地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書 853)

著者 :
  • 筑摩書房
3.49
  • (34)
  • (66)
  • (80)
  • (21)
  • (6)
本棚登録 : 790
感想 : 81
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480065629

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 地方再生について。住みやすい街としてランクインしている街は地域再生としては失敗しているケースではないのかという問題提起から、どうすれば良いのか、著者の考える地域の幸せな姿に向けての提言。良い本です。

  • 請求記号:SS/601.1/H76
    選書コメント:
    まちづくりの「成功事例」といわれるものの失敗の分析がおもしろい。本当の成功とは何か、考えさせる。
    (環境創造学部環境創造学科 北澤 恒人 教授)

  • 「地域に関わるなら」と、オススメされて読んでみた一冊。参考になる視点が多く、僕も誰かにオススメしたい一冊です。市民や商店には「連携」と簡単に言ってくれるけど、庁内の施策すら部課で連携できていない点とか、おそらく行政の中にいる人たちに見えていない自分たちの抱えている矛盾が外から浮き彫りになっていて、実際そこを自分のまちではどう捉えて取り組んでいるのか、聞いてみたいと思いました。そしてそれは行政だけではなくて、企業内でもそうだし家族であったり団体であったり、いろんなグループで活かせる知見なのかなとか。

  • 商店街振興の流れで、もっと広く地域再生に関する著書を見つけ、読んでみました。
    著者は、地域再生プランナーということで、著書内にも、全国の事例が豊富であり、実名で良い点、悪い点が挙げられている。名指しされた自治体にとっては耳の痛い話もあるが、意見としては真摯に受け止め、実態を見据えた対策が求められます。
    そうでない自治体にとっても、ここで指摘されたような、悪い政策を行っていないか、地域の強みを見失っていないか、検証が必要です。



    著書で紹介された商店街や事例等
    小樽3点セット、函館「はこだて自由市場」、青森駅前「アウガ」、宇都宮市「109、表参道スクエア、ギョウザ、カクテル、ジャズ」、太田市「南口商店街」、新潟市「アルビレックス新潟」、富山市「コンパクトシティ、総曲輪」、高岡市「万葉線株式会社」、富士宮市「やきそば」、長野市「ぱてぃお大門」、岐阜市「路面電車廃止、岐阜シティ・タワー43、柳ケ瀬、ネーミングライツ」、松江市「天神町商店街、バリスタの聖地」、出雲市「中町商店街」、広島市「甘党たむら」、上勝町「葉っぱビジネス」、久留米市「やきとり」、武雄市「いのしし課、佐賀のがばいばあちゃん課」、豊後高田市「昭和ロマン蔵」、大分市「関さば」、由布市「湯布院」、鹿児島市「県庁の郊外移転」、那覇市「牧志第一公設市場」

    <この本から得られた気づきとアクション>
    ・地域再生は、こう行うもの、専門家の意見は正しいもの、といった無意識に思っている「常識」を疑ってみることが大切。
    ・多くの事例を参考にすることで、強みを見つけていきたい
    ・政策の総合性の必要性
    ・全国でモデルケースとして紹介されたものにも、必ずしもモデルになれるものばかりではない。裏のカラクリを見定めること。

    <目次>
    第1章 大型商業施設への依存が地方を衰退させる
    第2章 成功事例の安易な模倣が地方を衰退させる
    第3章 間違いだらけの「前提」が地方を衰退させる
    第4章 間違いだらけの「地方自治と土建工学」が地方を衰退させる
    第5章 「地域再生の罠」を解き明かす
    第6章 市民と地域が豊かになる「7つのビジョン」
    第7章 食のB級グルメ化・ブランド化をスローフードに進化させる―提言1
    第8章 街中の低未利用地に交流を促すスポーツクラブを創る―提言2
    第9章 公的支援は交流を促す公益空間に集中する―提言3

  • 地域再生とは何かについて、市民と地域が豊かになることを問い質す1冊。解決策として需要創出する交流の場を設けること(食と街中の未利用地の活用)を打ち出し、地域全体、個店単独ではなく、地域全体で利益を出すことを提案している。メモ。(1)地域全体で利益を上げるための戦略的な赤字設備の設置。(2)公的支援は需要吸引型の箱物ではなく、交流を促す公益空間に集中する。

  • 箱モノ的な地域再生を否定し、市民目線を強調する。それ自体は悪くないんだが、、、
    全体的にあちこちの話を持ってきて繋げ合わせているだけに見える。ご自分で何かされているようにも見えない。
    口が悪いが、クライアントも取れない売れないコンサルか物書き屋サンかと思った。

  • 公務員試験を受ける際にかなりお世話になった本。今回、実際に自治体職員として働く者の目線で読んだが、以前試験の際に読んだ時とはまた異なった気づきがあった。
    最近地方自治体は、消滅可能性都市に指定されたことに対しての対応が求められている。しかし、指定を受けてしまったどの自治体においても、その地域ごとの資源等の限界に直面しており、壁に直面していることかと思う。そのような自治体で働く身として、この本に書いてある提案は、かなり魅力的だった。もちろんそれらの提案をそのまま受け入れるということではないが、自治体にはない考え方をこの本では学べた。

  • 再読

  • 私益より公益を重んじた地域振興をテーマに、地域再生プランナーである著者による、廃れる地域を再生する際の方針策定をはじめとした課題の紹介と、解決策の提言。
    スローフード推進、街中スポーツクラブ建設ありきで論が進められている感が否めないが、課題は具体的な地名を出して紹介され、多くの知見が得られる。
    解決策は、筆者の求める結果ありきな気がする。すなわち、紹介される反論以外にも論理が弱そうなところがある感がある。しかし、地域振興に限らず、何かの提供者として学ぶところは多いと感じた。

    レバレッジメモ
    ・アンケート調査は結果ありき
    ・「(地域再生の)成功事例」の捉え方が土建工学者や自治体(提供者)と地元住民(消費者)で異なる。提供者目線では地域再生
    ・誤った前提から次々と導かれる誤った施策が、地方街中をさらに疲弊させる。

  • 20140216読了

全81件中 11 - 20件を表示

久繁哲之介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
村上 春樹
ロバート キヨサ...
シーナ・アイエン...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×