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手にした理由
自分の「読書」ってものに疑問を抱いたから。
時々、速く読むとか、忘れない、とかたくさん読むとか色々読んでみている。
本を読むのが楽しい時もあるし、そうでない時もある。
あさましい人間なので、知らないことを知るのは楽しい。
また、「本」というものが思い出の品であったりもする。
時代や、著者さんの生活を想像したり、物語に浸ったりもする。
紙本好きなので、素敵な装丁やデザインに、どんな人がつくったのかなぁとか
昔読んだときはこんな風に感じなかったとか
絶対名作!!って言われている本が「よーわからん…」となったり、べらぼうな楽しみの他に迷いや不安もありつつ本を読んでいる。
目次から、選書の方法と処分や本棚についての部分が面白そうだなって思っていて、これから読んでみる。
まえがきでは、著者さんは本を読むのが遅かったそうですが、現在は違うみたいです。
私個人として、早く読む事が必要にはならないだろうけど、知っておくのは悪くないだろうなぁっても思います。
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他の方も書かれていますが、「ビジネス書、実用書等からいかに早く自分の欲しい情報を得るか」と言う事について紹介されています。
そして、その中でも大量に情報を入手し、選び取る必要がある人向けと思われます。
読んで楽しいとか、余韻が残るとか、そのような本の読み方ではないようです。
ただ、ビジネス書だとして、自分の欲しい情報(悩みの解決や新しい取り組みのヒント)が記載されていたとして、実行して検証して修正して実行してみるという過程については記載されていません。
本はたくさん読んで、記録を書いて、3か月後には捨てましょうと言う事なので、発売3か月を過ぎた本はそもそも本を買うのがためらわれる気がします。
(全部捨てろとは書いてないけど)
本に線を引く、書き込みについても書かれています。
なんのために線を引くか?
線を引くことで覚えられる人は、線を引けばいい。
後で見返すために線を引くのは目印になる。(覚えるかどうかは別として、目印にはなる。)
学生時代、教科書に線を引いても(そして、何度も見るのに)ちっとも覚えなかった私には向かないって感じです。そもそも、本に手を加えることに抵抗があるから、「無理に線を引く読み方はしないでよろしい」と思った。
さらに、大量に本が有るとすると、いちいち開かなくても目印を探せるように付箋をつける今のパターンが現在の自分に合っている感じです。
選書について
とにかく大量に本を読む事が必要がある人には有効かも。
自分以外のフィルターで選ばれた本を開いてみること(試してみること)は否定しないけど(ある意味それも楽しみではあるけれど)、仕事以外でムリクリ読むと、本嫌いになりそうで怖い。
さらに、記録をってことになると、読書感想文の呪い?
つまらなかったとか、役に立たないとか合わないってのも記録か。
本の処分について
背表紙を見えるように並べ、奥付から出版日を確認し、3か月を超えたものは処分対象w
うぅ‥。この人の書棚を見てみたい。
「遅読家」ではまだ検索にヒットするのは、この本と、この著者さんだけ。
「遅読」については「じっくり時間をかけて、読む事」と有り、対義語として速読と有りました。
このタイトルに引っ張られて読んだわけですが、内容としては、本をじっくり読む習慣を持つ人が何らかの事情で大量の情報を本から読むときの方法の一つ。という感じです。
早く読めるようになるには、トレーニングとして早く読める本を多量に読み続けるという手法が紹介されていましたが、「それを楽しめるのか?」、「それが必要なのか?」は個々人によるでしょう。
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最近積読と読了の割合が合わなくなりどうやったら解消出来るかなと即購入。購入した日に読了したのは初めて。
基本的には熟読を意識していたが、良い意味での流し読みは腑に落ちた。確かに重要な部分もあるが、そうでないと部分もある。読むスピードを変えたりするのは自然としていたし、こうやって読了後は必ず250字程度でレビューし、感想を交えつつ引用もし、読了後に見返している。このアプリを始めたのがその目的だったので、目的は十分果たしている。
