- Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480066091
感想・レビュー・書評
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「尖閣諸島は日本固有の領土ですか」
「尖閣諸島はいつから日本の領土になっていますか」
「尖閣諸島は日本固有の領土であるとして、中国も自国領だと言っています。では彼らは何を根拠としていますか」
「では、米軍は北方領土で日ロが軍事紛争になった時に日本側で戦いますか。安保条約は北方領土を対象としていますか」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
尖閣諸島、竹島、北方領土、これらの領土問題はいつか解決する日が来るんでしょうか?一方的な主張は紛争を産み出します。この本には、日本の国境問題に関して相手国や諸外国の見方、過去の外国間の領土問題の解決事例を元に、国際問題解決への知恵がまとめられています。多くの人に読んでほしいと思う一冊でしま。
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必読
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尖閣諸島、北方領土、竹島。
今の日本が抱える周辺諸国とのこれら領土問題について、歴史的背景や関係国とのやりとりを踏まえ、実情がどうなっているのか、とてもわかりやすく書いている。
これらの領土問題も、直近の歴史を紐解けば、すべてが第二次大戦時の「ポツダム宣言」に帰結する。
これら領土問題を巧みに利用する米国。
日本とは対照的に領土に固執せず、周辺国との協調路線を歩んだ、同じ敗戦国のドイツ。
日本のマスコミではあまり報じられないことを知ることができた。 -
領土問題について、ある程度は知っているつもりであったが、この本を読んで何もしらなかったことを思い知らされた。
たとえば、尖閣は明治時代にその領有を宣言したことは知っていたが、それ以前に台湾の領土であることを示した文書が残っている。そして琉球の領土では決してなかった。北方領土は、日ソ関係が正常化しないように歯舞、色丹の2島返還で合意しないように米国に恫喝されて交渉がまとまらなかった。そこに米国の外交が絡んでいたことは知らなかった。
今回の尖閣に関する対応は、いままでの外交努力を水の泡にし、日中関係を悪化させた。
領土問題はナショナリズムがすぐ絡むが、そうはせずに、より大きな2国間の利益を追求することが得策である。 -
元外交官、防衛大学校の 孫崎亨の最新の書だった。
日米同盟や戦略的思考の本もあるが、今回は2010年にいろいろと問題が起こった、尖閣諸島、竹島、北方領土の問題を、中国の軍事大国化、アメリカの思惑などもからめながら、歴史的検証もいれて書いている。
ドイツの敗戦国としての戦略を例に出しながら、強い者ほど譲らなければならないということで、イラン・イラク戦争、中ソの問題を提起しながら、領土問題(国境問題)を世界がどのように解決してきたか、また、歴史的に検証をしっかりしたうえで、議論を成り立たせることが必要だと書いている。
紛争解決の交渉として、国益論や一般的な交渉としてできる方法論、個々の事例で行える方法論などについてもまとめており、体系的な領土問題における国際交渉論としても有効な本だと思う。
ナショナリズム的な感情的になりやすいことをしっかり論証している点が晴らしい。領土問題を考えるには、まずこのようなことを押さえた上で、考えたい。 -
マスコミの報道するニュースだけでは理解できない国際政治・外交の歴史的経緯をもとにした日本の領土問題・国境問題について論じている。
非常に分かりやすく、また今後の米国・中国との外交における処方箋まで論じており、勉強になる。