- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480066091
感想・レビュー・書評
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自らの無知さ加減をこれでもかと教えていただいた良書。日本の歴史や背景を知らずに領土問題は語れない。日本は敗戦国であるという事実を忘れてはいけない。
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目から鱗のことばかり。自分の領土問題の見識のなさがわかりました。
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旬の時事問題について出版される新書ってわかった気になるだけの薄っぺらいのが多くてあまり期待していなかったのだが、これは良書。この件で何か言いたいのなら読んでおくべき本。こういう基礎知識をなくして、感情だけでものを言うのは実にこっぱずかしい。
もっといろいろな見方が知りたい。保守派論客のこの手の本も読んでみようかな。 -
時勢柄、随分と読まれているようだ。読み終えたばかりの同僚から借りて、読了した。
著者は元外務省。大使としてはウズベキスタンやイランに駐在した。
本の内容を強引にまとめれば、紛争や領土返還よりも外交を重視したドイツをモデルにしろ、ということ。異論はあるのだろうけど、著者の書くところによると、中国やロシア、韓国がそれぞれの島々の領有権を主張するのは、(あたりまえだけど)それぞれ理由があり、現在の状態に至るには日本外交が隙を見せたり、米国に意向が働いていたりと様々な要素による。
領土問題は解決が難しいので、それぞれ「棚上げ」にしながらも外交を重視しろとのご主張のようである。
本書はところどころ、太字で強調されている部分があるが、個人的に気になったのは、太字ではない地の文の、以下の二カ所。
「リスクが自分の身に降りかかるおそれがある時、人は簡単に過激なナショナリズムに走らない」「安定した関係を作るには力の強い方が譲歩しなければならない」。
前者は、まあそうあってほしいね、ということだが、後者は、だから今はうまく交渉が上手くいかないのかという気になった。日本が元気がないのか、それとも該当国が力をつけてきたせいか、あえて後者の立場をとれば、どちらが我慢すべきかわからない。互いに言いたいことを言っているような感じである。先は長いかな。 -
中ソ国境紛争をはじめとした国境紛争の史実に基づき紹介するとともに、日本が平和的に領土問題を超えて隣国との利益関係を構築する方法を提示している。
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元外務省国際情報局長「孫崎 享」さんの著書。
連日、テレビ、ラジオそしてWEB上で報道される尖閣と竹島の問題をみていると、中国、韓国に対して怒りが芽生えてくる。
しかし、正しい事をしているはずの日本に対して中国や韓国はなぜ攻撃してくるんだろうか?そんな疑問に答えてくれる本です。
そして中国と戦争になったら最初に何が起きるのかを解説している。
中国は日本を含めたアジア圏にあるアメリカ軍基地をミサイルで一瞬で壊滅する能力が有り、そうなるとアメリカ空軍は機能しなくなるとの意見。そもそも日米同盟が機能するのか???
もちろん反論はあるとおもうけど、あまり中国の戦力を過小評価してはいけないと考えさせられる。
そして、なぜこんな事になっているのか、北方領土問題を例に挙げて説明している。
今必要なのは、太平洋戦争前の日本の政治力なのかもしれません。 -
文章は難しいけど今ニュースでやってる領土問題の現在にいたるまでの事実を客観的に知ることができます。
とにかく領土問題の解決は難しい!!無理でしょ!!
ってことで棚上げが一番・・・そうはいっても日米安保で守ってもらうことが実は期待できないってことで紛争には発展して欲しくはないですね~だって日本なんてどの国と戦ったって勝てるわけないやん・・・
敗戦国で同じく領土問題に取り組んだドイツの話、戦後のアメリカの思惑に左右される日本の領土問題、今後の領土に関する交渉も後ろに控える同盟国アメリカの思惑に左右されると思うと日本はちっぽけだな~と思い知らされます・・ -
内容・結論については賛同できるが、専門家の本であるにもかかわらず、史実や国際政治理論の考え方への突っ込み方がもう一つのような気がして、構成も読みやすいとは言えず、少々、「思い」先行型のところが残念。きっと紙面の都合で仕方なかったのだろう。
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尖閣諸島・竹島・北方領土の帰属を巡る論点、紛争に至らせずに外交関係を維持する必要性や方法を述べる。尖閣諸島を巡る小泉政権時代の対応を述べていないなど疑問もあるが、凡その論点が挙げられていると思う。領土問題を考える際には一読しておくべき本かな。
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平川さんがツイートしてたけど、なかなか良かった。領土問題の棚上げ叡智や、軍事的にも、経済的にも、中国には、この先勝てないことや、北方領土問題にからむアメリカの策謀とか。ためになりました。