1%にめぐり合う。引用する。冒頭、目次を読む。ギアチェンジ。覚えない読み方。
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読書本にはありがちな内容であった。
熟読しても一冊丸ごと覚えていられるわけではないので、読んだ本から最高の一文を見つけ出し、その一文に対する感想を一文にまとめるという読書方法は取り入れたいと思う。
・本書のメソッドが対象としているのは、主に「ビジネス書」とか「新書」といった、事実・主張を伝えるコンテンツであり、小説のようなストーリーコンテンツは含まれていません。なぜなら、速く読める本(ビジネス書一新書など)と速く読む必要がない本(小説、エッセイなど)とでは、読む目的が違うからです。①事実・主張コンテンツ(ビジネス書・新書など):自分を成長させるため。②ストーリーコンテンツ(小説・エッセイなど):自分が楽しむため。本書のフロー・リーディング習慣」による年間300冊読書計画は、「①事実・主張コンテンツh速く読める本」を1冊1日で読み終えることを前提としています。
・いくら熟読しても、実際には忘れていることのほうが多い。
・「頭に入っていないことのほうが多い」ということは、裏を返せば、「忘れていないものの中に、自分にとって大切な部分が凝縮されている」ということだからです。ー冊を読み通したことの意味は、その一節に出会えたことにある。
・熟読して覚えた”つもり”になっていることの多くは、時間の経過とともに(しかもごくごく短時間のうちに)記憶から消え去っていきます。結局のところ、「すべてを頭に叩き込むことを前提とした読書」ほどムダなものはないのです。
・読書の本当の価値は、書かれていることの「100%を写しとる」ことではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」ことにあります。大切なのは、その本を読んだ結果として、知識や発見のひとかけらが頭の中に残ること。ほんの断片でもいいのです。なにか印象的なことが1つでも残ったなら、その読書は成功したと考えるぺきです。「全部残さず取り込んでやろう」と欲張らない。
・読書に限らず、なにかを習慣化するうえでの極意は、毎日・同じ時間帯に行一つことです。ちなみに個人的には、頭をスッキリさせられる朝の時間がおすすめ。「寝起き10分読書」を身につければ、寝起きでいちばんつらい10分間のうちに意識が覚醒し、そのままスーツと起きられて一石二烏です。目が覚めたらすやに起き上がらず、あえてそのままべッドに寝転がりながらめ分間だけ本を読むのです。すると、たったそれだけのことで頭がスッキリします。
・本を読みながら引用リストをつくり、読了したあとに再びリストに目を通したら、その中から「もっともすばらしいと思った引用」を1つだけ選ぷようにしましよう。自分がこの本を読んだ価値のすべては、この1行に集約されているといえるような部分です。さらにその1文に対して、「なぜこの1行に感動したのか?いという観点で、ひとロメモを「1ライン・エッセンス」として書く習慣が重要。時間が経つとなぜその一文を選んだのかを忘れてしまうため。
・小説はあんまり詳しくないという人は、発行部数の多いべストセラー小説などから入ってみるといいと思います。べストセラーになったということは、純粋に内容がおもしろいとうことでもあります。
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読むの遅いし、あげくに内容覚えないし…と悩んでいた時、本屋で見つけて購入。
がっつりゆっくり読む本や、さっと流してもいい本、ただ楽しく読む本、読み方がいろいろあるのに、全部統一してしっかり読むって考えるから駄目だった。
もっと気持ちを楽にして、本に向き合う、あぁしなきゃ、こうしなきゃって、そういう強迫観念みたいなものは仕事や生活だけで充分で、せめて読書の時くらいは、ゆったりした気持ちで文字に向かいたいものだ。
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読書の本当の価値は、書かれていることの「100%を写しとる」ことではなく、価値を感じられるような「1%に出会う」ことにあります。(33ページより)
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