- Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480061805
感想・レビュー・書評
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アカデミズムとジャーナリズムの双方にわたる知識人の生態を語りつつ、近代以降の日本における「教養」の変化についても論じている本です。
確かに梅棹忠夫や小室直樹のような学者は、アカデミズムの評価のみで測るにはスケールが大きすぎるように思うので、本書のような視点から彼らの仕事を見ることが必要なのかもしれません。また狩野亨吉や今西錦司は、個人としての業績以上に、学問の世界への貢献を評価されるべきであり、やはり本書のような視点が必要になってくると思います。
ただ、谷沢永一と渡部昇一に関しては、著者の評価は過大にすぎるような気がします。この二人は、それぞれ近代日本文学と英語学という専門の内容を一般の読者にまで届けるような優れたことばの使い手だと思いますが、専門外での仕事にはそれほど目を瞠るようなものはないように思います。山本七平に至っては専門と呼べる分野もなく、多数の著書はエッセイとして楽しむほかないような気がします。
「知」の表舞台だけでなく、雑誌編集者の役割についてもとりあげているのはおもしろいと感じました。また各章末に本書に登場する学者たちに対する評価も示されており、単純におもしろく読めました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
[ 内容 ]
専門家でない一般人が、知識と教養を手に入れようというのなら、やはり学者を頼りにするしかない。
しかし、学者といってもピンからキリまである。
いったい誰が「役に立つ」学者なのだろうか。
著書で見る学者の実力の見わけ方から、ジャーナリズムやビジネス・オピニオンとアカデミズムの思考法のちがい、さらには学閥と人脈の影響力といった学者の世界独特の論理までを紹介。
「学者の値打ち」を適切に判定して、楽しい知的生活を送るための必須知識を提供します。
有名学者の「値打ち」採点表も収録。
[ 目次 ]
第1部 学者の世界(学閥と人脈 学問と流行 大学ブランドの正体 著書に出る実力 専門書、一般書、雑書 学者の質は落ちたか)
第2部 大学の内と外(ビジネス・オピニオンとアカデミズム アカデミズムとジャーナリズム 新教養主義のために 大学外の学知)
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
学者の値打ちとは?
一流の評価は業績(後の人々が多くを摂取できるモノ。)で決まる。(比較的努力が報われる構造)
嫉妬や蔑視は、今は昔より弱まった。強力な自己顕示力を持っていた。象牙の塔の住人
後につながる=自分の事実の弟子増える=名声が続く。つながるものじゃないと、業績は持たない。
「著書・論文がなければ学者ではない」
研究的生活の方法
パソコン:情報=文献・資料・データの収集・整理・管理
考え、書く機械
繰り返し参照するものは。買うと速い。
研究生活: -
渡部昇一も谷沢永一も最初は学会からほとんど見向きもされなかった。肩身の狭い出発だった。しかし、だからこそ自分の力を信じ、自力で道を開くという強い志を強く持てたのだろう。二人の共通点は大変な読書家であること。
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大学教授になる方法を読んでから、たまに小彌太さんの本読んでます。
昔から短期大学の講師(教授や准教授ではなく、)になりたいと思っていました。
教授などでは、学内運営もやらなくてはいけないので、講師になりたいのです。
なれるかな。。。。
ト、2008.9.5
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分類=職業(学者)・学問・研究。04年7月。